【行ってみたい、あのお店】目一杯くつろいでもらうために、選んだこと(京都・ WIFE&HUSBAND)

編集スタッフ 野村

旅の醍醐味のひとつに、素敵なお店との出会いがあると思います。

特にお店の店主さんとの会話の中で聞くことができたお店の成り立ちや苦労話に耳を傾けるあの時間は、旅の中でも特に大事にしたい瞬間になって、自分の中にいつまでも残り続けているなと感じます。

旅行が以前より身近なものではなくなってしまって、そんな時間のことが恋しくなることもしばしば。

そこで今回の特集では、全く違う土地にある3つのお店の方達にお話を伺い、店主さん達と実際にお話をしているような時間をお届けできればと思います。

今回お話を伺ったお店は、京都市の鴨川近くにある自家焙煎コーヒー店「WIFE&HUSBAND(ワイフアンドハズバンド)」です。

 

誰かが喜んでくれる仕事が、本当に面白くて

2015年8月に、古民家を改装してオープンした自家焙煎コーヒー店「WIFE&HUSBAND」。

𠮷田恭一(よしだ きょういち)さん・幾未(いくみ)さんご夫婦が始められたこのお店では、美味しいコーヒーとお菓子が楽しめるほか、鴨川近くをピクニックできるようにと、かごの中に魔法瓶入りのコーヒー・お菓子・マグカップ・テーブルクロスを用意したピクニックメニューも人気です。

そして同じく京都市内には、コーヒー豆の焙煎所とアンティーク雑貨を取り揃える「Roastery DAUGHTER / Gallery SON」というお店もオープンしています。

▲京都駅からほど近い場所にある「Roastery DAUGHTER / Gallery SON」には、自家焙煎のコーヒー豆のほか、アンティーク雑貨を多く取り揃える

お店を始めたきっかけを伺ってみると、夫婦二人とも、ゆくゆくお店をしたいという思いが昔からあったそうです。

恭一さん:
「僕はお店を始めるまでは、関西にあるファッションビルの紅茶専門店で10年働いていました。さらにその後8年はビル全体の店舗運営に携わって、雑貨屋の立ち上げや化粧品事業の営業、ギャラリーの運営なども経て、最終的にはビルの館長として勤めていて。そこでの経験を通して、お店をやることの楽しさに目覚めました。

会社に所属していると売上のことを気にかける必要があります。じゃあどうやって売上を伸ばすんだという時に、とにかくお客さんに喜んでもらうという頑張りが、売り上げにつながるんだということが実感できたんです。

誰かが喜んでくれることを頑張って、それが成果につながって、しっかり生活ができるのは、なんてやりがいのあることなんだとつくづく感じていて。こんなことをいつか自分でお店を持って実現してみたいな、と思うようになりました」

幾未さん:
「小学生くらいの頃から、ずっと雑貨屋さんになるのが夢でした。人に何かをあげて喜んでもらえるというのが好きだったんです。

学生の頃、雑貨屋も併設しているティーサロンの飲食部門でアルバイトをして、そのまま社員として働き始めました。その時に、飲食業もお客さんに喜んでいただく喜びは同じだなと、飲食業の面白さを実感して。

雑貨屋も、カフェの営業もしてみたい。そんな思いをずっと持っていたんです」

 

6年の歳月をかけた、開店準備

いつかお店を営業したいと考えていたお2人は、暮らすための家を購入したことがきっかけになって、その夢への実現に一歩近づきました。

幾未さん:
「この物件はもともと、おばあさんがおでん屋を営んでいたそうなんです。

内見してすぐ、夫と2人でここだ!と確信しました。歴史を積み重ねてきたからこそ感じられるこの物件の古き良き雰囲気が、私たちの立てていたアンテナに引っかかってくれました」

恭一さん:
「ここで暮らしながらだったので、仕事をしていても、1階部分をお店としてゆっくりと作っていけたんです。6年ほどの時間をかけて、夫婦で楽しみながら作っていました。

子どもは幼かったけれど、徐々に店を始めたい気持ちが高まっていって、2015年にお店をオープンしたんです」

 

紅茶のノウハウが、コーヒーに役立った

お二人とも紅茶店で10年働いたベテラン。どうして紅茶ではなくコーヒーを専門にしたカフェを始めたのでしょうか。

恭一さん:
「2人の子どもがいて、脱サラして独立するというのはかなりのチャレンジだったので、ちゃんと生活が成り立つようにしていくには、オリジナリティのある商品を生み出すことが大切だと考えていました。

コーヒーであれば、自分で焙煎をしてオリジナルのものが作れて、作りたい量も自分達でコントロールできます。それに紅茶も飲みますが、コーヒーも大好きな飲み物でした。

だから始めるのは、コーヒー専門店だと決めていたんです」

恭一さん:
「ただ、紅茶の経験を手放したわけでは全くなくて。

紅茶とコーヒーは、茶葉と豆という違いはありますが、お湯で成分を抽出する飲み物という点で共通していて。このいれ方でこういう抽出をすればこんな味になるよね、というのは長年の経験のおかげで自分の中で確立されていました。

たとえば、冷めてもおいしいコーヒーを作るためにはどうすればいいかなどの課題を、紅茶の抽出のノウハウを使ってクリアしていくことができたんです」

 

お店での時間も、家族との時間も大事にするために

家族4人での生活も大切にしたいという思いから、日曜日は営業しないなど、カフェの営業日はごく限られた日となっています。

幾未さん:
「お店を始めた当時、まだ子どもは小さかったので、朝の支度をして、保育園の送り迎えに行って、家のこともして、となると朝早くの営業や夜遅くまでの営業はできないなぁと思っていました。限界までやって、この営業日だよねと2人で決めて。

それに私達には、お店に来てくれた方に目一杯くつろいでいただきたい気持ちがありました。

お店と自宅が同じ場所にあるからこそ、もし子ども達との時間と営業時間とが重なると、どちらも気になってしまって、結果、どちらも中途半端になってしまうように思いました。

子ども達にも我慢をさせたくないし、なるべく娘と息子のいない時間帯にお店を開いて、というふうに営業していくことになりました。

といっても、たまにお店の奥の方から娘がリカちゃん人形を覗かせていたなんてこともあったのですが(笑)」

▲数多くの試作の末生まれた、お店の人気メニュー「ハニーチーズトースト」

恭一さん:
「お客さまに良い時間を過ごしてほしいからこそ、コーヒーや軽食メニューも一切妥協したくなくて。

おいしいものしか出したくないという思いが夫婦2人で強くあるので、メニューの開発にはこれでもかというほど試作を重ねて、すごく時間をかけています。

お菓子やトーストを食べた瞬間においしいと感想をもらしてくれたお客さまの声には、2人ともしっかり聞き耳を立てて、聞き逃さないようにしていて(笑)。

そうやって少しでも誰かの心が動くものを作れているんだというのはやっぱりすごく嬉しくて励みになります」

お二人は、「自分たちがまず楽しんでいないと、お客さまに向けても居心地のいい空間は提供できないですから」とお店でのこだわりをとにかく楽しそうに、そしてたくさんお話してくれました。

お店を、いつまでも居心地良く感じられる場所にしていきたい。

そんなこだわりを持ち続けている𠮷田さんご夫婦のお店のドアを開けてみたくなりました。

 

【写真提供】WIFE&HUSBAND


もくじ

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𠮷田幾未・𠮷田恭一

京都市・北大路で2015年より夫婦で自家焙煎コーヒー店「WIFE&HUSBAND」をオープン。コーヒーやお菓子のほか、近くを流れる鴨川で楽しめるピクニックメニューも人気。2018年には同じく京都市内に「ROASTERY DAUGHTER / GALLERY SON」をオープン。
HP:https://wifeandhusband.jp/
Instagram:@wifeandhusband_ikumi @wifeandhusband_kyoichi


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