【イヌとネコのエピソード】第4話:さかな屋さんでお店番していたのがヒメでした
編集スタッフ 青木
不定期連載の全4話で、スタッフの実家で暮らす『イヌネコたちとの出会いや、忘れられないエピソード』をお届けしています。最終話の担当は、スタッフ青木です。
家族が増える!あの子がうちのこになる!と浮かれていました。
文・写真 スタッフ青木
高校3年の冬休みのこと。なにも予定のなかった私は2週間の沖縄旅行に出かけました。
親戚の家にお世話になること以外に何も決まっていない旅行だったので、まいにち気ままに過ごしていました。
そんな中での楽しみは、スーパーに並ぶ色鮮やかな魚の中から、今日の一匹を選ぶこと。中華鍋にごま油をしいて、塩をした魚を丸ごと蒸し焼きにする食べ方にすっかりハマってしまったのです。
その様子を見ていた叔母が「そんなに魚が好きなら」と連れて行ってくれた魚屋さんにいたのが、生後一ヶ月のヒメでした。
何匹か一緒に生まれたうち、最後に残ったヒメだけは側において育てようと思ったそうで、魚屋さんの店先にいたようです。
それからは、魚を買いがてらヒメに会いに行くことが日課のようになりました。
旅行が終わり、家に戻ってからは「魚屋の子犬、元気にしてる?」としつこく気にかける日々が始まりました。
その熱意(?)が伝わったからなのか、ついに譲ってもらえる事になったんです!
それから2ヶ月ほど待ったでしょうか。ワクチンを済ませ獣医さんのOKサインが出たので、飛行機に乗って我が家まで。
車に、体を拭くタオル、フライトお疲れ様のお水を積み込み、なぜか幼馴染みまで同乗させてお迎えに行きました。
家族が増える!あの子がうちの子になる!と、すごく浮かれていたんでしょうね。
空港で久しぶりに会ったヒメはけっこう大きくなっていて「本当にヒメ?」と驚いたのを覚えています。
こうやって、ヒメは家族になりました。
子犬の前ではお母さん、母の前では娘に戻るヒメ。
月日は流れ、私が実家を出てすぐの事、ヒメが4匹の子犬を出産しました。
子犬の体をキレイにしたり、おっぱいをあげて育児をする姿を見ていた母は「誰に教えてもらったわけでもないのにすごいね」と感動したのだそうです。
子犬が寝てしまうと、今度は母の膝までやってきて甘えるのもたまらなく可愛いと言っていました。
気が済んだら、お母さんの顔をして子犬のもとに戻って行くのだそうです。
子犬の前ではお母さん、母の前では娘として振る舞うヒメの話を聞いて、動物ってすごいな、ヒメは可愛いなと、ただただ思ったのでした。
またこの事は、実家にはヒメがいるから私がいなくても大丈夫だと安堵し、上京ライフを楽しむきっかけになったような気がします。
この暮らしがずっと続くといいなと思っています。
現在ヒメは18才。 とっても長生きしてくれています。
目には白く濁っている部分もまじり、耳も遠く、足腰も弱くなってきていますが「ヒメ、ただいま!」と言うとヨチヨチ歩きでしっぽを振りながらお出迎えをしてくれます。
その姿を見ると、私の事を覚えてくれているのだなと嬉しくなります。
父と母は、ヒメがぐっすり寝ているのを見る度にドキッとするけれど、静かに上下するお腹に手を当てるとほっとするのだと言っていました。
ヒメの元気は両親の元気とも繋がっています。
ヒメありがとう、両親をよろしくねと声をかけながらの帰省が、これからもできるだけ長く続けられたらいいなと願っています。
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今回の特集で登場したイヌネコたちは、どの子もお年寄りでしたね。それぞれのエピソードを読み進めていくうちに、最近パサついてきたヒメの毛を、撫でたくて撫でたくてたまらない気持ちになってしまいました。
お届けしたのは、イヌネコとスタッフと家族の物語でしたが、みなさんの心の中にあるイヌネコエピソードと重なる部分もあるかもしれません。
一番に浮かんでくるのは、どんなエピソードですか?
(おわり)
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