【自分らしい住まいの作り方】第1話:築60年の平屋をリノベーション。あこがれだった自然に近い暮らし。

ライター 長谷川未緒

そこに住まう人らしさが伝わってくる家は、足を踏み入れた瞬間からワクワクします。その家が住人の好きなもので満たされていたり、心地いいと感じる空気が流れていたりするからかもしれません。

自分らしくいられて落ち着く、居心地が良い空間を作るには、どうしたらいいのでしょう。

特集「自分らしい住まいの作り方」では、矢野悦子(やの えつこ)さんがご夫婦で暮らす、葉山のご自宅兼アトリエを訪ねました。

矢野さんはH.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)が展開するセレクトショップ『Lamp harajuku(ランプ・ハラジュク)』の立ち上げから21年間ディレクターを務めたのち独立。2022年からご自身のセレクトショップ『September Poetry(セプテンバー・ポエトリー)』を主宰し、美しくユーモアのあるものを紹介しています。

そんな矢野さんのお住まいは、自分軸があって、ほどよく力の抜けたインテリアでした。

第1話では、東京から葉山に越してきたきっかけや、ギャラリーをイメージしたというリノベーションの様子などを伺います。

 

築60年の平屋を住み継ぐ。あるものを生かした自然体な住まい

車通りから入ったところにある矢野さん宅は、ぐるりと小さな庭に囲まれたこじんまりとした築60年の平屋です。

前の住人がリノベーションした外観はそのままに、自らペンキ塗りをした郵便ポストの上には、メキシコ旅行で求めたクロスが飾られ、絵柄をよく見ると、プロレスをするレスラーなどユニーク。

玄関ドアの周囲には丸っこい石が飾られています。

矢野さん:
「石は前の前の住人が集めていたらしく、庭に適当に置かれていたんです。かわいいな、と思って並べてみました。私はついきれいに並べてしまう性分なんですよ(笑)」

都心から葉山に越してきたのは2018年。最初は駅近の戸建てで暮らしていましたが、2021年に現在の住まいに越してきました。

70平米、寝室とリビングの1LDKにロフト付き。玄関と大きな窓が南側に面していますが、日本家屋特有のひさしのおかげで日差しが入りすぎず、おだやかな光が満ちています。

▲昔ながらの梁も、白くペイントすることでモダンな空間になじんでいる

矢野さん:
「もともとはグラフィックデザイナーと料理家の友人夫妻が暮らしていた家で、その頃からたまに遊びに来ていたんです。この家の隣の古屋が空くことになって、彼らがそちらに引っ越すと聞き、だったらこの家に住みたいと申し出ました。

駅からは離れますが、自然が多いこのあたりの環境が好きだったんです」

 

自然に近い暮らしにあこがれ、都内から郊外へ移住するまで

矢野さんは神奈川県鎌倉市出身。いずれは神奈川県のほうに戻って来たいと思っていましたが、確信に変わったのは2012〜14年にかけて仕事で訪れたニューヨークでした。

仕事で関わるアーティストたちが、自然の中で創作も生活も楽しみながら暮らしている様子がとても素敵に見えたそう。

矢野さん:
「私もそういう暮らしをしたいと思い、鎌倉や鵠沼海岸のほうなども含めて少しずつ探しはじめ、もうちょっと自然に近いところ、と葉山に辿り着きました。

ぱっと移行できたわけではなく、少しずつ準備を重ねて5、6年はかかりましたね」

 

日本家屋をギャラリーのようなイメージでリフォーム

友人夫妻が柱だけ残してリノベーションしていたおかげもあり、外観は手をつけずに中だけ少し手を加えました。

矢野さん:
「ニューヨークに行ったときに、ずっと一緒に仕事をしていたスタッフが、自宅を解放してギャラリーをやっていたんです。いいなと思っていたので、私も独立するなら自宅をオープンショールームにするイメージがあり、ギャラリーのような雰囲気を目指しました」

昔ながらの日本家屋をギャラリーのような空間にするため仕切りをとってリビングを広くしたり、壁の色を白く塗ったり。キッチンを変えたり、もとからあった食器棚に雰囲気を合わせて扉つきの靴箱を作ったりと、半年くらいかけてリフォームしました。

リビングの一角に設けられた仕事用スペースはガラス窓を入れて、プライベートは保たれつつ開放感があります。

矢野さん:
「半年に1回、オープンショールームを行なっています。

生活をそのまま見てもらうことで商品を使うイメージが湧くこともあるでしょうし、おもしろいと思っているんです。

近隣に何があるわけでもないのに、回数を重ねるうちにたくさんの方にお越しいただけるようになって、うれしいですね」

 

夫婦で暮らせるピンクを取り入れたインテリア

この家をリフォームするにあたり、一番のチャレンジは、それまでインテリアには封印していたピンクを取り入れたこと。

前職でお店に立っている頃からピンクの服をよく着ていて、矢野さんといえばピンクというイメージがあるくらいピンク好きなのです。

矢野さん:
「夫も巻き込むことになるので、インテリアにピンクを使うのは遠慮していたんです。

でも、家は自分そのものだし、オープンショールームにして暮らしを見てもらうのだから、ピンクにしてみよう、と。

夫に話したら、いいね、と。今まで遠慮していたのがなんだったんだ、と拍子抜けしました(笑)」

とはいえ、ラブリーになりすぎずシャープな空気感を出すためには、工夫もしたそう。

第2話では、そもそもなぜピンクが好きなの?という根本的な問いから、落ち着くピンクの選び方など、好きを上手に暮らしに取り入れるヒントを伺います。

 

【写真】滝沢育絵

 

もくじ

 

矢野悦子

H.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)が展開するセレクトショップ『Lamp harajuku(ランプ・ハラジュク)』の立ち上げから21年間ディレクターを務めたのち独立。2022年からセレクトショップ『September Poetry(セプテンバー・ポエトリー)』を主宰し、美しくユーモアのあるものを紹介している。https://september.theshop.jp


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