【直感を信じてみたら】ファッション雑誌の編集に携わって40年。第二の人生を始めた徳田民子さんの「暮らしのモットー」
編集スタッフ 岡本
朝たまたま袖を通した洋服が、その日の気分にぴったり合っていると、それだけで気分よく1日がスタートできる。
洋服の持つ力ってすごいなと思います。
そんな洋服の力を誰よりも信じ、魅了されてきたファッションコーディネーターの徳田民子(とくだたみこ)さんは、60代で長年住み慣れた東京を離れ、大自然のなか田舎暮らしを始めました。
こうやって聞くと、さぞ大きな決断だったろうと勝手に想像してしまいますが、「とても軽い気持ちでしたよ」と思わぬ言葉が。
さまざまなファッション雑誌を手掛けてきた徳田さんが、長野県・安曇野での暮らしを選んだそのわけとは。
「好き」を仕事にして駆け抜けた40年
徳田さんはこれまで、『装苑』や『ミセスのスタイルブック』など、本屋さんで一度は目にしたことのあるさまざまなファッション雑誌の編集に携わってきました。
徳田さん
「私の洋服好きは、母の影響が大きいですね。
私が中学に上がる頃、試験の前の日にお手製のジャケットを贈ってくれて、それを着て試験に望んだんです。
あの時の驚きや嬉しい気持ちが今も強烈に残っていて、『服ってすごい。力をもらえる存在だ』って思いました」
徳田さん
「仕事が自分に合っていて、毎日がとても楽しかったです。定年退職までの40年間、あっという間に駆け抜けましたね」
幼い頃に出合った自分の「好き」を大切に育てて、その仕事に就き、楽しんで走り抜ける。
徳田さんは軽やかに語りますが、それがどれほど難しいことなのか、大人になった今なら分かります。
ドライブで決まった、第二の人生の場所
徳田さん
「安曇野に初めてやってきたのは、夫婦でのドライブがきっかけでした。
橋を渡ったときに北アルプスが素晴らしいパノラマで見えて、『こんなところに住みたい』って思ったんです。
そしたら夫も同じように感じていて。第二の人生の地が案外簡単に決まりました」
徳田さん
「60代での移住でしたけど、終の住処というつもりもないし、またどこか住みたい場所が見つかったらいつでもアクションを起こせばいいって。
そういう軽い気持ちで住み始めましたね」
ドライブでの長旅、目の前に大きく広がった雄大な景色、隣に座る夫。その情景を順番に想像すると、ほころぶような徳田さんの笑顔が目に浮かびました。
移住には大きな決断が必要だったのではと思っていたけれど、こんな瞬間の積み重ねを経ていたら、それはとても自然なことのように感じます。
東京のようにはいかない、安曇野での暮らし
徳田さん
「ここで暮らすようになって、3日間の計画をたてて過ごすのが習慣になりました。
献立を考えて、どんな食材が必要かまとめて買い出しに行くんです。車で行かないと解決できないことばかりだから夫に相談して、一緒に行動してね。
自然に囲まれて暮らして、初めて分かることがたくさんありましたよ。
必要なものがすぐに買いに行けないこともひとつですし、家庭菜園をしても山から来た猿に全部食べられてしまうことも。四季がはっきりしているから、季節ごとにやらなければいけないことも多くて。夏のうちに冬の薪を準備したり、ベリー類を見つけたら集めてジャムにしたりするんです」
徳田さん
「東京にいたときは、たくさんの人やものとの出会いがあって、刺激に溢れていました。
かといって、ここでの暮らしに刺激がないかと言われるとそんなことはなくて。
猿が一度来るだけで手塩にかけた野菜たちも一瞬にしてなくなってしまう。住んでみて初めて感じる自然界の大変さを面白がって暮らしていけたらと思っています」
この土地での生活の整え方
新しい暮らしをはじめて心踊る瞬間もあれば、想像とはちがう現実に戸惑うこともきっとあったはず。その戸惑いをヒントに「ひと手間の備えで」ここでの暮らしがぐっと心地よくなると気付いたそうです。
お話を聞いて、いつだって徳田さんは前向き、そして一歩踏み出すときの心持ちが軽やかであることに驚きました。
取材の中で語った「いつでもアクションを起こせばいい」という言葉が、臆病な性格の私の心にふわりと浮かんでいます。
なんだかいい匂いのする方へいってみる。そんな自分の感覚をもっと軽い気持ちで信じてあげてもいいのかもしれないよ、と徳田さんに教えてもらった気がします。
徳田さんのお話の様子は、YouTubeの番組「うんともすんとも日和」で公開中です。
動画では、安曇野のご自宅やコーディネートを考えるときのポイント、そして徳田さん自身の“うんともすんとも”な悩みについて伺っています。
ぜひ動画もお楽しみくださいね。
※こちらの動画は取材時2020年の内容となり、現在の暮らしとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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