【ショートヘアに変えたら】第2話:髪を切って、あたらしい扉を。45歳からのファッション事情。
編集スタッフ 二本柳
写真 平本泰淳
すっかり定着していたワンレンボブのイメージから、45歳の時にがらりとショートヘアへ大変身。思い切ったヘアチェンジが印象的だった、雑貨店「hal」店主・後藤由紀子さんのもとを、同じくショートヘアの店長佐藤が訪れています。
前回の第1話では、後藤さんがショートヘアにした経緯をお聞きしました。
第2話は、髪型を変えたことで新しい扉をひらいたという「おしゃれのこと」を伺います。
「おじさんと変わらない!?」
同窓会で焦ってしまいました(笑)
雑誌『ナチュリラ』で表紙を飾っていた頃、髪を切る前のワンレンボブの後藤さんは、いつもシンプルな服装が多い印象でした。
でもショートヘアに変えた3年前からは、おしゃれの好みも変わってきたそうで……。
後藤さん:
「私ね、高校生くらいの頃からずっと好みが変わらなかったんです。かちっとしたトラッドなファッションが大好きで。
でもある時、ショートヘアにしてから同窓会で集まったとき、隣にならんだ同級生の男子が……つまりもう良いおじさんですよ、『同じ髪型だ!』って気がついたの。
周りにも『ここ2人、似てるね〜』なんて言われて『えー!?』みたいな(笑)
だから私も、そうか、今ならもっと “女性” らしさを取り入れても良いのかなって。そこから花柄だったり、キラキラ系のアクセサリーだったり、新しいおしゃれのジャンルが増えました」
ショートだからこそ “女性” らしさを。
そんな最近の後藤さんの普段着をいくつか見せていただきました。
なかでも髪型の変化にともなってワードローブに加えたものを4点ご紹介します。
“縁がなかった「赤」”
後藤さん:
「髪を切る前は、わたしの定番カラーといったら “グレー・紺・白” 。赤とか黄色とか、いわゆる『さし色』と言われる明るい色味はほとんど選ばなかったですね。
でも今は髪が男っぽいので、こういう色を合わせても甘くなりすぎなくて良いかなあと。
トップスに赤を持ってくると、顔まわりをパッと明るくしてくれるんです。だからこの変化は、髪型もあるけど、もしかしたら歳を重ねたことも影響してるのかも。朝なんか顔がくすんで見えちゃって、自分では亡霊かと思っちゃうから(笑)」
・Brand_CABANE de ZUCCa
“花柄にも挑戦できた”
後藤さん:
「花柄のワンピースは、ショートヘアにしてからよく着るようになりましたね〜。
ヒールと合わせればちょっとだけフォーマルなスタイルになるけど、基本的には普段着でも着られるものを選んでます。下にブーツを合わせてカジュアルに着てみたり。
以前の好みは基本的に無地のもの、柄といってもボーダーやチェックくらいでした。こういう可愛らしい花柄に挑戦できるようになったのは、ショートヘアにしたことが大きいですね」
後藤さん:
「私、洋服を買うときに『3シーズンは着たい』という思いがあるんです。春夏秋、とか、秋冬春とか。
ワンピースも靴を変えたりしながら、ほぼ一年中着ていますよ」
・Brand_agnès b(1枚目)、Zucca(2枚目)
“てろん素材は友人の影響”
後藤さん:
「スタイリストをしている友人が、いつもこういう “てろん” とした素材の洋服を着ているんです。それがすごく可愛くてね。
私はどちらかというとパリッと張りのある洋服が好きだったのですが、友人に影響されて新たな扉をあけました。
こういう女性らしさって大切だなあ……って(笑)」
後藤さん:
「コム・デ・ギャルソンのキュロットも、そんな経緯で手に取ったもの。
薄手のニットとかシャツと合わせるときもあれば、Tシャツの時も。着るとすとんと下に落ちるタイプなので、ボリュームが出すぎずオールマイティーに使えます。
コム・デ・ギャルソンのお洋服って、パターンが本当にきれいで、何を着てもきれいに見せてくれるんです!シンプルなスカートを試着してみるとカッティングの良さがよく分かるかも。
ここのお洋服は1枚持っているだけで安心感ですよ」
・Brand_DRESSTERIOR(1枚目)、COMME des GARÇONS(2枚目)
“パールからキラキラ系に”
後藤さん:
「ショートヘアにして大きく変わったな……と思うのは、アクセサリーですね。
私、学生時代の友人から『ほんとう変わらないよね』って笑われちゃうくらい、いつも小ぶりなパールしかつけていませんでした。
でも最近はわりとジャラジャラとブレスレットをつけたり、キラキラしたネックレスも楽しむように。これは私としては大きな変化です。
洋服と一緒で、これも髪型が男っぽいから “甘×辛” でバランスが取りやすいなって思います」
・Brand_KO、chahat
実は、コンプレックスのかたまりなんです。
佐藤も長年憧れの目で見つづけていた後藤さん。
いつも凛としていて、ファッションを特集されるほど「おしゃれさん」な印象をずっと抱いていました。
でも本人は全然そんなふうに思ったことはないそう。
後藤さん:
「もう、体型コンプレックスのかたまりですよ……。日々大変です。
だから洋服選びは、ちゃんと体型をカバーしてくれるようなものを選びます。てろんとした素材は、着てみて分かったのですが、そういうコンプレックスをうまくカバーしてくれるかも」
後藤さん:
「歳をとることって、私の場合は体型の変化だったり、マイナスな印象も正直ありました。
でも、周りに素敵に歳を重ねてる “お姉さん” がたくさんいるの。吉村眸さんや引田かおりさん、岡本敬子さん………。挙げだしたらキリがないくらい。
自分より一歩先をいく女性たちから日々刺激をうけて、私もおしゃれを楽しんでいます」
人生の先輩でもある素敵な女性を見つけ、パワーをもらっていた後藤さん。
でも一方で、そんな後藤さんの姿から元気をもらっていたのが、私たちクラシコムの店長佐藤でした。
明日は、佐藤が後藤さんに聞きたかったあれこれを直接インタビュー。
話題は子育てのことから、夜の自分時間のことまで…… 「お母さん」トークで盛り上がりました。
(つづく)
後藤由紀子(ごとう ゆきこ)
沼津の器と雑貨のお店「hal」店主。現在は庭師のご主人と、高校生の長女の3人暮らし。大学生の長男は東京で一人暮らしをしている。センスの良いファッションや、ていねいな暮らしぶりが人気を集めている。著書に『毎日続くお母さん仕事』(SBクリエイティブ)、『毎日のことだから。7分目くらいがちょうどいい』(PHP研究所)など。http://hal2003.net/
▽後藤由紀子さんの著書はこちら。
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