【梅とお肉の元気おかず】02:じゅわっと蒸し汁にからめて。好きな野菜でたのしむ「梅豚蒸し」
編集スタッフ 藤波
暑い季節に無性に食べたくなる、すっぱいもの。その中でも、脇役として登場しがちな梅干しが主役になるおかずのレパートリーがあったら、夏の心強い味方になりそうです。
今月は、そんな梅干しが主役になるお肉のおかずを料理家の飛田和緒(ひだ かずを)さんに教わっています。
2品目は、たっぷりの野菜とたのしむ「梅豚蒸し」です。
梅と食材のうまみが蒸し汁に集合。
ほっとする味わいの「梅豚蒸し」
材料(2〜3人分)
豚ロース薄切り肉…12枚(約260g)
梅干し…2個(塩分15%ほど)
青じそ…6枚
千切りキャベツ、白髪ネギ…各適量
A
オイスターソース、みりん…各大さじ1と1/2
※甘さのあるはちみつ梅などは熱することで味がぼやけてしまうので、田舎梅のようなしっかりとした塩気のある梅干しがおすすめです
飛田さん:
「お好みでナスやズッキーニ、かぼちゃなどの夏野菜を一緒に巻くとボリュームアップしますし、蒸し汁が染み込んでとても美味しいです。
今回はかぼちゃ (80g)を使いましたが、ぜひ色々試してみてくださいね」
作り方
1. 梅干しは果肉をたたき、タネも一緒にAと混ぜておく。
飛田さん:
「タネからも味が出るので、梅を使う料理ではいつもとっておくんです。
気になる方はのぞいてもいいですが、せっかくの梅干しですからぜひ余すことなく味わっていただけたら嬉しいです」
2. 青じそは縦半分に切ってから横に千切りにする。(かぼちゃは1センチの厚さの一口大に切る)
3. 肉を2枚重ねにして広げ、1の梅ペーストを塗り、青じそを散らして巻く。(アレンジでかぼちゃなど固い野菜を一緒に巻く場合は、肉は1枚にする)
▲火の通りやすさを均等にするために、夏野菜を巻く場合は肉は1枚でOKです
4. 耐熱の深めの器に3と梅のタネを並べて、蒸気の上がった蒸し器に入れて5〜6分蒸す。
飛田さん:
「梅干しのタネはペーストを塗る際にいったん外しておいて、肉の上で一緒に蒸すといい味が出ます。たっぷりと蒸し汁が出るので、器は立ち上がりがあるものがおすすめです。
食べごろは、今回の場合だとかぼちゃに串を刺してすっと通ったら。まだ固めだったら追加で蒸してくださいね」
▲せいろで蒸す場合、大きめの布巾をかませておくと熱々のお皿が取り出しやすくなります
飛田さん:
「蒸し器がいない場合は、器がすっぽり入る深めのフライパンや大きめの鍋でも代用できます。
鍋やフライパンに布巾を敷いて、その上に肉を並べた器をおき、
5. 蒸しあがったら、器の空いたスペースに白髪ネギ、千切りキャベツを添える。蒸し汁に絡めながら、肉と一緒に食べる。
飛田さん:
「最後に添える野菜は、熱い蒸し汁にからめて食べてほしいので、しんなりとしやすい葉野菜などがおすすめです。
ほかにはレタスの千切り、豆苗、髭根をとったもやしなども美味しいですよ」
蒸しているときから部屋に広がる、なんとも食欲をそそるいい匂い。梅の味が染み出た蒸し汁は思わず飲み干したくなるほどで、しんなりした野菜と一緒に食べると格別でした。
次回は、夏バテを助けてくれる鶏団子のスープをご紹介します。お楽しみに。
【写真】佐々木孝憲
もくじ
飛田和緒
東京都生まれ。現在は神奈川県の海辺の町で暮らす。毎日無理なく続けられる、作りやすい食材を使った、シンプルでおいしい料理が人気。著書に『素材ひとつで作りおく ひだめしの素』(KADOKAWA)、『塩、しょうゆ、みそで飛田式おかず』(西東社)、『ひだパン』(東京書籍)、『いちばんおいしい野菜の食べ方』(オレンジページ)、『常備菜』(主婦と生活社)、『ひだゴハン』(東京書籍)など多数。Instagram:@hida_kazuo
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