【土曜日のミニシアター】第2回:「最後の直線」かも、という気配を感じながら
編集スタッフ 松田
映画館へ訪れたり、映画を観たりする時間そのものがかつて好きだったけれど、今は忙しくて観る時間がない。そんな方へお届けする、ミニコーナーです。
つかの間の非日常の世界に身を委ねられる、約120分という時間。そんな感覚を久しぶりに思い出したくて、静岡市にあるミニシアター、静岡シネ・ギャラリーさんを訪ね、「映画から遠ざかっている」方へのおすすめ映画を教えてもらいました。
テーマは、時間の流れのうつくしさ。8月の毎週土曜日に、1作品ずつご紹介しています。
ほんのつかの間、ミニシアターへ訪れたような気分になったり、久しぶりに映画を観てみようかなと思えたり。そんな気持ちになっていただけたら嬉しいです。
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時の流れがうつくしい映画
「親友同士で10代の終わりかけをグダグダ一緒に過ごしていたのに、もうひとりが “ちゃんとした” 大人になって、それぞれの歩む道がわかれていく。そんな映画を紹介します。
この映画の2人の主人公、まったく退屈しています。幼馴染で、2人とも高校を卒業しても特にやりたいことはない。真面目に進路とか言っているまわりとは、全然合わない。基本ダルい」
©2001 United Artists Films Inc. and Granada Film Ltd. All Rights Reserved.
「どちらかが『ダサいを通り越して、良くなってきたのを通り越して、やっぱりむかついてきた』みたいなことを言ったら、もうひとりにもそのニュアンスがちゃんと伝わる。そんな繋がりをもった関係です」
©2001 United Artists Films Inc. and Granada Film Ltd. All Rights Reserved.
©2001 United Artists Films Inc. and Granada Film Ltd. All Rights Reserved.
「こういう大人になる直前の、何かに対する熱中で結びついているわけじゃなくて、何にも熱中なんてしないよねという感覚で結びついている感じ、ちょっと分かりますよね。
そしてそういう2人のバランスが、意外とあっさり崩れてしまうことも。マラソン大会で一緒にゴールするはずだった友達が、最後の直線でダッシュしてしまうように」
©2001 United Artists Films Inc. and Granada Film Ltd. All Rights Reserved.
「この主人公たちも、物語が進むにつれて、もうすぐ “最後の直線” かもという気配を感じていきます。私たち観客は、それを少しドキドキしながら観つつ、ああ、人生の中のこのほんの短いタイミングを、こんな風に映画にしてくれたんだと嬉しくなってしまうのです。
時が過ぎて、あとになって振り返ってみると、退屈な日々は充実した日々と同じくらい、あるいはそれ以上に、人生の大切なポジションを占めていると気づくもの。この作品では、そんな、かけがえのない時間が流れています」
『ゴーストワールド』
製作:2001年
監督:テリー・ツワイゴフ
主演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン
販売元:マクザム
Blu-ray&DVD 好評発売中
© 2001 United Artists Films Inc. and Granada Film Ltd. All Rights Reserved.
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次回の映画紹介は、8/19(土)更新予定です。おたのしみに。
【写真】市原慶子
もくじ
サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー
静岡県・静岡駅から徒歩5分の場所にある、2スクリーン・105席の映画館。隣接する「宝泰寺」の集会場として1995年に建設されて、現在の映画館の運営は2003年12月からスタート。SNSでの映画紹介文がユニークで「観たくなる!」と人気。http://www.cine-gallery.jp instagram:@shizuoka.cinegallery X(twitter):@Sarnathhall
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