【わが家の朝支度】朝が早くても、短時間で仕事スイッチが入るシンプルな朝ルール(パン屋オーナー・武野由佳さん)
編集スタッフ 松田
1日を気持ちよく始めるための朝の支度を、さまざまな方に伺う連載「わが家の朝支度」。その人らしく「朝支度」を進める工夫や、こだわりについてお聞きしています。
今回ご紹介するのは、愛知県名古屋市でパン屋を営む、武野由佳さん。
お店の名前は「ブランジェリー・パンジェンヌ」。オープン5周年を迎えたお店では、厳選した素材をつかって手作りされたこだわりのパンが、毎日なんと70種類も並びます。
パン屋さんというと、とにかく朝が早いイメージがあります。そこで、朝早くからテンポよく仕事をスタートするためにしている工夫や、パン屋さんならではの朝の過ごし方について、武野さんに伺いました。
朝が早いからこそ、詰め込みすぎない
自然と仕事モードになる朝支度
4:00 起床
4:10 洗顔・歯磨き
4:15 梅干し・コップ1杯の水を摂る
4:20 着替えをして身支度
4:35 家を出る
4:40 お店に出勤
4:50 厨房の神棚の榊などのお水を変えて手を合わせる
5:00 作業開始
9:00 お店オープン
11:00 ひと段落して、味見用のフランスパンとクロワッサンを食べる
梅干しとコップ1杯の水で
キリッと目覚める
武野さん:
「仕事の日は、毎朝4時に起床し、4時30分には家を出ます。そのため、目覚めてから身支度をする時間はごくわずかです。
20代の頃は、 “朝食を摂らなくちゃいけない” という思いもあり、焦って食べ物を口に入れていましたが、ある時から早朝に無理に食べるのもよくないと身体が感じるように。それからは目を覚ますための梅干しと、コップ1杯の水だけで済ませることにしました。
この方が自分の身体には合っていたようで、時間がかからないうえに胃にも負担が少なくて。キリッとした気持ちで家を出ることができています」
フランスのインターネットラジオで
気分を上げる
武野さん:
「仕込みの作業を始める時は、インターネットでフランスのラジオをかけています。
ジャンル問わずいろんな曲が流れるのが好きで、修行時代からずっと変わらず続けている習慣でしょうか。ラジオから流れてくるフランス語も心地よく、ブランジェリー発祥でもある本場フランスの気分を味わいながら、テンポよく楽しく仕事を進められます」
休日の朝ごはんは、パンの食べ方研究
▲厚切りトーストは、ちぎって食べられるように切り込みを入れ焼く。バターはあえて溶かさず、直前まで冷やしておいて固まりのままを食べるのも、本来の味を楽しめるそう。
武野さん:
「ストレッチをしたり、落ち着いて白湯を飲めたりする朝時間を送りたいという気持ちはありつつ、やはり仕事の日の朝は、朝食をゆっくり摂る時間さえないのが正直なところです。
だから、せめて休日だけでもと思い、休日は朝食の時間をたっぷりとって、バゲット・カンパーニュ・食パンなどの食べ方の研究をしています。この時間が、自分にとってはとても大切だなぁと思っています」
武野さん:
「例えば、余ったバゲットは、焼いてカットし、クルトン代わりにサラダと混ぜてパンサラダに。1つのボウルで野菜もたっぷり食べられて一石二鳥のアレンジです」
▲きのことパプリカをオリーブオイルとガーリックでソテーしたものと合わせて。野菜はどれもフランス土産のトリュフ塩でシンプルな味付けに。
武野さん:
「シンプルなパンほど、食材の組み合わせや食べ方の違いで、何通りもの美味しさを楽しむことができます。
それを考えるのがまた楽しくて。仕事柄もありますが、休みの日も自然とパンのことばかり考えてしまいますね。やっぱりパンが心から大好きみたいです」
支度完了!バッグには何が入ってる?
手提げバッグ(Herve Chapelier)
ハンカチ
リップ(blanche etoile)
フェイスパウダー(blanche etoile)
財布(ANYA HINDMARCH)
メモ帳
ボールペン
武野さん:
「フランスの『Herve Chapelier(エルベシャプリエ)』のバッグを愛用しています。20代の頃に出会ってからというもの、買い換えながらも10年程ずっとこのブランドを使い続けていて、仕事用のリュックもここのものなんです。何にでも合わせやすく、驚くほど軽いのに丈夫なところや、ロゴ入りのタグが控えめでシンプルな雰囲気も気に入っています」
朝ごはんだって無理しなくていい。心地よい朝をつくるのは、自分が決めたルール
わたし自身も平日の日は、朝ごはんを食べる時間なんてない日もしばしば。
今回武野さんの話を伺って、仕事の日は身体もこころも無理せずシンプルな習慣でいいんだと思えました。平日はスムーズに仕事モードへ気持ちを切り替えて、そのぶん休日は自由な時間をゆったりと楽しむ。そんな風に、その時々の状況に合わせた、メリハリのある朝時間もいいなぁと思います。
【写真】武野由佳
武野由佳(パン屋・オーナー)
洋服のスタイリストを10年間勤めた後、持ち前の好奇心の強さから「新しいことを一から始めてみたい!」と思い立ち、ずっと好きだったパンの道を目指す。フランスで修業経験のある師匠の元で一からパンづくりを学び、2013年に自身のお店をオープン。厳選された素材で手間を惜しまず作られるこだわりのパンは、地元の街の人に愛されている。
「ブランジェリーパンジェンヌ」(http://painsienne.com/)
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