【あのひとの子育て】「シンシア・ガーデン」代表 杉谷惠美さん〈後編〉子どもの前で「疲れた」を言わないために。
ライター 藤沢あかり
コスメや食を通して、オーガニックを広く伝える「シンシア・ガーデン」の代表として、そして4歳と5歳の年子の男の子の母親として、日々まい進する杉谷惠美 (すぎたに えみ) さんに、子どもたちとの暮らしについてお伺いしています。
忙しい中でもポジティブ思考と、“自分の身体の声をきく” ことを大切にしている杉谷さん。どんなふうにセルフケアや、リフレッシュの時間を過ごしているのでしょうか。
子どもの前で「疲れた」と言わないために
杉谷さん:
「仕事に入れば仕事に120%集中したい。そのかわり、子どもといるときは、120%子どものことしか考えないようにしています。子どもたちに悪いな、と思いながら仕事をするのは、子どもにも仕事にも申し訳ないことだと思うんです。
仕事でイキイキとしている母親の姿を見てほしいし、将来、ママが働いていてよかったと思ってもらえたらしあわせ。
だから、子どもの前では絶対に 『疲れた』 と言いません。これは私の中でルールとして決めました」
とはいえ、日々仕事をする中ではストレスを抱えることも多いはず。子育てだって、思わぬ壁にぶつかることもあるでしょう。
杉谷さんのリフレッシュ方法は気になるところです。
杉谷さん:
「仕事柄、自分自身と向き合うセルフメディケーション(自分の身体を気にかけ、軽い不調であれば自分で手当てすること)を心がけています。疲れやストレスは、その日その日で小まめに解消して整えるように気をつけていますね」
バッグの中にはいつも、リラックスグッズを忍ばせて
▲持ち物はとてもシンプル。大判の手帳は『スマイソン』。仕事のアポイント予定から子ども2人のスケジュール、ちょっとしたアイディアメモまで、これ一冊に集約しています。
そんな普段の杉谷さんのバッグの中身を拝見しました。
なるほど、お財布や手帳などの定番持ち物に加えて、気づいたときに使えるケアアイテムを潜ませています。
杉谷さん:
「ケアグッズは、子どもも使えるものを中心に持ち歩いています。特に親子で一緒に使える除菌ハンドジェルは、必ず入っていますね。
そして自分のリラックスできる香りを。『SHIGETA』 のオイルなら、軽い香水代わりになったり、ちょっと疲れたなと感じたときに、簡単にヘッドマッサージをしてみたり。
エアスプレーは、デスクや会議室、車の中、旅先のホテルなど、とにかくどこでも使っています。自分の心が落ち着ける香りを選ぶと、それだけで手軽にリフレッシュできますよ」
▲(左から)『SHIGETA』のブレンドエッセンシャルオイル “ゴールデンドロップス”。ローズやゼラニウムなどをブレンドしたスキンオイル。『MY HABIT(マイハビット)』100%天然由来成分のハンドジェル。『SOLUA(ソルーナ)』のエネルギースプレーは、リラクゼーションや安眠を誘うリフレッシュエアスプレー。
寝かしつけた後は、ひとり時間をつくる
杉谷さん:
「お風呂に入る時間も大切にしています。子ども2人をお風呂に入れるって、結構重労働ですよね。ようやく最近、子どもを寝かしつけてからもう一度ひとりでお風呂につかる余裕ができてきたところです。
それから全身に使えるスキンラスタークリームなどを使って、経絡に沿ってマッサージをしたり、マッサージをしています。といっても、お風呂上がりの2~3分程度、気が向いたときに少しでもやるというくらいですが」
▲(左から)『NEROLOLA botanica(ネロリラボタニカ)』のブルーミングシャワー。奈良のごろごろ水にジャパニーズネロリなどの花々の香りを添えた、全身用化粧水。オーストラリアンワイルドフラワーエッセンス『Janark(ジャナーク)』のスキンラスタークリームと、お風呂に入れて使えるリリースバスA。
杉谷さん:
「お茶を飲む時間も小さな贅沢です。
お気に入りのカップを使って、好きなお茶を飲むとホッとできます。寝る前の30分~1時間は、手帳や好きな雑誌を開いてひとりになる時間をもつようにしているんです。
朝夕は子どもたちと、仕事も人と話すことがメインなので、自分と向き合う時間を意識的にとっています」
▲ハーブをオリジナルでブレンドした『五行茶』。杉谷さんはウーロン茶にラベンダーやローズを配合した、不安を解消し安眠を誘うといわれる“火”を愛飲しています。お供のカップは5年程使い続けているという“アスティエ・ド・ヴィラッド”のもの。
お風呂より睡眠を優先する日も。やると決めたことに縛られないで
暮らしにちょっと香りを取り入れる。お風呂のあとは2~3分のマッサージ。それから好きなお茶を楽しむ。
どれも、気軽に取りいれられそうなことばかりです。けれどそんな小さな心がけのひとつひとつが、区切りなく流れていく慌ただしい日常の中に、そっと句読点を打ってくれるに違いありません。
杉谷さん:
「でも毎日やると決め込んだり、無理してしまうと続かないんですよね。つらいと思いながら続けても、それはストレスになってしまいます。自分に合っている方法で、心地よくストレスなく続けられることが大切だと思っています。
お風呂の時間が大切だといっても、夜遅くに帰宅して、無理して入るくらいならシャワーで済ませることも。そのとき、今の自分は “睡眠” と “身体をゆっくり温めること” 、どちらが心地いいと思えることなのか? 少しだけ立ち止まって身体の声に耳を傾けてみるんです。
身体が気持ちいい方へなびいていけば、ストレスは少しずつ減らせる気がします」
▲『川瀬敏郎 一日一花(川瀬敏郎著)』本を読んでから、自宅には花を欠かさないようにしているそう。これも、自然にエネルギーをもらいながら、日常にリラックス感をもたらす大切なエッセンスのひとつ。
杉谷さん:
「もちろん、忙しいときは鏡を見ることもなく一日を終えることだってありますし、読み聞かせしながらの寝落ちもしょっちゅう。男の子2人と暮らしていると、部屋の中はお見せできないくらいめちゃくちゃに散らかってしまうのも日常です。
でも、それが続くと気が滅入ってしまいます。
だからそのために早起きをして、子どもと一緒に片づけられる余裕を持ってから家を出る。それだけでも、帰宅したときの気持ちは全然変わってきました。まあ、すぐにまた散らかっちゃうんですけれど(笑)」
子育てと仕事、両方に全力で取り組みながら、手探りで見つけてきた杉谷さん流の過ごし方。ときには途方に暮れて落ち込んだり、涙を流してしまったり。
でも、「そのまま放っておいてもなにも解決しません」。そんな杉谷さんの言葉が、とても印象的でした。
ガイドや指南書はたくさんあれど、100人いれば100通りあるのが子育て。我が子と自分との向き合い方は、誰かに教わるものではありません。
杉谷さんいわく、「海を見に行くことで自分がリフレッシュできるなら、それがその人のマイオーガニック」。
そんな自分に合ったオーガニックライフを見つけることと同じように、杉谷さんは子どもたちとも唯一無二の ”私らしい” 関係を築いている途中。そうしながら日々を重ね、「お母さん」 になっていっていくのかもしれませんね。
(おわり)
【写真】木村文平
杉谷惠美
東京・表参道の 「シンシア・ガーデン」 代表。店内は、1階と地下にスパ&ショップが、2階にはベジタリアンメニューにこだわったカフェが入っており、日々の自分を整えるライフスタイルをリードする存在となっている。プライベートでは4、5歳の男の子を育てるママ。日曜日になると千葉にあるオーガニック農園で一緒に畑仕事をし、収穫した野菜を料理して一緒にテーブルを囲む、というのがお決まりの過ごし方だそう。http://www.sincere-garden.com/
ライター 藤沢あかり
編集者、ライター。大学卒業後、文房具や雑貨の商品企画を経て、雑貨・インテリア誌の編集者に。出産を機にフリーとなり、現在はインテリアや雑貨、子育てや食など暮らしまわりの記事やインタビューを中心に編集・執筆を手がける。執筆媒体は「PLUS1 LIVING」「ONKUL」「tocotoco」「Hanakoママ」など。
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