【スタッフコラム】つい家族に口出ししてしまう自分のための処方箋
バイヤー 山根
先日、会社でスタッフと「夫・パートナーの服装についてどんなコミュニケーションをしているか」という話題で話していました。
できれば夫にはもっとこうしてほしいと思っているとか、旦那さんからコーデのアドバイスを求められるとか、各家庭ごとのいろんな意見を聞いていたのですが、そんな中、あるスタッフからこんな話が出てきました。
「元カレが私の服装をダメ出しする人で、それをされるのがすごく嫌だったんです。だから、今の旦那さんには、服装についてはなにも言わないようにしてて」
僕は「やさしいですね」と、相槌を打ちながら返事をしたのですが、同時に、内心、心のなかでは別の気持ちでいっぱいになっていたんです。
ちょっと待て、僕は今まさに、妻にダメ出しをする困った夫なんじゃないか、と。
思い返せば……
例えば僕が妻に対して言ったことがあるのはこんなこと。
「その新しい服、ちょっと違うね」
「こういう服のほうがいいよ」
ああ、やっぱり口出ししすぎている気がしてきました。
服装以外でも、
「この料理はこうやって作ったほうがおいしいよ」
と言ったこともある……。
言うのをやめられるならやめたい。でもこれ、言ってる本人は「よかれ」と思って言うので方向転換が難しい。
もちろんこの困った性格のことは妻本人からも指摘をされたことがあり、僕も多少は気をつけていたことでした。
でも今回、さらにハッとしたのは、もしかして娘(2歳)に対してもそんな態度で接していなかったかな、ということ。
例えば食事中。スプーンから食べ物がはみ出していたから「それだとこぼれそうだよ」と先回りして直させたり。
お菓子を食べるたびに「食べ過ぎだから少しにしとこうね」と言ったり。実際はそんなにたくさん食べていないのに。
ささいなことですが、気づかぬうちに常に相手の行動の良し悪しを監視して、口を出していたのかも。果たしてこれでいいんだろうか? こんな夫&パパでいいのだろうか?
会社を出て、自転車に乗り、ペダルを漕ぎながら考えがとまりませんでした。
その日の帰り道に
そして僕はいつものように、娘のお迎えのため保育園に到着。
担任の先生に一日の様子を聞くと、どうやらその日の遊びの中で、娘はみんなの輪の中に入りたいけど入り方がわからず、部屋の真ん中で寝転んで話しかけられるのを待っていたのだとか。
「先生、親の接し方で子どもの自主性とか、コミュニケーションのとり方って変わるんですかね?」
「そうですね、子どもがなにかしたいと思ったとき、親が先回りしてやっちゃうと子どもから自発的に伝えようとする機会を奪ってしまうことになりますよね。
だからときどき僕は、わからないふりをするんです。
なんでも僕が決めてたら、そのうち子どもたちは全部先生に決めてもらおうとするようになります。
だから僕は『先生はわからないから考えてみて』ってよくいいます。すると子どもたちは自分で解決しちゃったりするんですよね。
僕が目指しているのはそういう”頼りない先生”なんです」
そうか、僕がなんでも決めなくていい。むしろ頼りないくらいを目指すのがちょうどいいかもしれない。
これから変わっていきたい自分のイメージを膨らませながら、娘を乗せた自転車を家に向かわせたのでした。
習慣を変えるためにやったこと
そうして僕が取り組んだのは、「口出ししたほうがいいことをノートに書く」こと。
自分で口出しのOKライン、NGラインを決めておけば、あとはそれを守るだけだからできるだろう!という考えからです。
いざノートを開いてペンを持ってみる。するとすぐに気が付きます。書くことがない。実はどうしても口出ししたほうがいいことなんて、ほとんどなかったんです。
例えば服装なら「パンツが後ろから丸見えになっている」みたいなこと。家計のことなら「5万円以上の無駄遣いになりそうなとき」。
子どもに対しては「けがをしそうな危険な遊び方をしているとき」、「他の人を傷つけそうなとき」など。
危険なものも、家の中で手の届かないところに置いておけば気にすることもぐっと減らせました。
これ以降、家の中でうっかり口出ししそうになるたび、ノートに書いたメモが頭に浮かんできます。そして言いたいこととメモを照らし合わせて、言うか言わないか決める。
これが思い通りの結果になりました。おかげでいらぬ口出しをセーブできたことは一日に何回も、です。
こんな工夫を始めてからはや1週間ほど。もう少ししたら妻に「最近なんか変わったかな?」と聞いてみようかと思います。
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