【おしゃれな人】02:着ていて心地いい服が「自分に似合う服」になっていく

ライター 瀬谷薫子


50代後半でスキンケアブランド「joscille(ジョシーユ)」を立ち上げ、鎌倉に喫茶兼ギャラリー「アピスとドライブ」をオープン。やりたいことに真っ直ぐな今井クミさんに、今回はお話を聞いています。

第1話は、未経験だった新しい仕事に挑戦するまでの経緯を伺いました。第2話は、そんな今井さんが好きなファッションについて伺います。

第1話はこちらから

 

長く着ているのは、シンプルでモノトーンな服

▲自身も愛用し、お店でも扱っている「yunahica」のブラウス

昔から服が好きだったという今井さん。東京で働いていた頃は、シーズンごとに買い替えて、流行の装いを楽しんでいたこともありました。けれど50代後半になり、そのスタンスが変わったそう。

今の装いの定番は、ブラウスに動きやすいパンツ、足元はスニーカー。シンプルで、色合いもモノトーンが好みだと言います。

▲えりの形や前面のデザインに個性のあるブラウスは「アーツアンドサイエンス」のもの

今井さん:
「東京を離れるタイミングで、服は1/3くらいに減らしました。繰り返し着たいものだけを持っていこうと思ったら、手元に残ったのはシンプルなものばかりです。

デザイナーという裏方的な仕事を長年してきたからか、プロダクトが映えることが第一優先。私自身はシンプルな服装でいる方が、一番落ち着くのだと思います」

けれどシンプルな中にも、年相応の上品さや、個性的なデザインのものを選んで、ひとさじのポイントを大事にしています。

今井さん:
「左の黒いブラウスは『コムデギャルソン』のもの。胸元のフリルが気に入って、もう20年以上繰り返し着ています。

右の白いブラウスは、店でも扱っている『DÅWN』のもの。シャリ感のある素材が他になくて好みです。防水なので、海水浴のあと水着の上からさっと着るのにも便利。鎌倉に来てからは、そんなアウトドア要素も意識するようになりました」

 

アクセサリーは、大きめモチーフでアクセントに

▲シルバーのアクセサリーが好み。お店でも扱っている『NATURE METAL WORKS』のものを中心に

そんな装いを引き立てるのに欠かせないのが、アクセサリー。シンプルながら少し大きめのデザインのものをつけて、コーディネートのアクセントにしているそう。

今井さん:
「ブレスレットはサーミ族の手工芸品で、北欧を旅した時に購入しました。

指輪やピアス、ネックレスは『NATURE METAL WORKS』のもの。花や葉っぱなど自然物モチーフにして作られていて、ありのままを形にしたようなデザインがとても素敵なんです。

鎌倉へ越して、自然が身近にある暮らしを送るようになったからか、最近はアクセサリーも自然をモチーフにしたものをつけたいと感じるようになりました」

 

小柄でも、バランスよくまとまる工夫

身長155cmと小柄な今井さん。だからこそ意識しているのはシルエット。

トップスがゆったりしたブラウスなら、ボトムスはコンパクトに。そんなバランスは特に意識しているといいます。

今井さん:
「上下それぞれではなく、全身を引きで見たときのバランスに気を使っています。それは小物に関しても同じです。

たとえばバッグは、同じ大きさでも小柄な私がもつと体に対して大きく見えて、アンバランスになることも。なので基本的には小さめのものを選びます」

今井さん:
「『garota』のポシェットはお店で扱っているもので、私も愛用しています。

こういうポシェットは横長が多いですが、これは縦長。身長が低くても縦のラインが入ることで、すっきりと見えるので気に入っています」

 

デニムやスニーカーも、年齢に合わせて選ぶデザインをアップデート

▲トップスは上で紹介したコムデギャルソンのブラウス。yunahicaのデニムを合わせて

トップスは襟のあるブラウスなど、上品な印象のものが多いですが、それをボトムスや足元でカジュアルダウンさせるのも今井さんらしい装い。

デニムはワイドシルエットやバギーパンツを長く履いていましたが、最近はストレートなラインのものを履くようになったそう。

今井さん:
「yunahicaのデニムは、股上がかなり深く、小柄な自分に似合うのか不安でしたが、一度履いてみたら心地よくて虜になりました。ほどよく細身なデザインが、年相応の上品さを足してくれます。

デニムの日には少しかっちりした革靴を合わせて、全体のバランスをとっています」

▲churchの革靴は存在感のあるデザイン。シンプルなコーディネートによく映える

スニーカーは、アディダスのものを長く愛用。いつも同じものを2足買いしてストックするほど、気に入っているそう。

今井さん:
「カジュアルすぎずほどよく品のあるものが好きで、このスニーカーに行きつきました。

動きやすさとマジックテープでの着脱のしやすさ、そしてどんな装いにもなじむ、モダンなデザインが好みです」

 

自分にとって「違和感のない」装いでいたい

▲オールシーズン「yunahica」のボトムスを愛用。左はニットパンツ、右はコットンストレッチデイパンツ。

いろいろなこだわりはありつつも、今一番大切にしているのは、着心地のよさだと今井さん。

履いていてストレスのないこと、袖を通すたび心地いいと思える服が、装いの定番になっているそうです。

今井さん:
「『yunahica』のパンツは着心地がよくて、ほぼ毎日、洗っては繰り返し着ています。

昔は高いヒールを履いたり、デザイン重視で服を選んでいたこともありました。けれど今は何より着心地が大事だと実感するように。

自分にとって違和感なく、リラックスして過ごせる服が、本当の意味で『似合う服』なんだと思っています」

そんな意味では、ヘアスタイルも同じ。

最近思い切って全体をブリーチし、白髪がなじんでいくような髪型にシフトしていったといいます。

今井さん:
「はじめは白髪が増えていくのが気になって、黒く染めていたんです。でも、それにだんだん違和感を覚えるように。そもそも『白髪染め』という言葉自体がなんだか不自然に思えてきました。

美容師さんに相談して、白髪を自然になじませていく方法として全体を明るくすることに。はじめは緊張しましたが、私にとって違和感のない白髪との向き合い方だなと感じました。

数年先、全体がグレイヘアーになるのも、また楽しみです」

年齢の変化に抗わず、デザインはもちろん大事にしながらも一番は『心地よさ」に身を置くこと。

気持ちの向く方を選んでいこうとするスタンスには、お仕事の話にも共通する、今井さんらしさを感じました。

続く第3話は、暮らしのお話。東京から鎌倉への移住を経て、変化した暮らしの価値観について伺います。

 

【写真】濱津和貴


もくじ

今井 クミ

デザイナー・アートディレクター。スキンケアブランド「joscille」を立ち上げ、鎌倉で喫茶兼ギャラリー「アピスとドライブ」を営む。https://apis-and-drive-shop.com/

 


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