【わたしの、旅の思い出】第2話:やっぱり「雑貨」が好き。旅先で見つけて、いまもずっとお気に入りの雑貨たち。
編集スタッフ 大貫
(写真1枚目 桜井かおり)
全4話で特集「わたしの、旅の思い出」をお届けしています。
旅先で出合った雑貨や、そこで撮った写真など、ほかの人は一体どんな風に思い出を残しているのだろう?
そんな興味から、第2話からは旅好きな2名の方にご登場いただき、旅の思い出の残しかたについて伺います。
旅好きなお二人に、お話を伺います。
まずご登場いただくのは、音楽家の良原リエさん(写真左)。独身時代から旅に出るのが好きで旅先で手に入れた楽器も多いそう。現在は3歳の息子さんがいるお母さんでもあります。
そしてお二人目は、café Lotta(カフェロッタ)のオーナーの桜井かおりさん(写真右)。美味しいものや可愛いものを求めて旅に出るのが好き。特にお気に入りの場所はパリ。昨年から美味しいものを求めて台北に行くのもハマっているそうです。
ここからは、お二人が “旅で出合った雑貨”について伺います。それぞれ旅先でどのようにお買い物をして、それを暮らしにどう取り入れるのかのマイルールを伺ってみました!
(撮影 左:Izumi Kumazawa、右:桜井かおり)
旅先で見つけた「お気に入り」を日常で使ってます(良原さん)
(撮影 良原リエ)
「使うイメージが湧くものだけ」が、マイルール
良原さんが旅先で買うものは「食べるもの」と「使う用途がはっきりしているもの」、特に楽器とキッチンツールにしぼっているそうです。
実際に使うイメージができたものばかりだから、どのアイテムも今の暮らしで大活躍していると言います。上の写真は、お気に入りのキッチンツールたち。台所にDIYで取り付けたフックにひょいと引っかけて「見せる収納」にした様子です。
でも、以前はお買い物好きで、かわいい雑貨やコスメ、さらには楽器などを、たくさんお土産に買っていたこともあったのだとか。
良原さん:
「ドイツとオランダを一人旅したときに、天候不順で飛行機が飛ばないトラブルに見舞われ、人混みの中、大量の荷物を抱えて移動しなければならない経験をしたんです。そのときに、『旅では何があるかわからないから、なるべく身軽でいよう』と痛感して、今の買い物スタイルに行き着きました」
そんな良原さんが特に気に入っている旅の思い出の品を2つご紹介いただきました。
良原さんの、旅の思い出アイテム
(撮影 良原リエ)
(1)ちゃんと演奏できる「おもちゃのアコーディオン」
良原さん:
「たくさんの古道具の中にあったのですが、ふと目が合ったんです。実際に手に取ってみると小指で持てるほど軽い!しかも、おもちゃなのに調律がとても良く、すぐにも演奏に使える状態だったんです。その古道具店の店主に交渉してみたら、あっさりとまけてくれまして。
これは出合いだなと、連れて帰ることに決めました。その旅行中の演奏でも、日本に帰ってからのライブ、レコーディングでも、ずっと活躍しています」
【訪れた場所と時期】オランダのドルトレヒトの古道具屋さん(2010年)
(撮影 良原リエ)
(2)いまも心の支えとなっている「片手鍋」
良原さん:
「今から10年前、本当にやりたい音楽をと自主制作したアルバムを持ってフランスのディストリビューター*を訪れたら、その場で聴いてくれ『気に入ったよ』と持参したアルバムとポストカードを買い取ってくれたんです。当時、写真やデザインも好きで音楽ひとつに絞れていない自分に迷いがあったのですが、それでいいと認めてもらえたようですごく嬉しい出来事でした。
晴れ晴れとした気持ちの帰り道、たまたま通りかかった蚤の市で見つけたのが、この黄色い片手鍋。大げさかもしれませんが、いまも私の心の支えのひとつになっています」
【訪れた場所と時期】パリの蚤の市で(2006年)
*ディストリビューター:CDの販売代理店、卸業者のこと。
「これだ」と決めたものを、ひとつずつ揃えています(桜井さん)
(撮影 桜井かおり)
「1枚ずつ、1点ずつ」がマイルール
「パリが大好きで、今では自分でパリツアーを企画してしまうほど!」という桜井さん。
何度も何度も足を運び、パリに行ったら必ず訪れたいお店も買いたいアイテムも、はっきりと分かってきた桜井さんは「気に入ったものを少しずつ」が、旅先でのお買い物スタイルだそう。
そうして持ち帰ったものは、ご自宅はもちろん、ご自身がオーナーを務めるカフェでも愛用中です。
桜井さん:
「パリではASTIER de VILLATTE (アスティエ・ド・ヴィラット)を必ずチェックします。マイルールは1枚ずつ 1点ずつ …だったのですが、あまりにも大好きなので、いつからかこのルールもなくなりました。今は手荷物で持ち帰れるならOKとしています。収集癖があるため、自宅には少しずつお皿やグラスが増えてきましたが、今でもひとつずつ買った旅の思い出が鮮明によみがえります」
桜井さんにも旅の思い出の品を2つご紹介いただきました。
桜井さんの、旅の思い出アイテム
(撮影 桜井かおり)
(1)ひとつのデザインを2客ずつ「merciのワイングラス」
桜井さん:
「パリにあるセレクトショップ『merci』も、いつも訪れるお店のひとつ。現地のビストロやカフェで使われている業務用のワイングラスを、毎回2客ずつ買ってきます。グラスのデザインがいつも同じじゃないのも、楽しみで。このグラスのおかげで、夫との晩酌も “どのグラスにするー?” と楽しいものになっていますよ」
【訪れた場所と時期】パリのセレクトショップ『merci』、訪れる度に買ってます
(撮影 桜井かおり)
(2)新色を見つけるのが楽しい「merciのナプキン」
桜井さん:
「もうひとつ、パリの『merci』で必ず買ってくるものがナプキンです。訪れるたびに新色が出ていて、それを見るのが楽しみになっています。私がオーナーをしているカフェでも使っているのですが、シックなカラーがお客さまにも好評で。すごく値が張るわけではないので、たとえ汚れてしまってもいいかなと気負わず使えるところも気に入ってます」
【訪れた場所と時期】パリのセレクトショップ『merci』、訪れる度に買ってます
「いつもの暮らし」で使って「旅の余韻」にひたる
良原さんは、荷物を増やさないようにアイテムを厳選する。桜井さんは、お気に入りを少しずつ買い集める。お二人の旅先でのお買い物スタイルは、対照的とも言えるかもしれません。
でもそこに共通していたことは、旅先で出会ったものを「いつもの暮らし」にうまく溶け込ませているということ。日常的に使うことで旅の余韻とともに日々過ごしてしらっしゃる様子でした。
旅での出合いをおうちに持ち帰り、国内外から集めたお気に入りのものと過ごすのは、きっと嬉しい時間ですよね。
さて続いての第3話は、 “旅先で撮った写真の残し方” について伺います。どうぞお楽しみに。
良原リエ(音楽家)
主にアコーディオンやトイピアノの鍵盤奏者。古いアコーディオン、トイピアノ、オルガンやトイ楽器を多数収集し、演奏する。最近は料理、庭、子育てなど暮らしまわりの文筆、スタイリングを雑誌、webの連載などで手掛けることも多い。Instagramのアカウントは「@rieaccordion」。http://tricolife.com/
▽良原リエさんの著書
桜井かおり(café Lottaオーナー)
2001年に東京・世田谷の松陰神社前商店街にcafé Lottaをオープン。オーナーとして店に立つ日々。夫と2人の息子と(大学2年生と高校1年生) 9歳のトイプードル つぶ との 4人と1匹の暮らし。Instagramのアカウントは「@kaorilotta」。
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