【家のかたち、暮らしのかたち】03:仕事も住まいも、ゆっくり時間をかけて楽しみな方向へ

編集スタッフ 野村

こだわって作るなら、自分の納得いくインテリアにしたい。そんな自分の「好き」や「こだわり」が溢れているような方のお家を拝見するのは、楽しい時間のひとつです。

今回は、家具職人の鰤岡力也(ぶりおか りきや)さんと、菓子職人の鰤岡和子(ぶりおか かずこ)さん夫婦が暮らすご自宅を訪ねました。

第1話では、力也さんに家づくりのこだわりについて、2話目では和子さんに、今のお家ができるまでのお話を伺いました。

最終話となる3話目では、ご夫婦おふたりに今のお家のことについてお話を伺いました。

これまでの話を読む

 

2年間、じっくり進めた家づくり

鰤岡さんは、インテリアのデザインや、家具・建具の製作もすべて自身で手がけたため、土地を購入してから、今の自宅の形にするまで、2年ほどの歳月をかけてじっくりと作り上げていきました。

和子さん:
「夫のことを信頼していたので家づくりのことは任せていました。

でも、夫自身も家具づくりは経験があっても、家そのものを作っていくことは初めてだったので、どこから手をつけたらいいのかが分からなかったみたいです。

だから一つ作っては工事を止めて、次を考えるという形で、時間をかけて小さく小さく進めていった家づくりでした。

半年ほどかけて、何とかこの家で生活することができる状態まで進み、ようやくこの土地へ引っ越しました。

なので、当時は作業途中のマスキングテープがとまっている箇所がたくさん。そのなかで、家族3人で暮らしている、という状態が長いことありましたね」

 

知らないことが多い。それが楽しくて

力也さん:
「そんな状態で暮らすってなかなかないことだと思うんですが……。妻と娘も、それを楽しみながら受け入れてくれていたのはありがたいことですね。

僕は知らないことが多い方が楽しいなと思うんです。

仕事で独立した時も、家具作りのことを何も知らないままスタートしました。何も知らない状態だったからこそ、先入観を持たずにどんなことも吸収して勉強できたと感じています。

家づくりも同じで、知らないことだらけだからやりたいと思ったことを素直にぶつけられたのかな」

 

ドアを額縁のように見立てたキッチン

そんなおふたりに、改めてご自宅を案内してもらいました。

ダイニングのドア枠から見えるキッチンの風景も印象的な鰤岡さんのお宅。ここにも力也さんのこだわりがたっぷり詰め込まれているのだそうです。

力也さん:
「家全体カントリーハウスをコンセプトに作っていたので、この場所も自分好みに自由に作っていきました。

特に、ファーマーズシンクと呼ばれるアメリカのカントリーハウスでよく見かけるホーローのシンクを取り入れるのが憧れで、それを叶えることができました。

それと、キッチンのドア枠を額縁のように見立てて、家族がいる姿を含めてキッチンの景色がきれいに見えるイメージでデザインしたのも、こだわりのひとつです」

和子さん:
「キッチンが家の中で一番落ち着く場所です。夕ご飯を作って、ハイスツールに座ってレシピ本を読みながらのちょっとひと休みの時間がお気に入りで。

私からお願いしていたのは、緑が見えるように大きな窓があると嬉しいということと、前のお店をやっていた際の食器たちを入れられる大きめの収納がほしいということ。それ以外は、夫のお任せでこのキッチンを作ってもらいました」

力也さん:
「自由に作っていたので、キッチンの作業台の高さもアメリカ規格に合わせた90cmにしようと思っていました。

でも妻にどうかな?と聞いてみると、高さが合わず使いにくいから日本の規格で作ってほしい、と言われてしまい。そのお願いは渋々受けましたね……(笑)」

 

「自分が使いたいもの」を作っていきたい

力也さん:
「このダイニングテーブルは、僕が独立した時に初めて作ったテーブルで、今も現役で使っていて。

脚の出方やデザイン、サイズのことなど、自分が使いたいものはどんなものかを一生懸命考えながら作った最初の家具だったなと思い出すんです。

自分が使いたいものを自分で作るのが、一番シンプルで僕にとってのものづくりの原点だなと感じています。

だから家の内装も家具も、ものづくりの原点の気持ちで作ったからこそ、じっくりこだわって作っていけたのかもしれません」

 

じっくり、ゆっくり楽しんでいけたら

仕事のことも、そして家のこともゆっくりじっくり時間をかけていきながら、熟成させてきた鰤岡さん夫婦。これからの暮らしでも、楽しみにしていることがあるそうです。

和子さん:
「家の前に広がっていた空き地を、今年から借りることにしました。

建物を建てられる土地ではなかったので、このままだと駐車場か資材置き場になってしまいそうだったんです。

それならばこの空き地を使って、もっと楽しく過ごせるような場所にできれば、とふたりで決めました」

力也さん:
「芝生を整えて、シルバーメープルというカエデの木を植えて、いつか公園のように人が集いやすい場所にできると面白いかな、と考えているんです。

子どもの描く家の絵には、木と太陽も一緒に描かれていることが多いじゃないですか。いい家の条件って、案外そういう、ゆっくりと居られる周りの環境のことかもしれないなと思っているんです」

***

家づくりも、そしてこれまでの仕事や暮らしのことも、たくさんの試行錯誤を経て、自分たちの「好き」や「こだわり」を大切にしながら歩んできた鰤岡さん夫婦。

おふたりへの取材を終えた帰り道、自分が好きだと思うことに対して、もっともっと真剣に、そして自由な形で向き合っていくと、楽しみな方向へと進んでいけるのかもしれない、と軽やかな足取りになった自分がいました。

(おわり)

【写真】木村文平


もくじ

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鰤岡力也・鰤岡和子

夫の力也さんは、自身の工房「MOBLY WORKS(モーブレーワークス)」で家具制作や内装デザインを手がける。妻の和子さんは、焼き菓子ブランド「WOLD PASTRIES(ウォルドペストリー)」を主宰し、委託販売やオーダー販売を中心にお菓子を届けている。

 


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