【わたしを導く人生のルール】第3話:人生の主役が変わっても。女優・水野美紀さんの20代から40代の変化

編集スタッフ 岡本

人前で感情を露わにしない。1日1万歩以上あるく。私たちは、誰から強制されるでもなく、自分のルールを決めています。

それはきっと少しでも「今より、いい自分」になりたいと願うから。

いつもきれいで、芯の通った生き方をする人。憧れのあの人は、どんなルールをつくり、今の姿にたどりついたのでしょう。

今回お話を伺ったのは、もうすぐ1歳になるお子さんを育てながら、役者や脚本家など活躍の場を広げ続けている、女優の水野美紀さんです。

第1話第2話でうかがった水野さんのルールには、40代で生まれた指標「一日の幸せをトータルで捉える」という一本の芯が通っていました。

自分が主役の人生ともいえる20〜30代から、家族との暮らしをスタートさせた40代へ。

大きな変化の中でそれまでの自分とバランスを保つためにも、ルールが必要だったようです。

つづく第3話では、そんな水野さんの20代から振り返っていきます。

 

20代、夢が叶ったはずなのに

漫画『ガラスの仮面』がきっかけとなり、芸能界を目指した水野さん。

地道にキャリアを積み重ねるなかでお芝居の面白さを感じるとともに、与えられる役柄と本当の自分とのギャップに苦しんだ時期もあったと話します。

ときに葛藤を抱きながらも、ひとつひとつの仕事と真摯に向き合い続けること十数年。

デビュー当時から抱いていた最大の目標、“ドラマの主演を務める” 日が、20代半ばにして訪れます。

水野さん:
「ドラマの主演をやらせてもらえたことは、もちろん嬉しくて。でもしばらく続けるうち、この先どうしようという思いが募っていきました。

ずっと掲げていた目標だったはずなのに、このまま出続けることを次の目標にはできなかった。

たぶん、昼夜問わず体を酷使し続ける状況に限界を感じていたんです。世間も私自身も、今みたいに働く環境を整えるなんて意識がまるでなかったから。

なんとなく芝居もできる気になっていて、今思うとちょっと生意気な部分があったかもしれませんね」

20代後半、だれもが一度立ち止まる年齢で水野さんも同じように迷っていました。

芝居という仕事自体は好きなだけに、自分を取り巻く環境に対してジレンマを抱えていたそんなとき。

その後の人生を左右する、ターニングポイントが訪れます。

 

半人前としてスタートした、30代

水野さん:
「初めて『劇団☆新感線』の舞台を観たときに、それまで感じたことがないほどの衝撃が走りました。

圧倒的な芝居のエネルギーを生で感じて、演劇の世界に一気に引き込まれたんです。

それまではどちらかというと与えられた役割を全うすることに必死だったから、自分からなにかやりたいと思えたのが初めてで。

初観劇の日からずっと、演劇にチャレンジしたいと思い続けていました」

そしてその翌年。28歳で念願の、劇団☆新感線の舞台へ立つことに。

▲水野さんが出演した舞台パンフレット。右:『髑髏城の七人 アカドクロ』(劇団☆新感線 /2004)、左:『神様とその他の変種』(ナイロン100℃ /2009)

水野さん:
「待ち望んでいた演劇に触れる日々は、稽古から本番まですべての時間が強烈でした。

想像以上に新鮮な世界でワクワクもしたけど、それ以上に、何も知らない何もできない自分を突きつけられて。

心からやりたいと思えたことだっただけに、不甲斐なさを感じていました。

でも不思議とどんなに辛い場面でも、『こんなに面白い世界があるんだ!』という気持ちの方がずっと強かった。

舞台での経験を境に、自分のなかでなにかが変わったんですよね。それからまた数年で色々考えて。

デビュー当時に立ち返ると、ガラスの仮面ってそもそも演劇の話だったしとも思って、一からしっかり学ぶために、それまでいた業界からすこし距離を置く決意をしました」

 

初めて意識した、自分との向き合いかた

テレビの仕事から離れ、自ら演劇という半人前の世界で新たなスタートを切った30代。

そこからたった3年で劇団を主宰するまでになったのは、自分ととことん向き合ってきた、ぶれない意志の強さと行動力があったからこそ。

でも一方で、将来の暮らしについてはまったく考えが及ばなかったのだとか。

▲水野さんの価値観に大きな影響を与えた3つの作品。左から、『アラバール戯曲集〈1〉戦場のピクニック』(思潮社)、『椅子と伝説』(新潮社)、『空飛ぶモンティ・パイソン 日本語吹き替えDVD』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)。

水野さん:
「30代半ばまでは、結婚も子どもも全然ピンとこなかったんです。気にも留めてなかったかも。

人の多い場所へ行ったり、紹介してもらったりと模索した時期もあったけど、39歳くらいで一度『結婚はいいかな』って思ったくらい。

でも40代に入って、今の夫に出会い、まもなく子どもが生まれて。自分でも驚くくらい突然暮らしが変わりました。

それまでは自分自身と1対1で向き合ってきたけれど、これから私はどうバランスをとっていくべきだろう?と。

そこで生まれたのが、『一日の幸せをポイント換算する』という指標だったんですよね」

 

今日の幸せポイントはどれくらい?

▲(写真は水野さんのインスタグラムより)

今日の幸せポイントは、今のところどれくらいですか?と聞くと「子どもが朝からにこにこしてたし、お友だちとも楽しそうだったから、もう30〜40ポイントは貯まってますね」と教えてくれました。

▲俳優でイラストレーターの夫・唐橋 充(からはしみつる)さんと、水野さんお気に入りの絵本『りゆうがあります』(著:ヨシタケシンスケ/出版:PHP研究所)

その表情から40代で訪れた変化が、水野さんの幸せの基盤となっていることが伝わってきます。

大切な家族との暮らしのなかで、今よりいい自分になるためにはどうしたらいいのだろう。

そんな切実な思いから生まれたマイルールが、母になった水野さんを支えていました。

自分を縛るのではなく、いい方向へ導くルールを。みなさんの心にはどんなルールが浮かびましたか?

 

(おわり)

【写真】平本泰淳(4,9枚目以外)
【ヘアメイク】大広まゆみ
【スタイリスト】山下友子
【衣装協力】suzuki takayuki


もくじ

水野美紀(みずの みき)

1974年6月28日生まれ、三重県出身。『踊る大捜査線』シリーズや、映画『恋の罪』など、役者として多くの作品に出演。近年では演劇ユニット『プロペラ犬』を主宰するなど、多方面で活躍している。この夏は、テレビ東京系ドラマ『ラストチャンス 再生請負人』や、讀賣テレビ・日本テレビドラマ『探偵が早すぎる』などに出演。

▽水野美紀さんの著書はこちら


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