【スタッフのお買いもの】久しぶりに読んだ小説が、よかったんです
編集スタッフ 野村
編集スタッフ 鈴木:
「忙しいと、文化が足りない〜、と感じて衝動的に古本屋さんで本を買い込んでしまうことがあります。
この間は、ブックオフで旅雑誌、中国語の文法書、文庫本を2〜3冊をどんと買って、さらに立ち寄った別の古本屋さんで薬膳の本を2冊買ってしまいました。
でも最近は映画やドラマ、ラジオコンテンツに時間を割くことも増えて、読書の時間は少しおざなりに。こうやって積読が増える一方なのですが、なぜか心は満たされます。
そんな中でも最近手に入れて読んだ本の中でお気に入りの一冊は、梨木香歩さんの小説『海うそ』(岩波書店)です。
当店オリジナルドラマの『スーツケース・ジャーニー』で引用された『西の魔女が死んだ』(新潮社)をはじめ、梨木さんの書く小説が小学生の頃から大好きで。
彼女の作品を読むと、舞台となる土地の風土や人間、自然の営みの歴史、目に見えない力の存在など、世界を長い目で、大きく広くとらえる視点をもらえるように感じるんです。
『海うそ』は、ひとりの主人公の人生とともに、時代と人の価値観の変化が、美しく丁寧に描写されていて。長く続く人生の振り返りを追体験させてくれるような読書体験になって、今の私にすごく響きました。
久しぶりの物語の読書。美しい文章や言葉の言い回しにふれながら、文字から情景を想像する体験を久しぶりに味わい、気持ちが潤うのを感じたんです。
忙しくても、少しずつでもいいから読書の時間を日々に取り入れたい、と思っている今日この頃です」
photo:平本泰淳
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