【あこがれの人】第2話:白髪染めをやめるまで。変化する体と無理なくつき合うには
編集スタッフ 寿山
仕事でいろいろな方とご一緒するなかで「あんな風に歳を重ねられたらいいなあ」と、思わずあこがれてしまう、素敵な大人に出会うことがあります。
今日お話を伺うモデルの青木沙織里(あおき さをり)さんも、まさにそんなあこがれの存在。笑顔がとってもチャーミングで、いつも飾らず自然体。艶やかなシルバーヘアが魅力的で、何だかすごく楽しそうなのです。
1話目では、モデルになったきっかけや、楽しく歳を重ねるコツについて伺いました。2話では、シルバーヘアにした経緯や、変化する体との向き合い方など伺います。
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40代ではじめた、白髪染めをやめるまで
若い頃から白髪が多かった青木さん。40代になってからは、仕事のために月2回は白髪染めをしていたそう。シルバーヘアにしたきっかけは、体調を崩したことでした。
青木さん:
「40代前半で婦人科の病気をして、仕事のとき以外はソファから一歩も動けないような状態が1年ほど続きました。それでも仕事上、白髪を染めないわけにはいかずしばらく続けていましたが、体に負担がかかるのでいつかは辞めたいとも思っていました。
たまたま49歳の時にウィッグのモデルをやることになり、それがきっかけで思い切って白髪にする決心をしました。周りからは『まだ早い』と反対もありましたが、やってみたらまた別の角度からお仕事をいただけるかもしれないと思ったんです」
シルバーヘアにして間もなく、少しずつ新しい仕事が舞い込むようになったのだとか。
とはいえ当時まだ40代だった青木さん。白髪染めを辞めた当初は周囲に驚かれることも多く、ヘアターバンをしたり、帽子を被ったり、ウィッグをつけたりしながら、1年かけて少しずつシルバーヘアへと移行したそう。
青木さん:
「わたしが大丈夫と思ったことだから、周りの反応はそこまで気にしないでいいと思いました。自分が気持ちよく過ごせることの方が大切ですから。
これまで大切な友人や家族が亡くなる場面に立ち会ってきて、看病したりもして、心底思ったんです。人生いつどうなるかわからないって。だからなるべく好きなことをして過ごしたいし、人にどう見えるかよりも、自分の心地よさを優先させたいと思うようになりました」
ながびく不調から救ってくれたもの
▲定期購入している温泉水を朝、昼、晩とコップ1杯ほど飲むことで体調を管理
40代前半で病気をしたのをきっかけに、体のことや暮らしも見つめ直したといいます。
青木さん:
「病気をしたことで、体にいいと言われるサプリや漢方などいろいろなものを試しました。病院で処方された薬や、痛み止めなども飲んでいて、それで一時的に症状は和らぐけれど、体調は一向に良くなる気配がなくて。
そんなとき、知人に誘われてある温泉を訪れたんです。そこで勧められるままに温泉水を飲むようになって、これが体に合っていたのか、徐々に体調が回復していきました。少しずつ薬に頼らなくても元気に暮らせるようになって、いまは水筒に入れて外出先にも持ち歩いていて、スプレーボトルに入れたものをスキンケアやドライアイ対策としても活用しています」
▲温泉水を入れたスプレーボトルをポーチに常備
青木さん:
「体質によって合う合わないはありますし、自分の体には何が合っているのか、見つけるまでに時間もかかりました。今も気になったものはいろいろと試して “合っていない” と思えば手放す、の繰り返しです。
温泉水のほかにもマヌカハニーや漢方など、合っているなあと感じるものを取り入れつつ、ポテトチップスとかも好きだから食べちゃうんですけど(笑)体調管理も、無理なく心地よく続けられることをやっていこうと思っています」
▲外出先で喉がイガイガすると感じたら、マヌカハニーをひと舐め。
▲生姜湯やスパイス、漢方なども持ち歩いている。不調を感じたらすぐに対処できるように
体の変化と無理なく付き合うために
いま51歳の青木さんは、まさに更年期のまっただなか。とくに、ほてりやのぼせなどのホットフラッシュに悩まされていて、仕事柄いろいろな対策を試行錯誤しているといいます。
青木さん:
「移動しているとき急に心臓がドキドキして、わーっと汗をかくことがあるので、少し薄着で出かけて羽織りやストールで体温調整をしたり、中にタンクトップを着ていつでも前を開けられるようにしたり。
撮影中にホットフラッシュになる事もあるので、現場の人に『更年期なんです〜』と、正直に伝えるようにしていて、ご理解いただいています」
▲ホットフラッシュ対策に欠かせないストール。色柄のものも楽しみやすく、コーデに遊び心も足せる
▲上半身はのぼせる一方で下半身は冷えるのも悩みのひとつ。一年中シルクのインナー、レギンス、レッグウォーマーなどが欠かせない
50代だけど、すっぴんで過ごしたい
▲「Make It & Co」のウォッシュオイル(写真右)は、クレンジングやスキンケア、ヘアケアなど1本でまかなえる
仕事ではしっかりメイクをするため、オフのときはなるべくすっぴんで過ごしたいと思っているそう。すっぴんで過ごすために工夫していることはあるのでしょうか?
青木さん:
「わたし本当にズボラなので、特別なことはあまりしていなくて、毎日のスキンケアには愛飲している温泉水の化粧水とクリームを使っているくらいです。
それと美容室ですすめられたオイルがあって、メイク落としにもなるし、美容液にもなれば、ボディオイルやヘアオイルとして全身に使えるので重宝しています。
あとは仕事でやってもらったメイクはちゃんと落としたいので、美顔器でクレンジグしています」
▲美顔器(写真右下)をクレンジングに活用。肌の状態に合わせて友人にもらった「AR Cosmetics TOKYO」のクリームをつけることも
青木さん:
「すっぴんとはいえUVケアはしたいので、日焼け止めは塗ります。ちょっとした外出なら、日焼け止めに少しファンデーションを混ぜて塗るとか、スティック状のコンシーラーで気になるシミだけカバーするとか、無理なく続けられることをやっています」
▲ハルメクの「セリジエ 薬用UVジェルミルク」を長年リピート
「あとはメガネをかけると、何となく目線を外せる気がしています。これなら肌じゃなくてメガネに目がいくでしょう?(笑)」
▲上2つは「agnès b.」のフレームで20年以上愛用している。その下2つは「Ciqi 」で1番下は「Oliver Peoples」
どんな質問にも快く答えてくれた青木さん。体の変化や不調と無理なく向き合い、ご自身の心地よさを大切にしている姿が素敵だなあと感じました。
つづく3話では、50代の定番服やカジュアルコーデなど、青木さんの私服をいろいろと見せていただきます。
【写真】鍵岡龍門
もくじ
青木沙織里
19歳よりモデルを始め「nonno」などの雑誌、CM等を中心に活動。カフェ巡りとあんこが大好き。趣味はキックボクシング、ピラティス、陶芸、バッグ制作など。現在、シルバーヘア育成中。最近は、同年代のモデル仲間と「おばキャン(おばちゃんたちのキャンプ)」に、はまっている。Instagramは「@blue_record365」にて、日々のコーディネートをアップ
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