【わかった気でいた】やりたいことを、楽しみ続けるには?ファーマーズテーブル店主・石川博子さんをたずねて
編集スタッフ 野村
自分のやりたいことに、実直に、そして素直に楽しみ続けている大人に憧れます。
でも自分の心を自由にして本当にやりたいことってなんだろうと悩むこともあったり、他人のことを羨ましく思って自分のことにモヤモヤしたり……。
東京・恵比寿の雑貨店「ファーマーズテーブル」を営む石川博子(いしかわ ひろこ)さんは、26歳の時にお店を開き、35年以上経つ今も、もの選びのセンスが光る素敵なお店を続けています。
石川さんは、どんなふうにこのお店を続けてこられたのだろう。お話を伺うことで、自分の抱えていたモヤモヤを少し晴らしてくれるヒントがあるかもしれない。
そして、石川さんがスケッチブックに書いた「わかった気でいた」という言葉には、一体どんな気持ちが込められているのでしょうか。
とにかく隣の芝生が青く見えた、20代
4年半続けてきたスタイリストの仕事を辞めて、26歳の時にお店を始めた石川さん。「隣の芝生が青く見えた」と当時のことを振り返ります。
石川さん:
「4年くらいスタイリストの仕事をして、当時はスタイリストの全てが分かったような気がしていたんです。
そうするとだんだん隣の芝生が青く見えてきて。仕事でものを借りるため色々なお店に行くたび、『私だったらもっとこんなお店をやるのになぁ』と考えてしまっていました。
そうやって思ううちに、じゃあ自分の思い描くお店をやってみよう、と始めは軽い気持ちでお店を開いたんです」
やるべきことは、全てやり切ったの?
「自分の思い描いていた通りのお店ができた!」と大満足でお店をスタートさせた石川さん。ところが、お客さんが来なかったり、ものが全く売れなかったりと、思い通りの結果が得られませんでした。
石川さん:
「お店を始めてもうまくいかずで、思っていたのと違うと感じたら、お店のことも急に嫌になってしまって。
それで夫に、やっぱりお店をやめたいと相談すると、『やめるならいつでもどうぞ』と言われたんです」
石川さん:
「その言葉には続きがあって。いつでもやめていいけれど、自分のやるべきことを全てやったの?と言われました。
『やめていい』と言われたら、気持ちがすごく楽になって。それに、やるべきことは全てやっていないかもしれなかったな、と素直にその言葉も受け止められて。
もう少し自分のやるべきことをやってから、やめよう。そう思うと、今度はどんどんお店の仕事が楽しくなっちゃったんです」
「本当にわかる」ってこういうことなんだ
お店づくりやお客さんとの会話を通して、今でもお店から学ぶことが多いと石川さんは話します。
石川さん:
「自分なりにお客さんに来てもらうにはどうしたらいいかなということを考えて、実行して、それに対して結果が出たり、出なかったり。
『なんで結果が出なかったのかな? じゃあ次はこうしてみようかな』と試行錯誤していくのが楽しいんです」
石川さん:
「お店に関わることは全てつながっていて。ひとつ気が付くと、他の様々なことにも一緒に気が付けて、世界が広がっていくように感じられるんです。
本当にわかるってこういうことなんだと、お店のことをより楽しめるようになりました。
きっとこれからも、『なぜだろう』とか『なんでだろう』ということを、考え続けている人生だと思います」
自分のできることで、やり切っていないことはまだまだたくさんあるかもしれない。そう思うことは、目の前のことにもっと実直に向き合うための大切なおまじないのようだと感じます。
そして石川さんが、お店のことに対して素直に向き合って分かろうとしてきたからこそ、「ファーマーズテーブル」は長年素敵に歩み続けているんだと思いました。
お話の様子は、YouTubeで公開している動画『うんともすんとも日和』でもお楽しみいただけます。
動画では、石川さんのとある1日のこと、そしてお店の従業員として一緒に働いている娘さんと親子で働くことについてもお話いただいています。ぜひこちらもご覧ください。
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