【バイヤーのコラム】思い通りにいかない旅でも
先日、旅行で沖縄を訪れました。
梅雨真っ最中だったこともあり、滞在中の天気は毎日雨。
楽しみにしていた予定の多くは実行することができなかったけど、思い出深い出来事がありました。
それは、ドライブがてらふらっと訪れた、やちむんの里でのこと。
数軒のお店を巡り、鞄も膨らんできた中、最後に訪れた1軒のお店。
大通りからは1本細い道に入った先にある、その小さなお店の扉を開けると、やわらかな表情の60代頃の女性店主が「いらっしゃい」と迎え入れてくれました。
雨だったこともあり、店内に先客はいない様子。しばらくの間黙々と器を眺めていると、店の奥にいるその女性が「そのお皿はね…」と声をかけてくれました。
そこから話は弾み、店内にある器のこと、器のほとんどは店主のお父さんとお兄さんが作られたものということ、有名な画家さんや俳優さんも常連だったということなど、いろんなお話を聞かせてくれました。
「雨だからお客さんもあんまり来ないし、良かったらこれも見て〜」と、数十年前の現地やご家族、常連さんとご自身の写真も見せてくれて、気づけば1時間ほどお店に滞在していた私たち。
店内にある器はどれもすてきでしたが、「私もこの青の色がとっても好きなのよ」と店主さんがおすすめしてくれた、深い青色の小皿2枚を家に連れて帰ることに。
「こうしてたくさんお話できて、うれしいわ〜。器、たくさん使ってあげてね」と購入した器を、割れないように丁寧に包んでくれました。
そして「また、晴れの沖縄にも遊びにきてね。その時にまた会いましょうね」と、私たちを送り出してくれました。
雨のおかげで、予定通りにはいかなかったけど、だからこそ過ごせたあのゆっくりとした時間。
この先も、器を手にするたびにあの時間のことを思い出すんだろうな。
そしてまたいつか、あの店主さんに会いに晴れの沖縄にも訪れたいと思っています。
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