
クラシコムに転職した2年前、春のやわらかい空気につられてはじめたのがランニングでした。
わたしは昔から飽きっぽく、どちらかといえば「続かない」性分です。日記だって、1日坊主で終わったことが何度あったか。
だから今回のランニングも、続いても2週間だろうと思っていました。
なのに気づけばもう丸2年。めずらしく続けられている自分がいます。

走るのが性に合っていたとか、昔より粘り強くなったとか。続いた理由を自分なりに考えてみたのですが、どれも少し当てはまるし、少し違う気もしています。
たぶんそれだけじゃない「なにか」があって、でもその動機が何なのか、いまだに自分でも上手く言葉にできないのです。
ただひとつだけ、最近気付いたことがありました。
それは、たぶんわたしは根本的にランニングが「きらい」なのだということ。
でも、「イヤだなぁと思いながらも、重い腰をあげなきゃいけないこと」が、意外とわたしの日常には必要なのかもしれないということです。

毎日には、いろんな気持ちの波があります。嬉しいことがあって良い気分の日も、なにも思うようにいかずモヤモヤする日も。
それでも毎晩、重い腰をあげていつもの道を走っていると、次第に心がフラットになっていくのがわかります。
ふわふわ浮かれた気分の時は、ランニングという少しの負荷が、心を通常モードにしずめてくれる。
反対にどんより暗い気分の時には、ランニングという少しの負荷が、(マイナス×マイナスがプラスになるように)意外と気持ちを上向きにしてくれる。
わたしの毎日が平常運転できているのは、案外好きなことだけじゃなく「ちょっとイヤなこと」のおかげなのかもしれないと、気づいたのです。
イヤでも渋々向き合わなきゃいけないこと、暮らしの中にはたくさんあります。でもそんな風に思えたら、今朝放り出してきた流しの食器にも、昨夜たたまずに寝てしまった洗濯物の山にも、ちょっとだけ重い腰をあげる気力が湧くのでした。
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