【今の私に似合う髪型】第1話:50代でひらいた扉。白髪をきっかけに楽しみはじめた、定番ヘア
編集スタッフ 岡本
ここ数年、ヘアスタイル迷子に陥っています。数ヶ月に一度の美容院では、「伸びても根本が気にならないように色は暗めで、朝のセットが簡単な髪型」をオーダーするのがお決まり。
知らず知らずのうちに自分ができる髪型の範囲を制限して、装いや気分に合わせてヘアスタイルを楽しむ、なんてことは久しくできていません。
まだ出会っていない似合う髪型ってあるのかな。久しぶりに冒険してみてもいいかも。初夏の心地よい雰囲気に後押しされて、そんな気持ちが湧いてきました。
そこで今回、イラストレーターの堀川波(ほりかわなみ)さんにお話を伺いました。ご自身が描くイラストからそのまま飛び出してきたような装いに、ぴったりな雰囲気のヘアスタイル。自由に髪型を楽しむ様子に、ずっと心惹かれていました。
そんな堀川さんの、白髪をきっかけにチャレンジしたカラーや、ライフステージの変化に合わせた試行錯誤など、全3話でお届けします。第2,3話では、堀川さんの相棒的存在である美容師さんにご登場いただき、年齢髪をすてきに見せるポイントなどもお聞きしましたよ。
いいことばかり? おかっぱヘアを続けているワケ
ベリーショートやパーマなどこれまでさまざまな髪型をしてきた堀川さん。51歳を迎えた今、一番落ち着くのはおかっぱヘアだそうです。
堀川さん:
「顔の形に合う気がして、おかっぱヘアは若い頃からよくしていました。でもここ最近、改めて『この髪型、しっくりくるなあ』と感じています。
年齢を重ねると特に毛先が細くなって、伸ばすのは難しくなりました。それならばとショートカットにすると、きれいなシルエットをキープするためにこまめに切りたくなっちゃう。
私はそれほど頻繁に美容室へ行かない方なので、多少伸びてもシルエットが崩れにくいおかっぱが楽ちんなんです」
▲愛用しているヘアアクセサリーは、すべて手工芸作家でもある堀川さんの手作り。
堀川さん:
「前下がりにカットしたり襟足を刈り上げたり、カラーでアクセントを入れたりと気分転換だってしやすいんです。きれいな状態を保ちやすくてアレンジも楽しめるおかっぱは、気づいたら私の定番ヘアになっていました」
伸びてくるとウズウズする、という短い前髪も堀川さんのチャームポイント。年齢に伴う髪の変化を柔軟に捉えて、自分らしさや似合うスタイルを探し続ける姿から、堀川さんが50代の今を楽しんでいるエネルギーが伝わってきました。
白髪をきっかけに、おしゃれの幅が広がって
この日の堀川さんは、毛先にさりげなく入った赤いアクセントカラーが、黒い洋服やイヤリングとも相性ばっちり。こういった遊び心あふれるカラーリングを楽しむようになったのは、意外にも白髪がきっかけだったのだとか。
堀川さん:
「40代半ば頃から白髪が気になり始めて、2年ほど前までずっと、髪が傷みにくいヘナカラーをしていました。でもここ数年で量が増えたこともあって、隠さずに白髪を活かす方法はないのかなと思っていて。そんな時に、『白髪ぼかし』という方法をSNSで知ったんです。
白髪ぼかしをするようになって今までできなかったカラーリングが楽しめるように。今は毛先が赤いので、メイクとリンクさせたり、カラーしたところが見えるように結んだりして、おしゃれの幅がぐんと広がりました」
*白髪ぼかし……白髪ぼかしは、ブリーチを使って部分的にハイライトを入れることで黒髪と白髪のコントラストを薄くする方法。また白髪染めを使用せずお洒落染めカラーで染めるため、明るいカラーが楽しめます。堀川さんの毛先の赤色は、ブリーチ後におしゃれ染めをし、たびたび自宅でカラーバターを使用することで色落ちを防いでいるそうです。
おすすめは臆さず試す。ホームケアのアイテム
▲この日は、赤いマスカラと髪色をリンクさせて。
髪がつやつやしていたので、美容院に行ったばかりですか? と聞くと、最後に行ってから3ヶ月くらい経ったというお返事にびっくり。理想の色をキープするために頼りにしているアイテムを聞きました。
堀川さん:
「3週間に一度くらいのペースで、カラートリートメントをしています。自宅で色を保ちながら髪を労わることができるので、なかなか美容室に行けない人にもおすすめです。
出かける直前に気になるところを見つけた時は、白髪用コンシーラーが便利。どこから見られても大丈夫と思えるとお出かけ中も安心ですよね」
▲THROW(スロウ)コンシーラー
カラーリングの幅が広がるのは嬉しいけれど、ブリーチをした後の髪の傷み具合が気になります。家ではどんなケアをしているのでしょうか。
堀川さん:
「おかっぱをキープすると定期的に痛んだところをカットすることになるので、それほど気になっていません。
ホームケアで心がけているのは、シャンプーやトリートメントを『サロン専用品』から選ぶこと。行きつけの美容室でおすすめされたものや、生活雑貨のお店でサロン用として売られているものを買って試しています。娘や息子に教えてもらったものも、若い人向けだからと決めつけず使ってみると案外フィットした、なんてことも多いです」
▲愛用しているダヴィネス(davines)のヘアアイテム。上から、オイル、バター、ワックス。
堀川さん:
「髪も肌と同じで乾燥が気になるので、今日は特にパサついているなという時は、シャンプーをお休みすることも。自分に合うケアを日々模索中です」
毎朝のセットは、ヘアオイルをつけてストレートアイロンで伸ばすだけ。10分もかからずに終わるけれど、このひと手間でまったく違う印象になるのだそうです。つや髪に仕上がるストレートアイロンの使い方は第2話でご紹介しますね。
50代になった今、髪型にも自由な気持ちが表れて
3年前に就職した娘に続いて、今年息子が大学に入学。子育てがひと段落し再び自分を軸にした生活が始まり、仕事にも趣味にも変化がありました。
堀川さん:
「子どもたちが手を離れてきて寂しさを感じた時期もあったけれど、今はそれを乗り越えて、扉が開いたような心持ちです。子どもが小さい時は近所のママ友や子どもをきっかけに出会った人たちとの身近な交流が楽しかったんですよね。あの頃はあの頃で、できる範囲のことをしていたし、それに不満があったわけではなくて。
年齢を重ねた今だからこそ、この解放感を心底楽しいと味わえている気がします。結婚した当初の27歳くらいの感覚かな。髪型にも、そんな今の心境が現れて自由度が増しているのかもしれませんね」
定番のおかっぱヘアの推しポイントや、50代で広がったヘアスタイルのお話をお届けした第1話。続く第2話では、堀川さん行きつけの美容室にお邪魔して、理想を叶えやすいオーダーのコツや、つや髪をつくるアイロンの使いかたなどをご紹介します。
(つづく)
【写真】鈴木静華
もくじ
堀川 波
1971年大阪生まれ。イラストレーター、手工芸作家。等身大の暮らしや気づきをイラストやエッセイで綴るかたわら、各地に郷土玩具や手仕事を伝える活動も。『48歳からの毎日を楽しくするおしゃれ』(エクスナレッジ)、『かわいい背守り刺繍』『籐で作るアクセサリーと小物』『刺し子糸で楽しむ刺繍』(ともに誠文堂新光社)など、著書も多数。Instagram:@horikawa._.nami
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