私たちの常連店。

2017年11月21日(火)

【私たちの常連店】後編:心を満たしてくれるホテル。大切なものは、日常の中にありました。

編集スタッフ 齋藤 編集スタッフ 齋藤

当店のスタッフがつい通ってしまうお店を紹介する「私たちの常連店」。シリーズ第5弾の今回は、はじめてホテルを取り上げています。

鎌倉にあるそのホテルの名は、「aiaoi(アイアオイ)」。

鎌倉を訪れたその日、わたしはせっかくの旅行だからと予定をたくさん詰め込んでいました。けれどこのホテルに1泊し、朝目を覚ましてみれば、予定なんてどうでもいいなと思うようになっていたのです。

ホテルで過ごしただけなのに、どうしてそれで充分だと感じられたのでしょうか。

前編では、このホテルに出会った時のエピソードと、オーナーである小室(こむろ)夫婦がホテルをはじめたきっかけをご紹介しました。

後編では、わたしが実際に泊まったときの体験を通し、さらなる魅力にせまります。

 

出掛けたくなくなるくらい、気持ちの良いベッド

▲オーナーの剛(ごう)さん

満足感の秘密を知りたくて、オーナーのおふたりにこのホテルで大切にしていることを聞いてみました。すると、「家で気持ち良いと感じるもの」を基準に、すべて考えているとのこと。

例えばベッドのしつらえは、まるで家のように、空気を含ませふんわりとした形にしているそうです。

思い出してみれば、よくあるホテルのベッドは、ピシッとシワもなくきれいにシーツがかかっていることが多いのではないでしょうか。その雰囲気にはプロらしさが感じられ、非日常にドキドキしてしまうことも。

けれどもし家だとしたら、また違うように感じるのかもしれません。

家ではむしろ、まるでお母さんが敷いてくれた布団のように、ふかふかとしたベッドであって欲しい。そこから醸し出されるあたたかな雰囲気にこそ、安らぎを感じられるように思います。

 

わたしを満たしてくれたもの

この話を聞いて、わたしはあることに気がつきました。

あの日わたしを満たしてくれたものはどれもこれも、ふかふかのベッドを気持ち良いと感じるのと同様、当り前のことばかりだったのです。

ここからは泊まった日のことを思い出しつつ、その一つひとつを、じっくり確かめていきたいと思います。

 


夕方に、あたたかなもので一息つく


▲陶芸家 青木浩二さんの器。デザインはaiaoiオリジナルだそうです。

わたしがホテルについたのは、観光をし終えたあと、日が暮れてから。だから夕方のことからお話しします。

ホテルに到着してまず癒されたのが、あたたかなお茶が出てきたことでした。

椅子に腰掛けお茶を口に含んだ途端、肩の力がふわっと抜けて、ついしばらくぼうっとしたように思います。

それまでわたしはチェックインに対し、「事務作業」というイメージしか抱いていませんでした。だから必要な手続きを済ませたら、早々に部屋へと向かっていたのです。

けれど疲れた体は、まず休みたいと願っている。ホテルに入ってすぐに、そのことに改めて気づかされたのでした。

 


気持ちの良いものに、ふれてねむる夜


部屋につくと、そこにはオリジナルの寝間着が用意されています。素材はリネン。

肌触りや着心地も楽しんでもらえるように、寝間着は自分たちで洗濯をし、日光で干して畳んでいるそう。

この寝間着を着ることが、わたしがaiaoiを訪れる際のささやかな楽しみです。さらっとしていて、ほんのり張りがあって、でも体に馴染んでくれる。

当り前ですが、ねむりにつく時、わたしたちは目をつむります。そうして感覚をひとつ減らすと、肌はいつもより感性を増すように思うのです。

だから肌ざわりの良いものを着てねむることは、それだけで朝までのひと時を満たしてくれるのかもしれません。

▲オーナーのおふたりが削った床。たいへんな作業だったらしく、見ると協力してくれた仲間との日々を思い出すそう。

そしてもうひとつ、触り心地にうっとりしたものがあります。それは廊下の床。栗の木を削ったという床は、スプーンにしても良さそうなほどとても滑らか。

夜中、洗面所に向かおうと裸足で廊下を歩いても、足の裏に冷たさを感じず、不用意に目が冴えてしまうことがありません。

本当に気持ちが良くて、願わくばいつか寝っ転がってみたいと、密かに思っています。

 


光とともに、目覚める朝


▲はじめて泊まったのは、まるで隠れ家のようなこの部屋でした。

そして、目覚めの瞬間。

どの客室も、窓側に頭が向くようにベッドが置かれ、そしてほとんどの窓には、カーテンがつけられていません。そのため朝の光が部屋に差し込んで、自然と目が覚めるのです。

部屋には、時計もテレビもありませんでした。

音で起きるのではなく、瞼の裏側にぬくもりを感じ、そして気づけば自然と起きている。まるで自然と呼吸を合わせるように、朝日とともにゆっくり目が覚めたときの気持ち良さといったら。

いま思い出してみても、わたしの心をあたためてくれるひと時でした。

 

本当はぜんぶ、わたしの日常にあるもの

▲aiaoiはこのビルの3階に入っています。

はじめてaiaoiに来た日のこと、わたしはしばらくの間、長谷駅の周辺をウロウロとしていました。地図がわかりづらかったからではなく、また、道順が複雑だったわけでもありません。

目的地にはすぐに着いていました。

ただこのビルの中に、HPで見た空間が広がっているとは、夢にも思わなかったのです。

オーナーである裕子さんの次の言葉を聞いて以来、わたしはこの出来事にも、意味があったのかもしれない、と思うようになりました。

裕子さん:
「このホテルで感じられることは、すべてみなさんの日常にもあるものだと思うんです。

例えば鎌倉で眺める夕陽はみんなきれいだというけれど、海があるから見やすいだけで、東京でも美しい夕陽は見られるはず。

家の中にテレビがあるなら、例えばちょっとだけ消してみる。そうやって時間の使い方を変えてみるだけで、見えてくるものがあると思います」

▲栗に絵を描くのが、剛さんの秋の楽しみなんだとか。

日常から離れたいと旅に出たのに、わたしを心から満たしてくれたもの、それはどれもこれも、わたしの日常にもあるものでした。

自分の理想という思い込みが原因でなかなかaiaoiを見つけられなかったように、もしかしたらわたしは日頃も、多くの大切なことを見落としているのかもしれません。

そのことに気がついたら、ときに退屈し、わたしが目をそらしていた毎日を、いつもより尊く感じたのでした。

 

日常の心地良さを、思い出させてくれるホテル。

暮らしていると、仕事や家のことなど、しなくてはならないことが多いものです。そして時間の無さからときに睡眠時間を削ったり、食事に気が回らなかったり。

自分が心地良いと感じるものを正直に望めず、我慢しなくてはならない場面がつづいてしまうこともあります。そしてつい日常から遠く離れて、どこかへ行ってしまいたくなる。

でもそんな時こそ、「日常を伝えたい」というこのホテルに、また行きたくなってしまうのです。

なぜなら、たとえ忙しい毎日の中で忘れかけていたとしても、本当は日常のささやかなことで心はとても満たされるのだと、思い出せてくれるから。

ふかふかのベッドを気持ち良いと感じ、さわり心地の良い寝間着でねむる。当り前のことで、気持ちは充分に癒される。

aiaoiは、わたしたちの日常にあふれる心地良さを、大切に集めたホテルです。

(おわり)

【写真】原田教正

hotel aiaoi
アクセス:江ノ島電鉄 長谷駅から徒歩3分。
予約方法:下記HPより。
http://aiaoi.net/


▽過去にご紹介した「私たちの常連店」はこちらから

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