【コンディションづくり】senkiya・高橋夫妻 後編「 家族のグッドコンディション、秘密は味噌汁と子どもの笑顔を保つモノえらび」
ライター 片田理恵
写真 馬場わかな
「senkiya」高橋一家のグッドコンディションの作り方。
植木の町として知られる埼玉県・川口市。この町に「senkiya」という場所があります。コーヒーを飲んで、食事をして、雑貨や植物を買い、ギャラリーで展示を楽しむ。そのすべてが叶う場所。
「senkiya」を営みながら子育てに奮闘する高橋秀之さんと雅子さん夫妻に、一家のコンディションづくりについて話を伺いました。後編ではいつも笑顔が絶えない高橋家のグッドコンディションの秘密に迫ります。
朝ごはんで笑顔と元気をチャージする
高橋家は夫妻と5歳の長男、2歳の次男の4人暮らし。家族全員がそろう朝ごはんの時間は大切で楽しみなひとときだといいます。
支度をするのは妻の雅子さん。基本的に「ごはん党」で、子どもたちが大好きな味噌汁は毎朝必ず作るそう。納豆、ヨーグルトなどの発酵食品もよく食卓に上ります。
雅子さん:
「献立のヒントはsenkiyaでごはんを作ってくれる料理家さんたちから得ることが多いです。味付けの仕方、野菜の切り方、下ごしらえ。作業をしているところを見られるし、それを味わうこともできるから、その都度コミュニケーションをとるのがすごく楽しいんです。それが我が家の食卓にもいい影響をもたらしてくれていると思っています」
毎朝必ず作るのは、味噌汁
セロリと舞茸の味噌汁。セロリを入れるという発想も料理家さんに教わったものだそう。
雅子さん:
「最初に食べた時、これ何の野菜?って。それまで食べていたセロリとは味も食感も違っていて、おいしさに驚きました。生では食べない子どもたちもこれにはだまされてパクパク食べています(笑)」
ひとさじのマヌカハニーを習慣に
友人からのプレゼントで出会ったマヌカハニー。
濃厚な味わいが気に入って、その後は同じものを購入して食べるのが習慣になっているそう。ヨーグルトにかけたり、お茶に混ぜたりと気分次第でアレンジを楽しみつつ、朝晩にスプーンひとさじずつ摂取しているのだとか。
作り手の顔が見えるおいしいパン
senkiyaにはさまざまなパン屋さんが出入りしています。そのため「ごはん党」の高橋家の食卓にも、時には焼きたて作り立てのパンが登場。
雅子さん:
「顔が見える関係の人から手作りのものを購入できるって嬉しいですよね。どの方のパンも安心して子どもに食べさせられるし、そのうえとってもおいしいんです。温め方や保存の仕方なんかも教えてもらえるので、ますます助かっています」
子どもたちのテンションをUPさせるモノ選び
毎日の暮らしの中で夫婦が大事にしているもの。それはふたりの子どもたちの笑顔です。子どもたちが楽しく笑顔で過ごせるようにすることと、親である自分たちが好きな世界観の中で心地よく日々を送ること。
モノ選びひとつとっても妥協しない、そのバランス感覚が高橋家のグッドコンディションを支える背骨になっているようです。
大人も子どもも一緒に楽しめる音楽
テレビを持たずに暮らす高橋家では、音楽がとても大切な存在。車の中ではみんなで大きな声で合唱して気分を盛り上げます。
急いでいるのに子どもたちがなかなか着替えてくれない!なんて時には「この曲が終わるまでに脱ぐぞ!!」と声をかけながら遊び感覚で支度を促すことも。COINN、ノノホとコーセイなど、親子で一緒に聴いて楽しめるCDがお気に入り。
気持ちいい、かわいい、手ぬぐいライフ
高橋家にはバスタオル以外のタオルはありません。その代わり、カラフルでかわいらしいたくさんの手ぬぐいが家のそこここにかかっています。これは乗り物が大好きな息子たちもお気に入りの重機柄。
乾きが早く、季節感を気軽に出せる点も手ぬぐいライフのいいところ。食卓の台拭き、洗面所の手拭き、浴室では体を洗い、ハンカチとしてバッグに常備。
吊るすタイプの植物なら子育て中も安心
senkiyaの敷地内にある「greenshare」で購入したというハンギングタイプの水苔。苔の中から別の植物が葉を伸ばし、表面の半分近くを覆っています。共存する強さと美しさをさりげなく飾って世話をするのが夫婦の楽しみ。
子どもたちの手の届かない高さにしつらえておけば、間違って口に入れてしまったり、ひっくり返して壊すなどの心配もありません。
senkiyaという働き方、遊び方、暮らし方
senkiyaのすぐそばには「川口新町」という交差点があります。けれど実はこの名前、辺りの地名ではないのだそう。だったらそれをエリアの名前にしよう、と秀之さんの新たなプロジェクト「KAWAGUCHI SHINMACHI」が始まりました。川口の新しい町を作るーーそれはまさにsenkiyaが実践している取り組みそのもの。
秀之さん:
「川口新町を真ん中にした地図を作りたいんです。ここを座標軸の中心にするからこそ見えるものがきっとある。この町をもっとおもしろくしたいし、僕らもおもしろがりたいから」。
秀之さん:
「今年は町会に入ろうと思ってるんです。この辺りにある、今は使われていない空き家を使わせてもらえないか、町のために有効活用できないか、相談してみたいと考えていて。KAWAGUCHI SHINMACHIをもっと魅力的な、もっとおもしろい場所にしたいんですよ。
そのためにはこれまで父親と話をしてきたように、地元に長く住んでいる父親世代の人たちともっと交流していきたい。ゴミ拾いをやったり、祭りをやったり、一緒に活動しながら僕らのやりたいことをわかってもらえるようにコミュニケーションをとっていきたいですね。カフェに野良着のまま来てコーヒーを飲んでもらえるような関係になれたらいいなぁ」
これまでに属してきた幼稚園、学校、会社、そのすべての場所が大好きだったという秀之さん。「卒業とか退職とか、その場所を離れる時はいつも泣いてましたね」と笑う夫に、妻の雅子さんはやさしく寄り添います。
雅子さん:
「彼にはオンとオフがないんです。仕事もプライベートも全部つながっていて、全部楽しめる。休みの日も1回はお店に来ないと落ち着かないみたいで」
ゆるぎない大好きが詰まった「senkiya」での日々を過ごすこと。これまでも、これからも。前向きに考え行動する心と体を維持するため、ふたりは支え合い、話し合って進んでいきます。
この日始めて「senkiya」を訪れたクラシコムの編集・津田。取材を終えて彼女が口にしたひと言が、この場所の一番素敵な魅力を物語っていました。それは「senkiya自体が訪れた私たちのコンディションを整えてくれる場所なんですね」ということ。
“いい感じ”の自分のまま家に帰れる場所。行ってよかったな、また行きたいなと思う場所。「senkiya」で出会えるのは、日々の慌ただしさに紛れて見失いがちだった自分自身でもあるのかもしれません。
(おわり)
「senkiya」高橋秀之さん・雅子さん
家業である植木屋「千木屋」を夫婦で「senkiya」に。現在もこの一軒家を改装しながら、カフェ&雑貨店をオープンしている。さまざまなクリエイターが集う「KAWAGUCHI SHINMACHI」として地域を活性化すべく奔走中。http://www.senkiya.com
ライター 片田理恵
編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。
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