【家のかたち、暮らしのかたち】02:3年かけた家と土地探し。リセットの気持ちで暮らしをあたらしく

編集スタッフ 野村

こだわって作るなら、自分の納得いくインテリアにしたい。そんな自分の「好き」や「こだわり」が溢れているような方のお家を拝見するのは、楽しい時間のひとつです。

今回は、家具職人の鰤岡力也(ぶりおか りきや)さんと、菓子職人の鰤岡和子(ぶりおか かずこ)さん夫婦が暮らすご自宅を訪ねました。

第1話では、力也さんのこれまでのお仕事のお話を伺いながら、家づくりのこだわりについて聞きました。

2話目では和子さんに、今のお家ができるまでのお話を伺いました。

1話目を読む

 

当時、家のあちこちが段ボールだらけでした

焼き菓子ブランド「WOLD PASTRIES(ウォルドペストリー)」を主宰する和子さん。自身の焼き菓子ブランドを立ち上げる以前は、『ひなた焼菓子店』というお店を10年間オープンしていました。

和子さん:
「『ひなた焼き菓子店』は、自宅の一室から小さく始めたお店でした。

それまで働いていたカフェを退職し、次の仕事先を探していたのですが、近くで自分が働きたいと思えるお店に出会うことができなくて、悩んでいた時期で。

そんな時に夫から『自分でお店をやってみれば?』と言われ、私が作ってみたいお菓子を自分なりに形にしていくのは楽しいかもしれない、と始めたお店でした」

和子さん:
「小さく始めたお店もありがたいことに軌道に乗って、5年後にはカフェ店舗を構えることができました。

夫も仕事にのめり込んでいたし、私もお店の開店から閉店まで忙しい。

なので当時暮らしていた家は、仕事関係の段ボールも積み上がったままの、『ただ寝るためだけの場所』という感じで。まるで部活の部室のようでした」

 

子どもとの時間にもっと向き合いたくて

「ひなた焼菓子店」は、やがて連日行列ができるほどの大人気店に。

お互い忙しさのピークを駆け抜けていた鰤岡さん夫婦は、子どもが生まれたことをきっかけに、今の家への引っ越しを決めました。

和子さん:
「娘が生まれてからも、仕事が忙しい状態は続いていました。子育てにうまく時間を使えていたかと振り返ると、十分な時間を使ってあげていなかったと思います」

力也さん:
「娘が、当時の自宅近くの駅の階段で登り降りして遊んでいる姿を見た時に、もっと緑ある自然の中でのびのびと遊んでほしい、と思ったんです。

そんなことがきっかけになって、本腰を入れて、そうした環境で暮らせるような家探しをしようと決めました」

 

3年かけた家探し

和子さん:
「家探しを始めたものの、いいなと思える場所はすぐには見つかりませんでした。知り合いの不動産屋さんに声をかけて、団地やマンション、山梨の方まで土地を探しにいくことも。

お互い住む場所について妥協はしたくなかったので、焦ることはないよねと言い聞かせながら、気がつけば3年ほど家探し・土地探しに時間をかけていました。

時間をかけても見つからず、半ば諦めかけていた頃に不動産屋さんに紹介してもらえたのが、今のこの土地でした」

力也さん:
「中古物件が建っているけれど、解体して更地にしてしまうと新しい家を建てられない、という制約のある土地で。

不動産屋さんには、そういう条件だからあまりおすすめではないのですが……、と紹介されましたが、ひと目でここだ!と決めました。

周りに緑が広がるこの風景は理想の形に近かったし、今まで探し尽くしたこともあるし、もうこれ以上の土地には出会えないと思いました」

 

自分のペースで、お菓子作りを

そうして現在の家への引っ越しを決めた鰤岡さん夫婦。和子さんは引っ越しを機に、自身のお店『ひなた焼菓子店』を閉める決断をしました。

和子さん:
「お店もうまくいっていたし、本当は閉めたくない気持ちもありました。引っ越した後もお店だけは場所を移さず続けようか、移転という形で自宅の一角でカフェ店舗をまた始めようか、と道はあれこれ考えていて。

でも、引っ越し先からお店に通うのは時間がかかるから子どもとの時間がまた取れなくなる。移転という形で自宅でお店を始めると、忙しくなりすぎていた暮らしは変わらないかもしれない。

それなら一度、今の状態をリセットして、子どもとゆっくり過ごすことを選びたいな、と閉店することに決めました。

それに、『ひなた焼菓子店』を始めた時のように、新鮮な気持ちで、自分のペースでじっくり時間をかけてお菓子作りと向き合いたい思いもありました」

 

小さな歩みを、もう一回

和子さん:
「ひとりで新しく始めるなら、自分だけの工房を建てて、お菓子作りをしてみたい。そんなイメージが湧いていました。

そこで家づくりとあわせて、自宅の敷地内に工房を構えたいと夫に要望を伝え、小さな工房を作ることに決めたんです。

工房ができるまでの間、新しいパッケージや新しいお菓子のレシピを考えて、試作品を作り続けることにじっくり時間をかけていきました。

そうして1年ほど準備に時間を使って、リスタートの気持ちも込めて新しい屋号『WOLD PASTRIES』として、焼菓子販売を始めました」

和子さん:
「引っ越しをして、自分のペースでお菓子作りを始めてから、自分の感性や時間の使い方も変わってきました。

工房の窓から見える花が季節によって違うことに気づけて嬉しく感じたり、やってくる野鳥のことが気になって図鑑を買って調べてみたり、周りのことに自然と目が向くようになった気がします。

娘と出かける山登りが楽しい。家族で裏山のタケノコ掘りをする時間が充実している。そんな楽しみを広げながら、お菓子作りにも、家族との時間にも健やかに向き合えたらなと思うんです」

***

「ひなた焼菓子店」も「WOLD PASTRIES」も、小さく軽やかに始めながら、自分が楽しみだと思う方向を目指してきた和子さん。

鰤岡さんのご自宅の内装や、敷地の中に建つ小さな工房。それらを見て自然とワクワクしてしまうのは、和子さんも力也さんも、何かを作り上げる根本に楽しいという気持ちを持って臨んでいるからなのかと納得した気持ちでした。

3話目も引き続き、ご夫婦お二人にお家のことについてお話を伺っていきます。

(つづく)

【写真】木村文平


もくじ

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鰤岡力也・鰤岡和子

夫の力也さんは、自身の工房「MOBLY WORKS(モーブレーワークス)」で家具制作や内装デザインを手がける。妻の和子さんは、焼き菓子ブランド「WOLD PASTRIES(ウォルドペストリー)」を主宰し、委託販売やオーダー販売を中心にお菓子を届けている。

 


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