【連休だから作りたいレシピ】第2話:夕暮れを待たずに。ビール片手にフライパン焼き肉
ライター 片田理恵
連休だからこそ、作りたいごはんがある。
2話目にお届けするのは「おうち焼き肉」です。
カセットコンロとフライパンを用意したら、冷蔵庫にある肉と野菜をピックアップして、焼きたいものをいくつかプレートに盛り付ければ準備完了。
あとは焼きつつ、飲みつつ、食べつつ、楽しむだけ!
これだけでも十分ですが、おいしいソースと小さめのおにぎりを用意しておけば、よりいっそうの特別感を味わえることうけあいですよ。
窓を開けて、音楽をかけて、いつもより早めの晩酌を
1話目に続いて連休の夕ごはんを提案してくれたのは、料理家のminokamo(みのかも)さん。
家族や友達と一緒に食事をする時、料理をする人はつい給仕役に徹してしまうことがあります。作る人も一緒にテーブルでの時間を過ごせるような料理のスタイルってなんだろう? そんなふうに考えて生まれたのが「おうち焼き肉」。
ホットプレートやバーベキューセットでの焼き肉も本格的でいいけれど、いつものフライパンを使えばさらに気軽だし、洗うのも簡単。「ひとり焼き肉」にもぴったりです。
minokamoさん:
「今日が休みで、明日も休み。連休ってちょっと早めに飲み始めるのに絶好の日なんですよね。そろそろ日が傾いてきたかなと思ったら、先にビールの栓を抜いて、野菜を切りながらまず一杯。窓を開けて気持ちいい風が入ってくると、やっぱり音楽もかけたくなる。準備も楽しいごはんって最高じゃないですか?」
果実と野菜がたっぷり。自慢したくなる、ふたつの手作りソース
▲シャキシャキ玉ねぎの食べるソース(左)/みそとすりおろしリンゴの甘辛ソース(右)
焼き肉のおいしさの決め手はつけダレにあり、といっても過言ではないかもしれません。minokamoさんが教えてくれたのは、材料を混ぜるだけの簡単ソース。味の違うものを二種類用意しておくことでおいしさの組み合わせが広がり、ついつい箸が進みます。
みじん切りにした玉ねぎの食感と酢を効かせたさっぱり味がうれしい「シャキシャキ玉ねぎの食べるソース」は、ジューシーな肉の脂との相性がぴったり。
「みそとすりおろしりんごの甘辛ソース」は、みそのうまみとコク、すりおろしたりんごの果肉の自然な甘みを生かして、専門店で食べる味わいに仕上げました。
ジューシーな豚肉もさっぱり、さわやか
《シャキシャキ玉ねぎの食べるソース》
材料(出来上がり100cc分)
玉ねぎ…1/2個
酢…30cc
オリーブオイル…30cc
醤油…30cc
きび砂糖…小さじ1
※きび砂糖がない場合は、上白糖やはちみつでも可
作り方
みじん切りにした玉ねぎとすべての材料を混ぜるだけ。生の玉ねぎの辛味が気になる場合は、半日ほど常温でおいておくと味がなじんで食べやすくなる。できるだけ細かく切っておくと食感がいい。冷蔵庫で1週間保存可能。
まずは焼きたてのお肉にたっぷりかけて
脂がのった豚肉との相性は抜群。肉が焼けたらシャキシャキ玉ねぎごとたっぷりよそってまわしかけ、一口でほおばりましょう。ほどよい酸味と辛味が肉のうまみを引き立てて、いくらでも食べられてしまいそうです。
焼き肉だけじゃない、おいしい食べ方
①かつおのタタキに刻んだしそとしょうがをのせ、ソースをかける
②タコやエビなどの魚介類を入れたサラダのドレッシングとして
③鶏のからあげにかけるだけで、簡単「油淋鶏」風
濃厚なあまじょっぱさがクセになる
《みそとすりおろしりんごの甘辛ソース》
材料(出来上がり100cc分)
みそ…大さじ3
りんご(皮つき)…1/4個
にんにく…1/2片分
みりん…大さじ3
日本酒…大さじ1
きび砂糖…小さじ1
作り方
りんごとにんにくをすりおろし、材料をすべて小鍋に入れる。中火にかけて表面がフツフツとしてきたらスプーンで30秒ほど混ぜ、火を止める。作ってすぐよりも翌日以降が味に深みが出る。冷蔵で10日間保存可能。
ソースのうまみを肉にからめながら焼きあげる
フライパンの上で肉とソースをからめるようにして焼き、サンチュやレタスで巻いて食べると絶品。グリルした野菜にかけたり、塩気を加えずに作ったおにぎりにソースを少しのせて食べるのもおすすめです。
焼き肉だけじゃない、おいしい食べ方
①カレーの隠し味にちょっぴり加える
②カリッと焼いたバゲットにチーズをのせ、ソースをかける
③出汁で煮た大根やこんにゃくに添えるみそだれとして
おうち焼き肉のために用意したいもの、あれこれ
この日minokamoさんが用意してくれたのは、豚肉の薄切り2種(しょうが焼き用/肩ロース)、肉を巻くためのサニーレタス、グリルして食べるマッシュルーム、ラディッシュ、ミニトマト(表面に焦げ目がついて中がとろとろになるくらいじっくり焼くとおいしい)、さっとゆでた旬のアスパラガスとスナップえんどう、アスパラガスの根元を輪切りにして米と一緒に炊き込んだおにぎり。
そのままでも、焼いても、どちらのソースをつけてもおいしいものをあれこれテーブルに並べておくことで、席を立たずにゆっくりと食事が楽しめます。
ソースは作ってすぐでも食べられますが、時間があればビールを買いに行く前日のうちに仕込んでおくと、おいしい上に当日の手間がひとつなくなって一石二鳥。
おいしいごはんを食べた日は、いい休みだったと思える日
連休だからこそ作りたい、朝ごはんと夕ごはん。2話に渡ってお届けしました。
たまった掃除や洗濯をしてすっきりする一日があるように、映画や読書に没頭して楽しむ一日があるように、自分のためのごはんをゆっくりと、いつもより少しだけ手間をかけて作る一日があっていい。そう思います。
「ああ、おいしいなぁ」と感じる心が、今日に満足をくれるから。明日への力をくれるから。
皆さんも、どうぞいい休日を!
(おわり)
【写真】佐々木孝憲
もくじ
minokamo
料理家、写真家。岐阜県美濃加茂市出身。祖母と一緒に料理をしたことが現在の活動のはじまり。日本各地の郷土食の取材にも力を入れている。6月下旬に新しいレシピ本『SUITON ~粉100水50でつくる(仮)』(技術評論社)が発売予定。http://minokamo.info
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