【自分らしい住まいの作り方】第2話:はためを気にするより、自分のウキウキを大切に。ピンクが主役のインテリア。

ライター 長谷川未緒

そこに住まう人らしさが伝わってくる家は、足を踏み入れた瞬間からワクワクします。

特集「自分らしい住まいの作り方」では、自分らしくいられて落ち着く、居心地が良い空間を作るヒントを探るべく、矢野悦子(やの えつこ)さんがご夫婦で暮らす、葉山のご自宅兼アトリエを訪ねました。

矢野さんはH.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)が展開するセレクトショップ『Lamp harajuku(ランプ・ハラジュク)』の立ち上げから21年間ディレクターを務めたのち独立。2022年からご自身のセレクトショップ『September Poetry(セプテンバー・ポエトリー)』のオーナーを務め、美しくユーモアのあるものを紹介しています。

そんな矢野さんのお住まいは、自分軸があって、ほどよく力の抜けたインテリアでした。

第1話では、東京から葉山に越してきたきっかけや、ギャラリーをイメージしたというリノベーションの様子などを伺いました。続く第2話では、ずっと好きだったピンクをインテリアに解禁した話を中心にお聞きします。

1話からよむ

 

大人のインテリアにピンクを足す方法

矢野さんはこのあいだまで、髪色もピンクに染めていたほど、大のピンク好き。とはいえ、インテリアにピンクを取り入れることは控えていたそう。

矢野さん:
「ラブリーになりすぎるような気がしていましたし、夫に対する遠慮もありました。

でも今回、この家をリフォームするにあたっては、ピンクを取り入れてみようと(笑)。夫も、『いいね』と言ってくれたので」

甘くなりすぎないように、壁は白にしてシャープで清潔感のあるギャラリーのような雰囲気に。そしてオープンスペースとプライベートスペースを仕切る扉や、仕事スペースの壁など一部をピンク色にしました。

矢野さん:
「どのピンクにするか、色を選ぶ作業はとても楽しかったです。同じ色でも組み合わせによって甘くなるので、寝室の扉はグリーンを使って甘さを中和したり」

仕事スペースの一面は、ウィリアム・モリスの壁紙でポピーの花のピンク色が効いています。

じつはトイレも同じ壁紙。トイレに飾ろうと思っていた絵と壁紙の空気感が似ていると感じて、こちらの壁紙を先に選んだのだとか。

トイレットペーパーまでピンクで、見つけたときは「やった!」と思ったそう。

家具や小物もピンクを多用していて、洋服と同じような考え方で選んだといいます。

矢野さん:
「私は全身ピンクコーデにすることもあって、大きなスペースは淡いピンクに、小物はビビッドなピンクを取り入れることが多いんですね」

インテリアも、ソファーはグレーピンクに、ダイニングテーブルは淡いピンクにするなど、大きな面になる家具は彩度の低いくすんだピンクに。ピンポイントでアクセントとなる雑貨などは、彩度の高いピンクを選んでいます。たとえば仕事スペースの天井に吊り下げているペーパーフラワーなどですね」

取り入れ方や選び方にそんな工夫があるおかげか、ピンクといっても大人の雰囲気で、落ち着いて過ごせます。

ところで、矢野さんといえばピンクと自他ともに認められる軸は、どのように見つけたのでしょうか。

 

本当に好きなものにたどり着くまで

矢野さん:
「20代で原宿にある路面店のディレクションを任されたときにオリジナルコンセプトをどうするか考えたんです。

自分は何が好きだったのか? 何を表現したいのか? その過程で、自分の原風景を探しました。物心ついた頃を思い出す作業です。

20代ともなると、世間の価値観の影響を受けてしまっていますが、子どもの頃は人目を気にせずまっさらな状態です。私はフリルとかピンクとか、少女っぽい感じが好きだったことを思い出したんです」

本当に好きなものを再確認したことで、自分軸ができたという矢野さん。

矢野さん:
「たまに飽きたり、ピンクだけだと思うなよという気分になることも(笑)。でも居心地が悪くないのだから、それでいいんじゃないかな、と。

大人なのにピンク?と思われるようなことがあっても、主観が大事ですよね。かわいい!と自分がウキウキすることを大切にしています」

 

家は自分のものだから、唯一無二の自分らしさを大切に

好きなピンクを取り入れるなど、自分らしさをインテリアでも表現している矢野さん。そうはいっても、ぶれてしまうことはないのでしょうか。

矢野さん:
「白と黒と木とか、ワントーンとか、色が統一された家にあこがれるんですよ。

雑多なものがあふれた家も素敵だなと思いますね。世田谷の羽根木にあるギャラリーショップ『Out of museum』さんとか、モノに圧倒されるんです。モノがおそいかかってくるようで(笑)。民族系のものとかとても洗練されていて、素敵なんですけれど、でも私じゃないな、と。

あこがれるけれど、私の家には合わないなと思ってあきらめるというか、選ばないんですよね」

矢野さん:
「お店をやっていると、『もっとこういうのを置いたら?』とか言われて葛藤することもあるのですけれど、唯一無二であるためには、やっぱり自分軸が大切かな、と。

家も自分のものだから、周りからの影響や刷り込みのない、素の自分が好きだったものを掘り返して思い出し、インテリアに取り入れてみると、自分らしい家になっていくのかな、と思っています」

迷ったり悩んだりしていると、外に答えを見つけようとしがち。ですが、いったん立ち止まって、子どもの頃、好きだったものを思い出すようにしてみると、案外答えは自分の中にあるのかもしれません。

続く第3話では、小物の飾り方や、アート作品の取り入れ方など、インテリアをランクアップするヒントを伺います。

 

【写真】滝沢育絵

 

もくじ

 

矢野悦子

H.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)が展開するセレクトショップ『Lamp harajuku(ランプ・ハラジュク)』の立ち上げから21年間ディレクターを務めたのち独立。2022年からセレクトショップ『September Poetry(セプテンバー・ポエトリー)』を主宰し、美しくユーモアのあるものを紹介している。https://september.theshop.jp


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