【週末は世界旅行!】第6話:新しい扉を開くため。未知の国・モンゴルへショートトリップ!
編集スタッフ 奥村
この国に行ってみたい、あの国も気になる。毎年連休には、海外旅行への妄想が膨らむわたし奥村。
現実にはお金も時間も限られていて、なかなか機会が少ないけれど……たとえば食文化だけなら、この週末にだって楽しめるはず!
この連載「週末は、世界旅行!」ではわたし奥村が気になるあの国の料理店へ、スタッフを連れ立っておじゃまします。
後輩スタッフ栗村が、いろんな意味で気になる「モンゴル」
実はわたし、前から一緒に旅したいスタッフがいました。それは、同じ編集チームの後輩、栗村くん。
ある日「世界旅行に行くならどこがいい?」と質問してみたら、「モンゴルにいける勇気が欲しい」となんだか意味深なコメントをくれたのです。
詳しい話を聞いてみると、昔ランチにひとりで入ったモンゴル料理屋で、店主さんに急に民族衣装の帽子を被せられてびっくりした経験があるのだとか。
以来、モンゴルが気になりつつも微妙な距離をとっていたという栗村。そんな彼とモンゴルの橋渡しになりたい!
かすかな親心(先輩心?)を胸に、今回は一緒にモンゴルへ飛びました。
東京の「モンゴル」へやってきました!
おじゃましたのは、東京・新宿にあるモンゴル料理や「新オッと屋」(「オットヤ」とはモンゴル語で「歓迎」の意味だそう)。ここはモンゴルの民族衣装に身を包み、伝統的な住居「ゲル」の中で料理が楽しめるお店です。
到着してすぐ、店主のドリンさんに衣装を着付けてもらうわたしたち。結婚式など特別な日のための民族衣装は、とっても色鮮やかです。
▲心の準備ができたのか、笑顔で衣装を着せてもらう栗村
▲今日は帽子を被せられても大丈夫そうです
▲モンゴル式のポーズで、ハイチーズ!
無事に衣装に着替えて、モンゴルとの距離をぐっと縮めたわたしと栗村。
店内は本物のゲルでできていて、まるでモンゴルの暮らしを疑似体験しているみたいな気になってきました。
モンゴルの主食は羊肉! じつはわたし奥村は干支も未年だからか(?)大の羊好きで、モンゴル料理をとっても楽しみにしていたのです。
魅力的なメニューのラインナップにいても立ってもいられず、立ち上がって注文にいくわたし。
▲店主のドリンさん(右)
一方、栗村はまだ少し緊張ぎみ。席から動かず言葉少なに見守っています。
ボウルいっぱい食べたくなる、感動的なデザートに出合いました
最初に運ばれてきたのは、食後のデザートのつもりで頼んだスイーツ。え、最初にコレですか…? と戸惑うわたしに、「モンゴルではデザートっていう概念がないんだよ」とドリンさん。
タルタルソースみたいな不思議な見た目で、味の想像がつきません。おそるおそるひと口。
わたし奥村、この料理に恋に落ちてしまいました。
コクがあってほんのり甘いクリームに、香ばしくてザクザクした食感の雑穀「あわ」が入っていて、まるでリッチなグラノーラを食べてるみたい。
これならたしかにいつでも食べられる! なんならずっと食べてたい! スタッフ栗村にひと口あげるのすら忘れ、ひとりで独占してしまいました。いつかボウルいっぱいのこれを抱えて食べるのが、わたしの夢です。
▲物欲しそうに見つめていたスタッフ栗村(ゴメンネ!)
スタッフ栗村、数年ぶりの羊料理とご対面!
▲羊のかたまり肉と野菜を蒸し焼きにした「ホルホグ」
▲羊の登場に歓喜するわたしと、不安な表情の栗村
さあ、やってきましたメインの羊! わたしはもう大興奮で、おいしいおいしいとパクパク口の中へ。
羊肉の臭みが気になっていたという栗村は、おそるおそる箸を握ります。数年ぶりの羊料理だということですが……果たしてお味は?
栗村:
「まったく臭みがないんですね! すっごくおいしいです〜」
どうやらとっても気に入ったよう。モンゴルでは新鮮なうちに羊肉を調理するから、臭みが出にくいそうなんです。
触っちゃダメだとわかっているけど…
余談ですがこの羊肉、熱々の石と一緒に蒸し鍋で火を通しています。この石をまだ熱いうちに手で握ると、いいことがあるんだよ、と持ってきてくれたドリンさん。
ヤケドしそうに熱いのは知りつつ、そう言われたら試さずにはいられないわたしたち。早速試してみて、案の定、熱くてすぐにギブアップしました。
勢いに乗ったわたしたちが挑戦したのは……羊の脳みそ⁉︎
▲未知の料理に、怯えた表情の栗村
「羊料理っておいしいんですね!」と表情が明るくなってきた栗村。そこでわたし奥村、勢いに乗ってもう1品頼んでみました。
こちらは……羊の脳みそ! どんな味だかまったく想像がつかないけれど、とにかく、いただきます!
味はというと、臭みが全くなくて予想以上においしい! でも、やっぱり「脳みそ」だと思うと、自分から頼んでおきながらも、ちょっと怖くてあまり箸がすすまないわたし奥村。
そんな中、栗村が黙々とひと口、もうひと口と食べ進めていると思ったら「ぼく、これが一番好きです」とぽつり。
最初はかなり及び腰だったのに……これはツワモノ。
この一件を機に、彼になにかの変化が。ふと壁を見て、「あれは馬頭琴ですね」とつぶやく栗村。
栗村:
「モンゴルの伝統楽器です。たしか『ホーミー』というモンゴルの歌謡曲と一緒に演奏されるのが一般的です」
いったいどこに秘めていたのか、わたしには知らないモンゴルの知識をスラスラと話しはじめた栗村。この「馬頭琴」を店主さんにお願いして弾かせてもらうことになりました。
▲弾く姿が妙にサマになってます
さすがに演奏までスラスラ〜とはいかなかったですが、力強い音を奏でる姿は、旅に出た当初の「後輩スタッフ栗村くん」とはまるで別人。
すっかりモンゴル色に染まった彼を見ていたら、無事に橋渡しができた気がして、ほっと安堵したのでした。
未知の体験って、自分の中にある新しい何かが開くきっかけになるものなのかも。だから大人になってからの世界旅行って、やっぱりおもしろくってやめられません。
さあ、次はどこの国へ行きましょう? まだ見ぬ何かとの出合いに、思いをはせる週末なのでした。
(おわり)
新 オッと屋
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-41-3 レオ寿ビル2F
TEL:03-6302-1865
定休日:月曜
営業時間:17:00〜24:00
【写真】木村文平
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