【スタッフコラム】編集チームからPB開発グループに、異動しました。

商品プランナー 斉木

「PB(プライベートブランド)開発グループ」(通称PBチーム)。昨年の3月に発足した、オリジナルアイテムの企画・開発をするこちらのチーム名、そろそろ耳なじみは出てきたでしょうか。

わたし斉木は、入社から3年弱編集スタッフとして働いてきましたが、今年の1月から、このPBチームに異動しています。

編集の仕事は、今日から公開している特集「彼女が旅にでる理由」でひと段落。これからはいち商品プランナーとして働くことになります。

今日は、そんな異動の経緯を、すこしだけお話しさせてください。

2019年11月29日。店長佐藤から、「ちょっと相談がある」と声をかけられました。そこで、PBチームへの異動について考えてみてくれないか、と打診されたのです。

その瞬間、周りの音と色が消えたように感じて、「頭が真っ白ってこんな感じなんだぁ」と他人事のように思ったのを憶えています。

 

ちょっと話はそれますが、わたしは小さい頃から小説家、歌手、スポーツ選手といった「自分を使って何かを表現できるひと」に強烈な憧れを持っていました。

その職業になりたいというよりは、ひとりの人が何かに夢中になる。そこに才能と努力が上乗せされる。それをみた誰かが、まるで自分のことのように感情移入する。その一連の流れを生み出せることが、まぶしくてたまらなかったのです。

そんな漠然とした憧れは、当たり前ですが実を結ばず。何かに夢中になることも、ある日突然才能が開花することもなく、気づけば大学を卒業して働くようになっていました。

でも、諦めの悪さには定評のあるわたしです。まぶしいひとたちの住む世界を最前列で見たい、その熱狂に触れたいという気持ちが消えることはありませんでした。

 

そんなわたしがようやく見つけた憧れの世界へ近づくためのパスポートが、文章を書くということです。

自分にはない能力や才能、努力。そのひとやモノ、コトがどれだけユニークで魅力的なのかを、ひとりでも多くの人に知ってほしい。それを伝えることになら、心血を注げる気がする。

そう思い、26歳のころ編集という仕事に飛び込みました。

編集の仕事に就いてもうすぐ5年。はじめたその日から、これは一生できちゃうかもしれないなぁと思うくらい、毎日がたのしくて、カラフルになりました。

さて、話はいまに戻ります。

そんな経緯もあり、チームの異動というのは、まさに青天の霹靂。真っ先に頭に浮かんだのは「もう誰かを取材したり、読み物を作ったりできなくなるの……?」ということでした。

まだ話を聞きに行きたいひとも、やってみたい企画も、たっぷり残ってる。なにより、編集という大義名分をもらってはじめて、自分はここにいていいんだと、居場所をもらえたような気がしていたんです。

こんなに思い入れのある仕事を、わたしは手放せるんだろうか。

 

でも、冒頭でもお話しした通り、結果的には異動すると決めたんです。そこに、これこれこういうわけで、という明快な理由は、正直ありません。

ただ、異動を決めた瞬間のことは憶えていて。

それは、帰り道ひとりで「編集の仕事もチームもこんなに好きだし、好きこそ物の上手なれっていうし。それに商品企画なんてやったこともないし、絶対足手まといになっちゃうし……」と終わりのない脳内会議を繰り広げていたとき。

ふと「わたしにはこの道しかないって、挑戦もせずに決めつけちゃうの、なんかカッコ悪いな」と思ったのです。

編集の仕事だって、はじめる前はこんなに好きになるなんて思わなかった。なんとなくいいにおいがしたから飛び込んでみた、といった方が正しいんです。もう30歳、でも、まだ30歳。いいにおいに誘われたっていいじゃない、と。

▲チームは6名に。皆しっかり者のお姉ちゃん!という感じですっかり末っ子気分です

というわけで、ひよっこ商品プランナー2ヶ月目です。

はじめこそ、何かやろうにも「これって編集?それとも商品企画?」と頭が混乱したり、専門的な知識を何ひとつ持ち合わせてない自分に途方にくれたりしました。でも、そんなことを気にしていたのはたぶん私ひとりだったんですよね。

商品や読みものにかかわらず、いいコンテンツをつくって、一番ワクワクするかたちでお客さまに届ける。それがきっと今も昔も変わらないわたしの仕事なのだろうと思います。

ここにくると、なんかいい空気流れてるんだよなぁ。わたし自身がまだお客さまだった頃、当店をそんなふうに感じていたように。またイチから、気もち新たにがんばろうと思ってます。

 


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