【特集|阿部好世さんとpetite robe noire】第2話:心動かされるものづくり。
編集スタッフ 二本柳
聞き手・文:スタッフ二本柳、撮影:鍵岡龍門
当店で新しく『petite robe noire(プティローブノアー)』というブランドのアクセサリーをお取り扱いすることとなりました。
すでにブランドをご存知の方も多いかもしれませんが、今回あらためてプティローブノアーのこと、そして、デザイナーである阿部好世さんがものづくりへ込める想いについて、2日間にわたりお届けしています。
第2話の本日は、とことん使い手目線で作られた阿部さんの「ものづくり」について。
どうぞお楽しみくださいね。
手間と時間をかけたものづくり。
なんで古いものに惹かれるんだろう?
阿部好世さんがアメリカで蚤の市に通い始めてから、約16年が経ちました。
今となってはパッと見ただけで、それが何年代のものか、どこの作風なのか、といったことまで分かってしまうくらいに玄人よりになったのだと、照れくさそうに話す阿部さん。
そんな阿部さんが、蚤の市に並ぶたくさんのものの中から「これは!」と惹き付けられるのは、いつでも “手のあと” が残っているものだったそうです。
阿部好世さん:(以下敬称略)
「私が美しいと思って手に取るものは、一個一個ちがっていたり、機能的ではない無駄なようなものがあったり。
無骨ではあるのだけれど圧倒的に心動かされる何かを秘めたものだったんです。
そしてその『心動かされる何か』の正体が、職人の手によって手間と時間をかけながら作られたことにある、という事実を知ったのは後のことでした」
心動かされるものを作るためには
手間と時間が必要。
阿部さんが見てきた心揺さぶられる美しいものたちには、それを作る職人の技量が大きく影響を与えていました。
そして阿部さん自身がプティローブノアーで作りたいものも、言葉なくして心を揺さぶられる、そんな蚤の市で出会ったドキドキワクワクを感じられるようなアイテムです。
阿部:
「とにかく感動できるものを作りたい。私にとって、それが1番大切なことです。
そしてその感動は、手間と時間をかけてこそ実現できるものなんですよね」
例えば上の写真にあるアクセサリー。
これには職人が手作業で真ちゅう線を曲げてつくる「線加工」という技術が生かされています。
繊細で美しい、この滑らかなラインは、職人技なくして実現することはなかなか難しいそうです。
阿部:
「とにかく使い手目線でデザインをしているので、その理想を追求するためには職人さんたちの技術が絶対に欠かせません」
とことん、使い手目線。
身につけたときに1番美しい。
プティローブノアーのアクセサリーはすべて、阿部さん本人が実際に身につけながら、鏡にうつる自分を見てデザインしているのだそうです。
だからおのずと、身につけたときに1番美しく見えるアクセサリーが出来上がります。
阿部:
「身につけた人がいかに感動してくれるか、ということばかり考えてデザインしているので、それを形にする職人さんたちは本当に大変だと思います…(苦笑)」
プティローブノアーで年に2度行なわれる展示会。そこには職人の方々も足を運ぶことがあるそうです。
というのも、デザインする阿部さんは作る現場を知り、一方で作り手の職人さんは自分たちが作った後に、それらがどのように運営されているのかを情報交換することが、とても大切な側面になっているから。
阿部:
「作っていただいたものを見て喜んでくださるお客様の光景を、職人さんにも体感いただける。そのことで喜びをシェアし、ものづくりの双方の理解になればと思っています」
デザインする人、作る人、纏う人。
そのサイクルが本当に大切。
デザインをする阿部さんと、それを形にする職人、そして最終的に身にまとうお客様。
そこにあるサイクルこそが、プティローブノアーの見えない原動力となっているということが、阿部さんの話から強く伝わってきました。
阿部:
「モノだけで終わらない、それに関わるすべての人たちの繋がりを大切にしたいと思っています。それは創業当初からずっと変わりません」
私たちに装うことへの “ドキドキワクワク” をもたらしてくれる、プティローブノアーのアクセサリー。
クラシックな美しさと、遊び心のあるモダンさが混ざり合った阿部さんのつくるものたちは、職人たちの確かな技術と、それを手に取るお客さま、関わる人すべてのつながりによって生まれたものでした。
それでは最後に、阿部さんにバトンタッチをして2日間の連載を終わりにさせていただきます。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
『petite robe noire』を通じて
阿部さんが届けたいこととは?
みなさん初めまして。petite robe noire(プティローブノアー)の阿部好世と申します。
10年前に「www.petite robe noire.com」を創立し、現在は、ご覧いただいている商品全てをデザインすることを私が行なっています。
「今までに見た事がない」美しいもの。身につけて「おもわず嬉しい気持ちになる」もの。そんなもの作りをしたくてずっと制作を続けて来ました。
◯◯風、とか、◯◯っぽく作る。ではないプティらしいものづくり。
実際にブランド設立時からあるプティを代表する「コットンパール」は、そんな中で生まれたアイテムでした。
1つの物作りに様々な過程を経て、たくさんの人がその商品に関わりお客様の手元に届く。人が気持ちを持ってつくったものは必ず気持ちが届くような気がします。
使ってくださる方がずっと大切にしたくなるようなストーリーが、実は商品の中にしっかりあるという事は、ブランドとしての誇りです。
オリジナルでいることは簡単なことばかりではありませんがプティローブノアーを通じて、単なる「もの」で終わらない、大切にできる気持ちの断片が輪になっていったらと想っています。
阿部好世
★本日から発売開始のアクセサリーは、こちらからご覧いただけます。
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