【おしゃれの転機】文筆家・大平一枝さん 後編:あたらしい色に出会い、キラキラしだす瞬間
編集スタッフ 津田
特集『おしゃれの転機』では、自分らしくおしゃれを楽しんでいるあのひとにお話を伺いながら、当店オリジナルブランド KURASHI&Trips PUBLISHING のメイクアップシリーズを使っていただきます。
今回ご登場いただくのは、連載中の金曜エッセイ『あ、それ忘れてました(汗)』でお馴染み、文筆家の大平一枝(おおだいら・かずえ)さん。
前編では、いまの大平さんに似合う大人の普段着メイクを。つづく後編では、最近お気に入りの柄もののワンピースに合わせたメイクをご紹介します。
▲大平さんの著書たち。当店で過去に連載していたエッセイが収められた書籍もあります
着るだけで元気になれる、大好きなワンピース
5年ほど前に前髪をぱっつんにした大平さん。それからというもの、自分に似合うおしゃれを探すのがグッと楽しくなった、というのは前編でもご紹介した通りです。
いま好きな服について尋ねたら、見せてくださったのが、このアフリカンバティック生地のワンピースでした。
大平さん:
「2年ほど前に、息子が研修先のアフリカでお土産に買ってきてくれたのがきっかけで、こういう生地があると知りました。
プリミティブな雰囲気に一目惚れしてしまって。洋服が好きな友達に見せたら彼女も虜になり、『80歳のおばあちゃんになっても着られるものを』というコンセプトでバティック生地を使ったブランドを立ち上げたんです。それまで柄ものを着るなんてほとんどなかったのですが、少しずつ買い足している大切なお気に入りです。
このワンピースは、この一年でとくにたくさん着ましたね。コロナ禍で誰かと会ったり出かけたりすることがずいぶんと無くなって、落ち込んでいたときに服からパワーをもらっていたというか。着るだけで元気になれるんです」
大平さん:
「ただ、こういった柄ものを着るとき、無地のトップスと同じメイクだと違和感があって。あくまでよそいきではなく日常でカジュアルに着たいのですが、どんなメイクをするといいんでしょう」
ここからは前編と同じく、当店のメイクアップシリーズの開発にアドバイザーとして携わっているビューティライターのAYANAさんに、メイクを教えていただきます。
大人なあのひとに似合う
柄ワンピースと、カジュアルメイク
登場する当店のアイテム
上から時計回りに
・アイカラー / 05 フォレストグリーン
・アイカラー / 07 ミルクティーベージュ
・アイカラー / 06 アンティークブラウン
・リップカラー / 02 ウィッシュオレンジ
・ネイルカラー / 01 プールサイド
普通すぎてもつまらない? 肌なじみよく自然だけど、おしゃれも楽しみたいから
AYANAさん:
「前編で紹介したとおり、普段着のメイクは、目か口元にポイントをつくるのが基本です。
アフリカンバティックのワンピースは、大人の遊び心があって個性的だから、あわせるメイクも楽しい気分にしたくなります。ただし、やりすぎにならない匙加減が大切。
今回はフォレストグリーンでポップな感じを出してみましょうか。ですが上瞼にグリーン単色のみだと “メイクしたぞ感” が出てしまうので、4:1の割合で少しだけミルクティーベージュを混ぜて、肌なじみよく仕上げるのがコツ。
さらにアンティークブラウンを締め色に。ぼかさずに一筆で、目尻をちょっと跳ねさせることで遊び心を足しました」
▲さりげなく目尻にポイントがあるのが素敵。下瞼にもフォレストグリーンを引きました。伸ばすとゴールドっぽくなるので、品の良いきらめきを足せます
日常に溶けこむ、まろやかな境界線
AYANAさん:
「今回はアイメイクが主役なので、リップは自然な仕上がりに。
シンボリック リップカラーの ウィッシュオレンジを使っています。肌なじみの良さが魅力的な色ではあるのですが、そのままだとぼんやりしてしまうのが気になるようでしたら、解決策としてはリップラインを取るのがおすすめです。
ちょっとしたコツがあって、先にリップカラーを塗ってからリップライナーを引いてみてください。リップライナーが先だと塗り絵のようになってしまうんです。境目をまろやかにすると、自然できれいに仕上がります」
▲左:先にリップライナーを引くと塗り絵のように、右:境目をまろやかにするのがコツ
今日はパウダーを控えめにして “ツヤ肌” に
AYANAさん:
「ベースメイクも、基本的な考え方は前編でご紹介したとおりです。
普段着では、わざわざベースメイクを変えないものだと思いますが、パウダーをはたく量で肌の仕上がりを調整できます。
今回のキラッと艶やかなアイメイクに合わせて、仕上げのパウダーは少なめに。ほんの少しツヤ感のある肌をつくりました。Cゾーン(眉尻下から頬骨のあたり)、唇の山の上、あごには、ハイライトを仕込んでいます」
こんなふうになりたい、が叶いました
アイカラーのフォレストグリーンを主役に、大人の遊び心あるメイクを試してくださった大平さん。感想を聞いてみると「こんなおしゃれがしたい、という理想が叶いました」と、気持ちのいい笑顔を見せてくれました。
大平さん:
「昨年シンボリックシリーズをいただいてから、気に入ってあれこれ使ってきたのですが、フォレストグリーンだけは苦手でした。自分にはさほど似合わない気がするし、どうしても使い方がイメージできなくて、一度か二度試して仕舞い込んでいました。
だからグリーンが似合うというのは半信半疑だったのですが……、このメイクは大好きです!
単色ではなくミルクティベージュと混ぜるというアイデア、締め色にしたブラウンを目尻で跳ねさせるちょっとした具合、リップラインの取り方、肌のツヤ感など、ほんの些細な足し引きでメイクの差って生まれるんだと驚きました。
個性的だけど、決してやりすぎていない。私がしたい『今のおしゃれ』ってこういうことだったのかもしれないですね。そこにようやく辿り着けたような気がします。明日からすぐに自分でも試してみたいことばかり。
それにしても、うれしくって! 何度も鏡をのぞきたくなっちゃいますね(笑)」
*
あたらしいメイクに出会い、声まで弾んでいる大平さん。その変化を、今回メイクディレクションをしてくださったAYANAさんの横で、間近に見ていた私は、ある言葉を思い出していました。
そのたびに、ああ、メイクっていいなと実感させてもらいました。ひとりの女性の──もちろん男性でもいいのですが──ごくごく個人的な毎日を、その彩りを、パッと変える力がある。景色が変わって見える。だから目線も上を向く。笑顔が増える。好奇心が育っていく。
(略)
どんな色を選んでも、あなたにはきっと似合う。その理由が知りたければいつでもドアを叩いてね。そう語りかけてくれるのが、北欧、暮らしの道具店のメイクアップシリーズなんだなと、貴重な瞬間に何度も立ち会った私は思っています。
ビューティライターAYANA
連載『45歳のじゆう帖』より
まさに今回、ひとつの『貴重な瞬間』に立ち会うことができました。大平さんのキラキラと変わっていく様子を見ていたら、私まであたらしいメイクを試してみたい気持ちに。読んでくださったお客さまのなかにも、同じような小さな好奇心が生まれていたらうれしく思います。
STAFF
photo 平本泰淳
hair&make 原澤雅(LIM)
make direction AYANA
もくじ
文筆家 大平一枝
長野県生まれ。編集プロダクションを経て1995年独立。著書に『東京の台所』『男と女の台所』『もう、ビニール傘は買わない。』(平凡社)、『届かなかった手紙』(角川書店)、『あの人の宝物』(誠文堂新光社)、『新米母は各駅停車でだんだん本物の母になっていく』(大和書房)ほか。『ただしい暮らし、なんてなかった』(平凡社)12月発売予定。一男(26歳)一女(22歳)の母。
大平さんのHP「暮らしの柄」
https://kurashi-no-gara.com
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram @tw0lipswithfang 、ホームページ http://www.ayana.tokyo/
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