【がんばらない大掃除】第3話:井手しのぶさん「掃除は本当に苦手。だからできる限りしません」

ライター 片田理恵

大掃除のお話をすてきな先輩たちに伺っています。その暮らしぶりを見るにつけ、どんなふうに取り組んでおられるのか興味津々。ところが驚いたことに、皆さん「意外とがんばっていない」様子。

ではがんばらずに何をするのか。そして何をしないのか。第一話の引田かおりさん、第二話の谷山彩子さんに続き、最終回の第三話では空間デザイナー・井手しのぶさんに会いに行ってきました。

第一話から読む

 

苦手なことは無理しない。気にしない。

秋晴れの青い空の下、細い階段を抜けた先にある小ぶりな平屋の一戸建て。今までに7軒もの自宅をつくってきた井手さんが、60歳を前に、鎌倉の山の上に建てた住まいです。緑あふれる庭に向かって気持ちよく開かれた大きな窓からは、日差しがたっぷり。

お揃いのボーダーTシャツを着たフレンチブルドッグのまーくんとともに、井手さんが迎えてくれました。

井手さん:
「同居人は犬1匹と、猫2匹。動物と暮らしているからほこりは出るし、毛も抜けるでしょ。あちこち開けっ放しだから虫もどんどん入ってくる。でも私は掃除がとにかく嫌いで苦手だから、なるべく気にしないようにしているんです(笑)。無理するのもイヤだしね」

 

掃除をしたくないからこそ、掃除のしやすい工夫を

大掃除に限らず、掃除全般がダメという井手さん。でも全く手を打っていないかといえば、もちろんそうではありません。なんと設計段階から、家全体に掃除をしやすい工夫が散りばめられているのだそう。

例えば、少し前にリフォームしたというキッチン。物をできるだけ表に出さずに済むように収納スペースを考え、コンロも換気扇もフラットでコンパクトなデザインをセレクトしました。

井手さん:
「なるべく物を置かないってことですよね。フラットな状態なら凹凸がないからふきやすい。それならできるな、とかそういう感じ。掃除がしやすければ『掃除の時間』をわざわざ作らないでも、食器を洗ったついでとか、コンロを使ってその熱が残っているうちに、さっとやるくらいの手間で済むじゃないですか」

愛用しているのは無印良品のふきん。キッチンまわりはこれで水ぶきをして、蛇口まわりの細かなところはホテルのアメニティでもらった歯ブラシで時々こする。「大掃除」という言葉を意識する年末には、普段は手をつけない換気扇もできるだけふくようにしているといいます。

井手さん:
「冬は寒いから余計に水仕事をしたくない。窓ふきは夏のうちに、犬たちを水浴びさせながらついでにやるようにしています。庭に面した窓だけは年末にもふくけれど、その一箇所だけ。あとは換気と明かり取りのための小さな窓だけだから、年に1度でも問題なし。実はそれも、窓掃除をできるだけやらずにすませるための工夫なんです」

 

風呂場・洗面所・トイレの掃除はプロに依頼

キッチンからひと続きになったサニタリーとバスルームも見せていただきました。落ち着いたグレーの壁にタイルの床、アンティークのミラー、そしてキュートな天使の置物。

掃除の手間でいえばもっとも厄介なのがこの水回りですが、こちらは年に一度、プロの方にお願いして掃除をしてもらっているそうです。

井手さん:
「アウトソーシングも使って無理なくね。私はきれいにしてもらった状態をなんとかキープするだけでもう精いっぱい。せめて浴室に置く物を減らしたいから、本当は髪も体も洗える石けんをひとつだけにしたいんですよ。潔くていいじゃない? でもそれはさすがにやめてくださいって、いつもお願いしている美容師さんに止められてます(笑)」

 

使い古しの布をためて雑巾に

シーツやTシャツなど、古くなった布は適当な大きさにカットしてポンとカゴの中へ。使い捨ての雑巾としてあらゆる場面で活躍しています。洗って乾かしてまた使うのはハードルが高いけれど、思い切り使ってそのまま処分するのだから確かに気も楽というもの。シンクのそばに置かれたカゴはインテリアとしても◎。

井手さん:
「いろんな素材の端切れが入っているんです。綿、麻、シルク、化学繊維。ガラスをふくなら毛羽立たないものがいいとか、用途によって使いたい布が違うじゃないですか。だからいろいろ混ぜて突っ込んでおくと便利なの」

 

新しい年を気持ちよく迎えるために「がんばらない」

年内の仕事と掃除を終えたらクリスマスは特に何もせず、日本の暦に合わせて大晦日と元旦を楽しむ。それが井手さんの、毎年恒例の年末年始の過ごし方だといいます。

おせちの用意をし、年越しそばを食べ、切った竹に松の枝や南天を生けて正月飾りも手作りするそう。山の上から見る初日の出はきっと格別でしょうね。

三者三様の「大掃除」特集はこれにて終了。先輩たちの「がんばらない姿」に、背中を押してもらったような気がします。やれること、やりたいこと、やらないこと、できないこと。私ならどうする?と考えるのが少しだけ楽しみになったら、きっとそれが、自分らしい大掃除の最初の一歩です。

(おわり)

【写真】木村文平
 

※かねて闘病中だったまーくん。取材当日は元気な姿を見せてくれましたが、残念ながら11月23日に空へと旅立ったそうです。

 


もくじ

 

profile_futura_lineblack

井手しのぶ

専業主婦から独学で一般建築、店舗開発、リノベーション、造園を手がける(株)パパスホームを1996年に設立。2013年12月に代表を退き、現在はatelier23.を主宰。施主とのコミュニケーションを大切に活動している。
 


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