【スタッフコラム】用意してくれて、ありがとう。
お客様係 渡邉
朝からどうにも疲れ果てていたある日のこと。「これは夕食もおいしく作れる自信がない」と心の中で早々にギブアップ宣言をし、昼に立ち寄った店でお惣菜をテイクアウトしました。
終業後、保育園へ息子を迎えに行き、お惣菜と冷凍ご飯を温めて、やっぱり味噌汁くらい作ろうかな?と準備を始めたところで、息子から「一緒に遊ぼうよ〜」「ねえ、ご飯まだ!?」「麦茶持ってきて〜!」と矢継ぎ早にリクエストが。
ほとんど温めるだけなのにこんなに急かされている。焦りと情けなさからつい「私なりに急いでいますので、もう少々お待ちください」とつれない返事をしてはさらに自己嫌悪……。
そうこうしているうちに、即席夕食の準備が整い、夫も珍しく早く帰宅したところで「いただきます」の時間に。
一口食べるなり息子が「ママの作ったごはん、おいしい!」と言うので、「違うんだよ。これはお店の人が作ったもので、ママはお皿に移し替えただけ」と答えました。
すると、息子が一瞬考え込んだあと、「ママが “用意” してくれたごはん、おいし〜い。ありがとう!」と言い直したのです。
気を遣わせてしまった……用意だなんて、いつの間にこんなこと言えるようになったんだろう、とタジタジの私と、思わず吹き出す夫。
「そ、そんなふうに言ってくれてありがとう。喜んでくれてちょっと救われたよ。あと、さっきはプンスカしてごめんね」と返すのが精一杯でしたが、おかげで笑いながら食事の時間を過ごすことができました。
そしてまた別の日の朝。
時計の長い針が7になったら保育園に行くからね!と何度も伝えては着替えと支度を促し、そのたびに「うん」と言っていた息子が、時間になっても急ぐ気配がまるでなく、今からお風呂に入りたい、14時に迎えに来ないなら保育園に行きたくない!と断固拒否(ちなみに普段の迎えは18時です)。
機転をきかせて誘導したり、笑い飛ばせたらよかったのですが、これまた焦っていた私にはそこまでの余裕がなく「そんなの無理よ、ていうか約束と違うじゃないよ〜!」と口論に。
結局10分の話し合いの末途中まで抱っこで連れて行くことで合意。ですが、その日は始業にも少し遅れてしまいました。
チーム内のコミュニケーションに使用しているチャットに「登園に手こずり遅れます、すみません」と送りながら急いで自宅に帰ると、「了解です」の他に「えらい!」というスタンプが。
また怒っちゃった、うまくできなかった……と落ち込んでいたところに思わぬ慰めをもらい、驚いたやら嬉しいやら。思い通りにはいかなかったけれど、迷惑かけてしまったけれど、ここはありがたく無事に保育園へ送って行けて良かったと思うことにしました。
毎日やって当たり前のことなのに、うまくできない日、空回ってしまう時。自分にがっかりしたり、知らない誰かと比べて落ち込んでしまうこともたくさんあるけれど、それでもどうにかこうにか暮らしはまわっている。そのこと自体をまずは認めてもいいのかな。
そう思い始めたら、ほんの少しですが、家事や育児へのモチベーションが上がり、今までより穏やかに過ごせるようになってきたから不思議です。
これからも気持ちが偏りそうな時には「用意してくれてありがとう」「えらい!」この2つの言葉をお守りにしよう、そう誓った最近の出来事でした。
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