【いい眺めのつくり方】第1話:83㎡ → 58㎡の部屋に引越し。軽トラ1台分のモノを手放して(洲脇佑美さん)

編集スタッフ 須賀

好きなものに囲まれた暮らしに憧れます。

でも生活に必要なものって、素敵かどうかだけでは選べないときもありますし、自分の部屋ひとつとっても、完璧に満足のいく空間かと言われるとそうではありません。いつの間にか「そういうものよね」とごく自然に受け入れていたんです。

そんなあるとき、インテリアスタイリストの洲脇佑美さんが引越しを機に持ち物を見直し、軽トラ1台分の私物を手放したという記事を見かけました。

大規模な片付けの話に興味を持つとともに、洲脇さんの、自分で自分の暮らす場を心地よいものにする姿勢に希望をもらい、ご自宅を訪ねて詳しくお話を伺いました。

第1話では、今のお部屋に引っ越すまでの経緯や、それに伴い沢山の持ち物を手放したときのお話を伺います。



日当たりは写真確認。その場ですぐに決めました

洲脇さんが今のお部屋に越してきたのは2022年の冬のことです。その前に暮らしていたのは、83㎡ある2LDKの広々としたマンション。ただし3年半の期限付きでした。

洲脇さん:
「とても気に入っていたのですが、仕事でインドに行っていたオーナーさんが戻ってくるため3年半で引っ越さなければいけなくて。

そこもずいぶん探してやっと見つけたので、これ以上の部屋はなかなか見つからないだろうと思い、住み始めた頃から次を探し始めました。結果、今の部屋に出うまで約3年かかりましたね」

洲脇さん:
「いくつかの物件サイトを毎日チェックしていた中で、この部屋が掲載されているのを見つけてすぐに連絡を取りました。

その時期仕事が忙しくどうしても日中は見に行けなかったので、夜7時くらいに暗いなか内見をして。私の前にも内見している人がいたので、日当たりなどはもう写真確認で、その場ですぐに決めました」

▲キッチンの棚の取手などちょっとしたデザインにもこだわりが見えます

洲脇さん:
「私、床と壁の素材や扉のデザインなど、ディテールの部分がどうしても気になってしまうんですよね。

特にキッチン。きちんとしたフローリングに白い壁さえあれば、あとは自分の工夫でどうにかできるので、他は何もなくていいのですが、案外シンプルなデザインがなかったりして。

この部屋は床の質感や棚の取手のデザインなど、細かな部分がどこも素敵で気に入りました。

あとは自分がここで暮らしている想像ができたことも決め手になりましたね。お部屋を見たときに、手持ちのあの家具をここにおいて……というふうに頭の中でイメージができたんです。

当時住んでいたマンションの退去期限が2022年2月末だったのですが、ここを内見したのは1月中旬。本当にギリギリでした」


= 洲脇さん宅 レイアウト =
▲築26年、約57㎡の1LDKマンション。約13帖のリビングダイニングと6帖の寝室がある




軽トラック1台分のモノを手放して

ひと目で気に入った部屋でしたが、広さは83㎡ → 58㎡と以前の家に比べるとコンパクトに。そのため引越しに伴い、大幅に持ち物を減らしたのだとか。

洲脇さん:
前のマンションは広くて収納も沢山あったため、スタイリングの仕事で使う布や棚板など、小道具をどんどん買い込んでしまって。引越しの荷物が、2トン車×2台半分になってしまいました。

退去するまでに整理する時間がなかったので一旦全て運び込みましたが、もう家の中がとんでもないことに。ダンボールが天井まで積み上がって、横歩きしかできないような状態でした」

そんななか仕事の忙しい時期も重なって、1ヶ月以上ダンボールでいっぱいの部屋で生活したそう。

洲脇さん:
「仕事がひと段落すると、今度はひたすら段ボールを開ける日々。まずは家具の配置を決めて、収まらない分はどんどん手放していきました。

主に整理したのは、仕事部屋に収納していたスタイリング用の小道具類です。まるまる1部屋分狭くなったので、住んでいた3年半でほとんど出番がなかった布や棚板を大量に手放したら、軽トラ1台分になりました。

自分で色を塗った家具は知人に譲る、服・本・かご類はフリーマーケットに出すなど、思い入れのあるものは処分ではなく次の人に渡すようにしました」



収納場所が限られているから……

多くのものを手放し、すっきりと片付いているように見えますが「実は色々と "苦肉の策" 作戦でやりくりしているんですよ」と洲脇さん

洲脇さん:
「例えば本は、本棚を置くスペースがないので寝室の前に重ねて積み上げています。増えすぎると崩れ落ちてしまうので、自然とちょうどいい量を保てるんです。

表紙が素敵な本はインテリアとしても飾っていますね」

洲脇さん:
「キッチン横の大きなテーブルは、造り付けのもので動かせません。

でもダイニングテーブルは自分のものを使いたかったので、これはもう思いきってディスプレイ台に。これだけ大きなテーブルだから、植物を置くのにちょうどいいなと思って、年中大きなグリーンを飾っています。

白いクロスを目隠しがわり使って、下には仕事で使う布類を収納。この家は収納スペースが少ないので、こういった工夫でやりくりしています



いい眺めをつくりたい

洲脇さん:
「小学生の頃から、自分の部屋をよく模様替えしていました。家具の配置を変えるだけで、いつもの空間が新しい部屋になるのが楽しくって。

家具はまだ持てなかったので、床を引きずって移動させていました(笑)ホームセンターも大好きでしたね。

今も、好きなことがそのまま仕事になったような感覚です。

インテリアスタイリストという職業柄、"空間の見た目を心地よく整える" ことにはこだわりがある方。今でも目に見えるところには、なるべく好きなものや気に入っているものだけを置くようにしているんです

お部屋に気になるものが沢山あって、取材中もついこれはどちらのものですか?と色々訊ねてしまったのですが、そのたびに作り手の方やその良さについて教えてくれた洲脇さん。

そんなふうに自分の「好き」でできた空間は、そこで過ごす時間も満たされたものにしてくれるのだと感じました。

続く第2話では、洲脇さんの家具選びや収納のコツについて伺います。


写真:上原朋也


目次

第1話(12月2日)
83㎡ → 58㎡の部屋に引越し。軽トラ1台分のモノを手放して(洲脇佑美さん)

第2話(12月3日)
見た目を整えてから、ものの住所を決めてみる。インテリアスタイリストの家づくり

第3話(12月4日)
片付けの前にしていること、寝室をちょっと素敵にするには? 5つの工夫を聞きました

洲脇 佑美

インテリアスタイリスト。大阪芸術大学空間デザインコース卒業後、インテリアショップの店長を務め、アシスタントを経て現在はフリーのスタイリストとして雑誌・カタログ・広告等を手掛けている。

Instagram: @suwaq


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