【我がままな晩酌】揚げたてのささやかな贅沢
ツレヅレハナコ
駅から家へ帰るまでの商店街に、昔ながらの小さなお肉屋さんがあります。
ガラス戸から店内が見えるので、通りかかるとすかさずショーケースの「揚げものコーナー」をチェック。小腹が空いているときに、コロッケやささみフライをひとつだけ買うのが楽しみなのです。
包んでくれた紙袋を手に家まで小走りで帰るときもあれば、お行儀は悪いけれどかじりながら歩くことも。天気のいい日なら、缶のハイボールを買って近所の公園で食べるのが最高!
お肉屋さんの揚げものはラード100%で揚げていることが多いので、どっしり食べごたえ満点なのが特徴。もちろんこちらも大好きなのですが、植物性油でサラリと揚げる揚げものもいいものです。
私の晩酌によく登場するのは、野菜の素揚げ。
ころもをつける必要がないので気軽に揚げられるし、なにしろとてもおいしい。じゃがいもをスライサーで薄切りにして揚げるだけの自家製ポテトチップスもも最高です。
そのおいしさの秘密は、揚げたてなので油が酸化していないこと。鮮度のいい油で揚げることでクリアな味わいが楽しめます。シンプルに塩だけでもいいし、粉山椒や青のり、カレー粉をまぶしてオリジナルフレーバーにするのもオススメですよ。
パリパリに揚げるコツは、しっかり水にさらしてでんぷんを抜くこと。そして、余熱で火が入るので「もう少しかな?」というところで引き上げるときれいに色づきます。休日の夕暮れに、良く冷えたビールを飲みながら自家製ポテチを台所でつまむのは、私のひそかな楽しみだったりするのです。
そして、がっつり晩酌するならなすの素揚げ。「なすは揚げてなんぼ」なほど、油との相性はピカイチ。素揚げしただけでとろとろふわふわになり、大根おろしとしょうがを添えてしょうゆをかけるだけでもうごちそう。ああ、日本酒が進む……。
なすを揚げるときは、なるべく多めの油&高温で揚げるのが油っこくならないポイント。少ない油の「揚げ焼き」は、スポンジのように一気に油を吸い込むのでべちゃっとなりがちなのでご注意を。
家では揚げものをしないという人も多いかもしれませんが、本当にもったいない!
「揚げ油を再利用しなきゃいけないのがプレッシャー」と言われますが、私は2回ほど使ったら容赦なく捨てています。酸化した油ほどおいしくない&体に悪いものはないし、私にとってはこれが「ささやかな贅沢」。
「台所が汚れる」というのも私は逆。すぐに拭くので、よく揚げものをするときほど台所はピカピカです。「太る」というのも、揚げものがかわいそう……。毎日食べるわけでもないし、(自分も含めですね)それは別の原因の可能性大!
そうそう。揚げものが好きすぎて、ついにはビギナーさんでも揚げやすい揚げもの鍋(写真の鍋)をプロデュースしてしまいました。
好きなものを好きなだけ、家で揚げるおいしさはプライスレス。お店では味わえないアツアツの晩酌を楽しみましょう。
▲揚げもの鍋。詳細は記事末尾のプロフィール欄にて
「自家製ポテトチップス」の作り方
〔材料 1人分〕
・じゃがいも…食べたいだけ
・揚げ油、塩、好みのトッピング(粉山椒、青のり、カレー粉など)…各適量
〔作り方〕
1.じゃがいもは皮をむき、スライサーで薄切りにする。たっぷりの水に30分ほどさらして(水が透明になるまで途中で水を交換する)、ペーパータオルで水けをふく。
2.鍋に揚げ油を入れて、じゃがいもを1枚入れたら「シュワッ」と泡が出るくらいの180℃に熱する。じゃがいもをひとつかみくらいずつ入れ(一度に入れると温度が下がりすぎるので注意)、薄く色づいてパリッとするまで3~4分揚げる。
3.揚げ網にのせて油を切ってボールに入れ、塩、好みのトッピングを振って混ぜ合わせる。
「揚げなすのおろし添え」の作り方
〔材料 1人分〕
・なす…2本
・揚げ油、大根おろし、おろししょうが、しょうゆ…各適量
〔作り方〕
1.鍋に揚げ油を入れて、なすを1個入れたら「シュワッ」と泡が出るくらいの180℃に熱する。
2.なすは乱切りにして、切ったそばから鍋に入れていく(時間が経つと変色する)。2~3分して表面がこんがりと色づいたら、揚げ網にのせて油を切る。
3.器に盛り、大根おろし、しょうがを添えてしょうゆをかける。
食と酒と旅を愛する文筆家。東京都中野区生まれ。お酒とつまみと台所道具がある場所なら、日本各地から世界各国まで旅をし続ける。著書に『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『食いしん坊な台所』(河出文庫)。最新刊は『ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳』(扶桑社)。食や日常を綴るSNSも人気。
※本記事に登場したツレヅレハナコ監修の揚げもの鍋は2022年6月上旬に発売。こちらのInstagramで情報を順次公開予定です。
Instagram:@turehana1
大阪生まれ。東京を拠点に書籍、雑誌、WEBなどで、人、食、旅など幅広いジャンルの写真を手がけている。食いしん坊がゆえに、旅先では必ず市場に行き、働く人や、美味しいごはんの写真を撮り続けている。
Instagram:@etokiyoko HP:http://www.etokiyoko.com/
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