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【45歳のじゆう帖】大人の涙について思うこと

人はなぜ泣かなくなっていくのか
息子が小学生になって思うのは、そういえばずいぶん泣かなくなったなぁということ。泣いてばかりの生まれた頃からの時系列を考えてみると、少しずつ少しずつ、涙の数が減っています。ものごとへの耐性がついてきているのでしょうか。
特にまだ言葉が話せない乳幼児にとっては、泣くことは訴えるための大切な手段であり、「泣くのをこらえる」という気持ちの動かしかたは選択肢にないように思います。
6歳の息子はどうなのでしょうか。本当は泣きたい局面でもぐっとこらえているのか、それともそもそも泣きたいと思うことが減っていくのか。あるいはその両方かもしれません。
まだ少し難しい質問だと思うので、2年後くらいに本人に聞いてみたいと思います。
息子や息子の友人たちを見ていても、泣く理由って実にさまざまです。悲しいから泣く。寂しいから泣く。思い通りに行かないことに腹を立てて泣く。悔しくて泣く。痛くて泣く。びっくりして泣く。その泣きポイントであったり、頻度であったりは、本当に生まれ持った性格によります。
よく泣く子も、ほとんど泣かない子もいます。そしてみんな、成長するにつれて少しずつ泣かなくなっていく。それは頼もしいようでもあり、寂しいようでもあり、単純に不思議なことだなぁと思います。

泣くことに、居心地の悪さを感じていたあの頃
涙を流すことについて「恥ずかしい」「情けない」「格好悪い」「子どもっぽい」とネガティブに思ってしまうのはいつからなのでしょう。息子を見ていると、小学生であってもそういった意識をすでに持っているように感じますし、大人になるにつれてその感覚は強固になっていく気がします。
私はすぐに泣くタイプで、涙をこらえることがあまり得意ではありません。公衆の面前で泣き叫ぶのはいささか迷惑という認識は持っていますが、漫画や映画でボロ泣きするのは当たり前。そもそも、泣くことについて「恥ずかしい」とか「情けない」と思う感覚があまり備わっていないのです。
しかし、小学生時代などは涙をこらえる局面もあり、泣くことにネガティブな感覚を持っていたような気がします。なぜこのように変化したのだろう?と考えると、かつては「自分の感情を表に出す」ことがとても下手だったことに思い至りました。
とても自分に自信がなくて、自分に自信がないということすら自覚していなかったあの頃、私はうまく泣いたり笑ったりできず、この反応で合っていますか?といつも周りの目を気にしていました。
経験を積み、少しずつ色々な塩梅がわかってきて、自分のキャラクターや立ち回りかたなども会得していくなかで、私は私に、自分の感情を自由に表現し、好きに泣くことを許可したのだと思います。
これは泣くことだけでなく、笑うことも同じです。そういえば、私はいつも人とはちょっと違うところで笑っていて、私が笑うとみんなが振り返るのが恥ずかしく、幼いながらに居心地の悪さを感じていました。今は、かつての自分に同情できるくらいになりました。

泣くことを制限しない大人でいたい
今は周りの人と歩調を合わせなくても大丈夫だとわかっています。そもそも小学校のように、歩調を合わせる多数の人間が周りにいないわけなのですが。
そして、「自分の感情を表現することが、心に淀みを作らない」ということもわかっています。特に泣くことで感情の発散ができるのは間違いありません。泣くと内側に溜まっていた澱のようなものがクリアになり、ニュートラルな状態に戻ることができます。
澱んでいた空気が流れて、呼吸が楽にできるようになったり、視界がさっと晴れていったりする、涙の効能は素晴らしいものがあります。ネガティブな感情を抱えているときに、わざわざ泣ける映画を鑑賞してみるとスッキリする。これは多くの人に経験のあるソリューションではないでしょうか。
「大人になると泣かなくなる」という人は多いかもしれません。それはそれで節度をもった大人の姿勢であり、私はそのように自制できる人に対して憧れを抱きます。
いっぽう私はその逆のベクトルで生きてきているようで、これからもきっと、自分に泣くことを制限しないでしょう。大人が泣くなんて格好悪いと、将来息子に言われることはあるかもしれないけど、私が息子に言うことは、この先もないでしょう。
【写真】本多康司


AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
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