【暮らし上手の収納術】第2話:たくさんの洋服をどうしまう?すべてが一軍のクローゼット収納
ライター 藤沢あかり
物が多くても美しく収納し、大好きなアイテムに囲まれて暮らしたい。
そんな気持ちを叶える特集 「暮らし上手の収納術」 をお届けしています。
伺ったのは、「お買い物が大好き!とにかくモノが多く収集癖もある」 と話す大塚彩さんのご自宅。千葉県の郊外で、夫婦2人で暮らしています。
2話目の今回は、たくさんある洋服を選ぶ時間がもっと楽しみになる、クローゼットの収納をお届けします。
第2話
クローゼット編
すべてが1軍! 衣替えいらずの収納術
メインの洋服は「ハンガーで吊り下げ」が基本スタイル。
ファッションECサイトの運営会社で働く大塚さん夫妻。もちろん2人とも洋服が大好きで、その数はかなりのものです。
上の写真は、IKEAの突っ張りラックに、無印良品のポリプロピレンケースを組み合わせたもの。
大塚さん:
「夫とのスペースは、奥と手前とでちょうど半分ずつ。
春夏~秋冬とざっくり分けながら、ハンガーにかけられる物は吊るして収納しています。こうしておくとアイテムすべてがひと目で見渡せるので、手持ちの服をきちんと把握できるんです。
洗濯したあとかけるだけだから、時短にも。共働きなので、ちょっとでもラクしたいですよね」
その向かい側にあるのは、コートなどをかけた秋冬メインのエリア。
スチールラックにIKEAのワイヤーバスケットワゴンを組み合わせました。
スチールラックは頑丈なうえ、組み込みたい収納アイテムに合わせて高さを調整できるので、すっきりと収まるのだとか。
ワゴンの中は、ニットキャップやマフラー、バッグといったファッション小物を中心に収納していました。
生活感をシャットアウトする、ラべリングのテクニック。
無印良品にIKEAのアイテム。
どれも人気の定番アイテムなのに、大塚さんのクローゼットはなぜかひと味違って見えます。
その秘密は、センスのいい「ラべリング」と、「色や柄のシャットアウト」にありました。
収納の中身は、ラベルメーカーを使い分け、すっきりとしたモノトーンでラべリング。
右側のちょうちょは、ミナペルホネンの、壁に貼ってはがせるインテリアステッカーだそう。
実はどちらのケースにも、中身を見えづらくする工夫がされていました。
大塚さん:
「中が見えてしまうと、色や柄があふれて雑多な感じになってしまうのが気になって。画用紙をサイズに合わせてカットし、テープのりで留めています」
ちょっとした工夫ですが、たくさんケースが並ぶクローゼットはたちまちスッキリ。
モノトーンのラベルもよく映えます。
こちらのワゴンも同様に、ラべリングを兼ねて中身が見えないひと手間がありました。
大塚さん:
「カットしたベニヤ板に黒板塗料を塗り、水で消せるタイプの白いマーカーで中身を書いています。板には四隅に穴をあけ、ひもで留めました」
収納スペースはむだなく使いきる。
スチールラックの上には、ゲスト用のまくらやエアーマット、シーズンオフのブランケットなどを収納。
大塚さん:
「奥行き、高さなど、天井までのスペースにぴったりとはまるものを吟味しました。
物が多くてもすっきりと見せるには、サイズ選びはとても重要だと思っています。天井までめいっぱい空間を使えると、やった!と嬉しくなりますね(笑)」
取り出しやすく、しまいやすい工夫。
引き出し収納の中は、仕切りを使ってTシャツやカットソーなどをしまっています。
この仕切りにも、よく見ると小さなひと手間が。
大塚さん:
「市販の仕切りは、柔らかい素材のものが多く、出し入れの際に倒れたりたわんだりすることも。
板で仕切りをつくってみたら、出し入れがぐんとストレスフリーになりました」
揃いのボックスを重ねて簡易収納に。
▲シーズンごとのテキスタイルがかわいいお気に入りのミナペルホネンのエッグバッグは、壁を使って見せる収納に。
入口そばの壁面には、Fellowesのバンカーズボックスをずらりと並べてありました。
大塚さん:
「ここは、かさばるシーズンオフのものや、毛玉取りといった洋服のお手入れグッズなど、居場所を作りにくいアイテムをざっくりとしまうスペースです」
そしてバンカーズボックスの上には、お揃いのファイルボックスを。
オリジナルのFellowesラベルを付けてアクセントにしています。
大塚さん:
「ここには、型崩れが気になるものを中心に、冠婚葬祭に使う小さなバッグやクラッチバッグなどをしまっています」
ワンアクションで取り出せるうえ、ひとつのケースに1~2点というシンプルさも、「探しやすい・取り出しやすい・しまいやすい」に繋がっているようです。
ランドリーグッズは、生活感をなくして寝室へ。
▲べッドは無印良品、ベッドリネンはHAY(ヘイ)。
お隣の寝室も拝見しました。
2階のベランダに面した寝室は、「眠る」ことに特化したシンプルな空間に仕上げています。
ベッドのすぐ脇が、普段、洗濯物を干すスペース。
1階の洗濯機から運んですぐ干せるように、ランドリーグッズはここにしまっています。
ハンガー類は、ファイルボックスで仕切りながら、蓋付きのバスケットへ。
絡まりやすいハンガーも、こうして立ててしまえばストレスがありません。
ピンチハンガーは、パリ土産のエコバッグにしまって物干しバーに掛けてありました。
大塚さん:
「平日は忙しいので、いかにラクできるかが重要。
だからベランダからウォークインクローゼットの間にある寝室が、洗濯物を干すスペースなんです。
とはいえ、ラクはしたいけれど生活感が出すぎるのも気になります。いかに簡単に、出しやすくしまいやすい状態で、生活感をなくすかはいつも考えています」
▲べッドサイドのランプとソファはミナペルホネン。
どんなに素敵な収納も、無理をしていては長く続けるのは難しい。
ほんの少しの引っ掛かりがハードルになり、面倒の連鎖で片づかない部屋に……ということは私にも身に覚えがあります。
小さな気づきをクリアにしながら手を動かして、「自分らしい収納のしくみ」を見つけていく。
大塚さんのクローゼットや寝室には、そんな工夫が随所にあふれていました。
次回は、家族やゲストが心地よく過ごせるパブリックな空間、リビングと水回りをお届けします。
(つづく)
【写真】木村文平
もくじ
大塚 彩
千葉県在住。郊外に、シンプルで住みよい「無印良品の家」を建て、夫と2匹の猫・ノノ&ココちゃんとともに暮らす。アパレルECサイトで働きながら、料理にお菓子作り、手芸、DIY……と趣味も多く、夫婦そろって大の洋服好き。休日には自宅へ人を招き、手料理をふるまうことも多い。
ライター 藤沢あかり
編集者、ライター。大学卒業後、文房具や雑貨の商品企画を経て、雑貨・インテリア誌の編集者に。出産を機にフリーとなり、現在はインテリアや雑貨、子育てや食など暮らしまわりの記事やインタビューを中心に編集・執筆を手がける。執筆媒体は「PLUS1 LIVING」「ONKUL」「tocotoco」「Hanakoママ」など。
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