【特集|その働きかたが知りたい。vol.3】第1話:日本仕事百貨 代表・ナカムラケンタさんに聞く、「あの頃のモヤモヤ」

編集スタッフ 津田

hatarakikata_nakamura_4(聞き手・文:スタッフ津田)

 

その「働きかた」が知りたい。

特集シリーズ「その『働きかた』が知りたい。」の第三弾、日本仕事百貨・ナカムラケンタさん編がはじまります。

過去に、当店のことやそこで働く私たちスタッフについてご紹介した「暮らしもしごと、しごとも暮らし。」という特集がありました。

このタイトルのとおり、人生のなかでも大きな時間を占める「働く」ということについて、とても興味がある私たち。

そこで、この特集シリーズでは、社外のいろいろな方にお会いして、その人の「仕事」や「働きかた」にフォーカスを当ててお話を聞いています。

※vol.1 齋藤紘良さん、vol.2 かもめブックスの柳下さん

 

日本仕事百貨の代表・ナカムラケンタさんに、お話を伺いました。

hatarakikata_nakamura_2

今回ご登場いただくのは、生きるように働く人のための求人サイト「日本仕事百貨」の代表・ナカムラケンタさん。

日本仕事百貨には、実際にそこで働いている人たちのインタビューを交えたたっぷりの文章と、職場の空気感をそのまま切り取ったような写真が添えられた、求人記事が掲載されています。

私たちクラシコムの人材募集でも、何度かお世話になったことがあるので、ご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんね。

個人的な感想ですが、転職先を探してなくても読みものとして楽しみに訪問してしまうようなところがあり、なんとなく、ほかの求人情報サイトと雰囲気が異なるなぁ、という印象。

ナカムラさんは、その日本仕事百貨の代表としてサイトの企画・運営をされつつ、自らも日本全国の様々な職場へ足をはこんで取材・執筆をされています。

hatarakikata_nakamura_20ナカムラさんの仕事道具のひとつ、取材や執筆で愛用しているペン

さまざまな働きかたを取材されてきたナカムラさんって、一体どんな働きかたをされているのだろう?

そんな私たちの興味から、今回ご登場いただくことになりました。

 

働きかたにまつわる「モヤモヤ」の話をしよう。

hatarakikata_nakamura_1

働きかた特集vol.3を担当したのは、私・スタッフ津田です。

ナカムラさんのお話をうかがう前に、恥ずかしながら私のモヤモヤ話もちょっとだけ…。

私は2年前に、外資系コンサルティング会社からクラシコムへ転職をしました。

丸6年勤めた前職では、マネージャーとして、国内や海外のクライアント先に常駐しながら、調達や生産管理などの業務標準化をすすめたり、さまざまな業務課題を解決するためのシステム導入をサポートしていました。

やりがいのある仕事を任せてもらえる面白さを感じる一方で「この仕事をずっと続けていけるのかな」「私が本当にやりたいことって何だろう」というモヤモヤした思いを抱えていたんです。

好きだった料理をする回数が減っていく。読みたい本や雑誌は部屋の片隅に積み上げられたまま。観たいと思っていた映画は気が付いたら上映が終了に。

そんなモヤモヤから自分の暮らしと仕事の距離をもっと近づけたいと思い、仕事を変える決意をしたのでした。

クラシコムに入って約2年が経ちますが、半年ほど前に部署異動を経験したこともあり、いまもまだどこかで「自分らしい働きかた」を模索中のような気がします。

ナカムラさんも、働きかたでモヤモヤとしていたことってあるのでしょうか?

 

モヤモヤしすぎて週6日バーに通っていました。(ナカムラさん)

hatarakikata_nakamura_3

ナカムラさん(以下敬称略):
「僕の両親は転勤族で、いわゆる地元というものがないんです。

だから、ずっと『自分の居場所をつくりたい』という思いがあって、もともとは建築家を目指していました。

でも、大学で建築の勉強をするうちに、建築家は何をつくるか考える仕事というより、依頼を受けてそれをカタチにする仕事だと気づいて。

僕は『自分で場をつくりたい』という思いがあったので、何をつくるかというところから関わりたかった。

それで周りの人たちに相談して、新卒のときは不動産会社に就職しました」

 

自分にとって居心地のいい場所をつくりたい、あるいは見つけたい、という思いは、もしかすると多くの人が共感できるモヤモヤのひとつかもしれません。

 

ナカムラ:
「新卒で入社した不動産会社では、不良債権の処理や、商業施設の開発、ビルのエネルギーコストを下げるプロジェクトなど、いろんなことを担当させてもらいました。

建築デザインだけでなく、お金のことや法律のことなど、いろいろと勉強することができて面白かったんですけど、数年ほど勤めたときに、だんだんとまたモヤモヤしてきてしまって。

あまりにモヤモヤしすぎて、気がついたら週6で家の近所にあるバーに通っていました」

 

モヤモヤから生まれた日本仕事百貨。

hatarakikata_nakamura_18↑インタビュー場所のリトルトーキョー内にあるナカムラさんが立ち上げたバー

「自分の居場所をつくりたい」との思いから、新卒で不動産会社に就職したものの、仕事を続けるなかでなんとなくモヤモヤしたものを抱えていたというナカムラさん。

あまりにモヤモヤしすぎて週6日(!)も、家の近所のバーに通っていたそうなんですが、そこから日本仕事百貨の立ち上げに至ったワケを聞いてみました。

 

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ナカムラ:
「お酒が強いワケじゃないし、お金もかかるのに、なんで自分は週に6日も、このバーに通うのかなって考えたんです。

食事やお酒がおいしいというのもあるし、内装や雰囲気がいいというのもある。

でも、よくよく考えてみると、そういうのって全部『人』が作りあげたものなんですよね。

そこから、『人と場を結びつける』ということに興味を持ちました。

その場所に合った人をきちんと結びつけることができれば、その『人』は生き生きと働けるだろうし、生き生きと働いている人がいる『場所』は、結果的にいい場所になるだろうなって。

それで不動産会社は辞めて、独立して自分で求人サイトを立ち上げました」

 

学生時代から一貫して「場をつくる」ということに興味があったからこそ、自分自身が居心地よくいられる、そのバーの魅力を自分なりに追求していったんですね。

そこでたどり着いた「人と場を結びつけたい」という思いが、求人サイト「日本仕事百貨」の立ち上げに繋がっていました。

hatarakikata_nakamura_15↑ナカムラさんの仕事道具のひとつ、愛用しているMac Book Air

 

***************

社会人になって2〜3年目ごろのこと。

少しずつ任される仕事も増え、仕事のやりがいや面白さを感じる一方で、何かモヤモヤするものを胸に抱えていた、というナカムラさんのお話。

私もそうだったな〜、と強く共感してしまいました。

では、週に6日もバーに通うほど(!)モヤモヤを抱えていたというナカムラさんが、自らの手で立ち上げた日本仕事百貨って、一体どのように作られているんでしょうか?

第2話では、そのあたりのお話を詳しく伺っていきたいと思います。どうぞお楽しみに!

 

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もくじ


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