【エッセイラジオ】第35夜:甲斐みのりさんのエッセイ「なんでもない日に、 小さなとっておきの贈り物」(読み手 スタッフ寿山)
編集スタッフ 鈴木
今日も1日おつかれさまでした。
皆さんこんばんは。日曜日の20時、いかがお過ごしでしょうか?
週末でリフレッシュされた方や、明日からの一週間に備えて気持ちを整えている方、思い思いの時間が流れていることと思います。
そんな誰もがほっと一息つきたい時間に「おつかれさま」の気持ちを込めて、「エッセイラジオ」をお届けします。
思うようにいかなかった昼間の出来事や、いつも心の端に引っかかっている悩み事など。生活していると日々色々とありますが、このラジオを聴いているその時間だけは、一旦それらを手放して、ゆったりと声に身を任せていただけたら幸いです。
今夜のエッセイの書き手は、文筆家・甲斐 みのりさん。読み手は、当店スタッフの寿山です。
ではさっそく、今夜のエッセイの世界へ、どうぞいってらっしゃいませ。
なんでもない日に、 小さなとっておきの贈り物
甲斐 みのり
仕事部屋の片隅に、大きなカゴが一つ。
私はそれを
「どうぞのカゴ」と呼んでいます。
中に入っているのは、
ポストカードや一筆箋、
マスキングテーブなどの文房具、
手ぬぐいやハンカチ、
ブローチのような
ちょっとしたアクセサリー、
箸置き、お香立て、
手のひらサイズの置き物など、
軽くてポケットに収まるほどの
ちょっとした小さなものばかり。
値段も、数百円から千円くらいまでの
手軽に買えるものがほとんどです。
その多くは、
旅先の美術館や雑貨店で求めたもの。
全く同じものがいくつかあったり、
色違いで揃っていたり。
すてきだなあ、愛らしいなあと
気に入って買い求めたあれこれを、
まとめて収納しています。
それらが役立つのは
友人と食事やお茶をする約束があったり
仕事相手と打ち合わせをするとき。
出かける前にカゴの中をのぞいて、
これから会う相手が
喜ぶだろうと思ったものを
ぱっと手にとり待ち合わせ場所へ。
挨拶のあとに「どうぞ」と差し出せば、
旅先での話に、ぱっと一花咲くのです。
「どうぞのカゴ」には普段、
雑貨のみを入れていますが、
小さな箱菓子や、ティーバッグ、
カップオンドリップコーヒーなど、
気に入った食品に
出会ったときもまとめ買い。
お菓子とお茶を組み合わせて、
そのまま一回分のおやつが楽しめるセットを
プレゼントすることもあります。
こんなふうに
“なんでもない日のちょっとした贈り物”
を始めたのも、私自身の嬉しい経験から。
偶然にも友人や仕事相手から、
「ゆっくりお風呂で寛いで」
「おいしい瓶詰めのおすそ分け」と
バスソルトや調味料など
不意の贈り物をいただくことが続きました。
言葉に出してはいないものの、
仕事が忙しく心身ともに疲れていた時期。
さりげない優しさや心遣いが身にしみて
自分も身近な人たちのなんでもない1日に
小さな光を差し込めたらと思ったのです。
しかしながら、
「さあ、これから会う方への
贈り物を探そう」
と身構えたところで、
ちょうどよく
お気に入りが見つかるとは限りません。
日頃から、旅することや、
買い物が好きな自分だからこそ、
お気に入りに出会ったときに少しずつ
色々なものを
揃えればいいと気がつきました。
「どうぞのカゴ」を始めてからというもの、
旅先でも、人と会うのも、
何より私自身がとても楽しい。
楽しい気持ちは
まっすぐ相手に伝わるようで、
旅の話に花を咲かせたあとは、
互いに和やかに、にこやかに
ときを過ごせます。
いかがでしたか?
ほんの数分ではありますが、心の緊張がほどけたり、すうっと眠りに入るきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。
次回の配信も、どうぞ楽しみにしていてくださいね。
エッセイラジオを通して、このささやかなエールが届きますように。それでは、おやすみなさい。
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