【45歳のじゆう帖】「お守り」について
ビューティライターAYANA
お守りを持っていない私
これが私のお守りですと胸を張って言えるようなものが特にないような気がします。
祖母の形見のネックレスや大好きなアーティストのサイン、かなり頑張って買ったラグジュアリーブランドの服。どれもとても大切なものだとも言えるけれど、それが無くなってしまったらそれはそれで、その後の人生を普通に生きていけるような。
また私はあまり信心深いほうではなく──神様のような存在については信じているのですが──初詣や厄落とし、神棚、盛り塩などにもそこまで心が動かされず(心が動く動かないの問題ではないと怒られそうですが)、商売繁盛を願う酉の市の熊手の類も買ったことがありません。
しかし改めて、お守りってなんなのでしょう?
まず辞書には「身につけていると危難を逃れることができると信じられているもの」とあります。
しかし「身につけるもの」にこだわらず、目的ベースで捉えると、いろんなお守りが考えられるかもしれないなと思います。
お守りの効果効能
いくつか効果効能について考えてみました。まずは、結界を張れるものです。これさえあれば、危険に満ちた外界から自分自身を守ることができる。交通安全のお守りや盛り塩、水戸黄門の印籠もこれに該当するかもしれません。
次に癒しをくれるものです。疲れ果てている自分をやさしくなだめてくれるもの。大好きな人からの手紙、ライナスの毛布、決まったお店で頼むメニューなどが思い浮かびます。
そして「頑張ろう!」と思わせてくれるもの。自分を奮い立たせてくれるものです。先人の言葉であったり、憧れのブランドのアクセサリーであったり。
これらはすべて、人生を大きく助けてくれるものです。このように分類してみると、お守りって「モノ」とは限らないですね。私にもそれぞれに該当するものがあるように思います。
ものではない、色々なお守り
まずは結界を張れるもの。私にとってこれは「自分の部屋」です。一人っ子だったこともあり、居住空間に自分だけの部屋がなかったことは、これまで一度もありません。
一人暮らしは自動的にすべてが自分の部屋になりますが、同棲したり、家族で住んだりするとそれがままならないケースも多々あると思います。実家を考えてみても、私には自分の部屋がありましたが、母にはなかったですし。
そう考えると、自分のスペースを死守することに、これまで私は結構真剣だったんだなぁとしみじみしてしまいます。自分に必要なものだけで構成された空間があることで、精神のバランスが保たれているのは間違いありません。
次に癒しをくれるものです。一般的には「可愛いもの」が癒しをくれるイメージですが、私はあまりそういったことには興味がないかもしれません。どちらかというと、自分の価値観に自信を持たせてくれるものに癒されます。
たとえば繰り返し読んでいる小説、エッセイ、漫画のようなもの。あるいは写真集や雑誌をはじめとしたビジュアル、アートのようなもの。これって最高にかっこいい!と思えるものを見ると、もうちょっと生きよう、という気になります。
それから「頑張ろう!」と思わせてくれるもの。これは圧倒的に理想の人の頑張っている姿です。最近だとK-POPアイドルたちの動画はその真髄ですが「可愛い〜!」というよりは「こんなに頑張っているなんてスゴイ……私も頑張ろう」となることが多いです。人間って限界ないな!?みたいな。
こうしてみると、持ち歩いているグッズのようなお守りはないですが、私も色々なものをお守りとして生きているんだなぁと思いました。また、歳を重ねるたびに、お守りとしている信条のようなものが増えている感覚はあります。信条というと大袈裟ですが、ジンクスのようなものでしょうか。
【写真】本多康司
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
AYANAさんに参加してもらい開発した
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メイクアップシリーズ
AYANAさんも立ち会って制作した
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