【あの人のバッグ】1点ものや、老舗の名品。長く愛せる魅力が詰まった「バッグの中身」
ライター 瀬谷薫子
お出かけに欠かせないものとして、選び集めてきたアイテム。そんな「バッグの中身」には、そこかしこにその人らしさが詰まっている気がします。
連載「あの人のバッグ」は、気になるあの人のバッグやポーチの中身を見せてもらうシリーズ。
今回のバッグの持ち主は、スキンケアブランド「joscille(ジョシーユ)」のディレクターであり、鎌倉で喫茶兼ギャラリー「アピスとドライブ」を営む、今井クミさんです。
以前「おしゃれな人」のインタビューにもご登場いただいた今井さん。今回はいつものバッグとポーチの中身を拝見しました。
ーバッグの中身ー
長く使い続けたい
作り手の思いが詰まったアイテム
左上奥から時計まわりに
・巾着バッグ/tsukuroite
・ハンカチ/muni
・シルバーの財布/COMME des GARCONS
・つげの櫛/辻忠商店
・小さな黒の巾着(薬入れ)/和小物作家 白柳花子さんの作品
・ロールオンのフレグランスオイル/joscille
・白の巾着ポーチ/joscille
・ゴールドのポーチ2点/toelle
・文庫本/「誰かのための物語」(おくまゆみ)
今井さん:
「作家さん手作りのものや、1点ものの作品、老舗のメーカー・ブランドで長く作られているものなど、作り手の想いが詰まったアイテムが好きです。
COMME des GARCONSのシルバーの財布はかなり昔から愛用していて、使い込んで少しはげてきた感じも気に入っています。
ロールオンのフレグランスオイルは自社ブランド「joscille」で開発中の試作で、ネロリの落ち着く香りが好み。
電車や喫茶店で読む小さな本は、最近はおくまゆみさんの短編を愛読しています」
今井さん:
「ギャラリー兼セレクトショップのオーナーをしているので、そこで仕入れているブランドや、展示をして頂いた作家さんのものも多いです。
『toelle(トエル)』は鹿児島で革小物を手作りする阿部純一さんのブランド。布や革で作るバッグのブランド『garota(ガロタ)』の下宮奈々子さんとご夫婦で活動されていて、ギャラリーで展示をお願いしたことがきっかけでお知り合いになり、愛用しています。
しっかりした革の素材感、量産品にはない温かみのある風合いが使っていてとても心地よく、ゴールドの見た目はバッグの中にちらりと見えるたびに気持ちが上がります。バッグが小さい時はこの2種に名刺、カード、領収書をまとめて入れて持ち歩いています」
今井さん:
「バッグは、本当は花器として中にガラスの器が入っていたもので、竹細工作家の一木律子さんの作品です。
夏はもちろん、コートで重い印象になりがちな冬の装いも軽やかに見せてくれるので、今の時期も重宝しています」
今井さん:
「バッグインバッグにしている巾着は『tsukuroite』という作家さんが手掛けるもの。オーガンジーの光沢のある素材です」
ーポーチの中身ー
ありのままの素肌を健やかに保つ
保湿アイテムを中心に
左上から時計まわりに
・巾着ポーチ/joscille
・フレグランスオイル/joscille
・リップバーム/joscille
・保湿バーム/joscille
今井さん:
「どれも私がディレクターを務めるブランド『joscille』のもの。フレグランスオイルは開発中の試作で、保湿バームはもうすぐ発売する新作。馬油と蜜蝋のバームで、この冬は常に持ち歩き、髪・顔・手とあらゆるところに使っています。
東京から鎌倉に越して1年と少し経つのですが、引越しを機にメイクはほとんどしなくなりました。日焼け対策と眉を整える程度なので、持ち歩くアイテムもほんの少し。小さなポーチで十分です。
できるだけありのままの素肌を大事にしていきたいと思っていて、刺激がなく、健やかな肌になれるもの、自然由来のものを選ぶようにしています」
今井さん:
「リップバームは自分が本当に欲しいと思える1本を、と企画しました。はちみつと蜜蝋、スクワランなど自然由来の成分で作っているので安心して使用でき、とにかくしっかり潤うので、冬の必需品として常に持ち歩いています。唇だけでなく目元の乾燥にも使っています」
お気に入りのファッションアイテムは?
今井さん:
「合わせやすいシンプルな色合いながら、デザインにちょっとした個性のあるものが好きです。
ストールは5年くらい前に買った『MAISON CARREE』。フリンジと風合いが気に入っています。靴はヴェネチアのブランド『DIVINA』。東京へ出かける時に履きます。とても歩きやすくて、かつリーズナブルなところも気に入っています」
今井さん:
「ハワイにアトリエを持つ『nature metal works』のtomiさんの手掛けるアクセサリーは、自然の草木をモチーフにしたデザインが気に入り、いくつか愛用しています。昨年は私の店で個展を開催していただきました。
昔はアクセサリーといえばシルバー派でしたが、この頃は年齢を重ねたからかゴールドが似合うようになってきた気がして、それもまた新鮮で楽しんでいます。『ARTS&SCIENCE』のブラックパールと合わせるのも好きです』
今井さん:
「私にとってバッグとは、アクセサリーのような存在。鎌倉に住み始めてからは、東京にいた時と比べて荷物の量がぐっと減り、近くなら手ぶらで出かけることも。
バッグも小さめ、軽めで、機能より好きな見た目のものを服に添えるような気分で選ぶようになりました。喫茶店でお茶を飲みながら、椅子においたバッグを眺めて『いいなあ』と思う、そんな瞬間が好きです。
それから、中からものを取り出すという動作自体もすごく好き。バッグの中に持ち物がバランスよくおさまっている様子を見ると、心まで整う感じがして、気持ちがよくなります」
機能や質はもちろん、デザインや作り手の人となりまで、全部が好きと思えるもの。今井さんのバッグとポーチの中身はそんなアイテムに満ちていて、それぞれに愛情を感じました。
喫茶店で椅子におかれた様子を見るたび「いいなあ」と思う。日々眺めるたび元気をもらえるようなお気に入りのバッグに、私も出合いたくなりました。
さて、次回はどなたのバッグが登場するのでしょう。お楽しみに。
【写真】濱津和貴(1、2枚目) 今井クミ(3〜10枚目)
今井 クミ
デザイナー・アートディレクター。スキンケアブランド「joscille」を立ち上げ、鎌倉で喫茶兼ギャラリー「アピスとドライブ」を営む。https://apis-and-drive-shop.com/
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