
冬の幸せ、ほかほかの鍋。手軽さと栄養を兼ね備えた、お助けメニューでもあります。そんな鍋の「定番」レシピがあれば、冬のお守りのような存在になってくれそうです。
今回は料理家さん3名に、「我が家の定番鍋」をお聞きしました。

2つめの定番鍋は、今井真実さんの「元気鍋」。パンチのあるスープとたっぷりの野菜で、その名の通り元気の出る一品です。
定番となるまでのエピソードや、ワンポイントもお聞きしました。
これまでのレシピはこちらお肉と一緒に野菜もペロリ。
今井さん家の定番「元気鍋」

材料(4人分)
・ねぎ…2本
・きゃべつ…4枚
・にんにく…3かけ
・豚肩ロースしゃぶしゃぶ肉…500g
・絹豆腐…1丁
鍋だし(A)
・水…1500ml
・昆布…1枚
・お酒…1/2カップ
・塩…小さじ1
・醤油…大さじ1
・生姜…10g
ねぎだれ(B)
・万能ねぎ…1わ
・山椒、コリアンダーパウダー…小さじ1
・醤油…大さじ2
・ごま油…大さじ2
※万能ねぎをみじん切りし、そのほかの材料を全て混ぜたら完成!
作り方
1. ねぎ、きゃべつをすべて千切りにする。にんにくは薄切りにする。豆腐は4等分に切る
2. 鍋だし(A)を鍋に沸かす。豆腐を入れて熱し、好きなタイミングで引き上げる。塩をかけて食べ、お腹を落ち着かせる
3. 豆腐を食べたあとに野菜を入れ、少ししんなりしたら豚肉をくぐらせる。野菜をお肉で巻いて、都度しゃぶしゃぶして食べる

今井さん:
「お豆腐は前菜のような感覚で、先に食べるのが定番。出汁とお塩だけでいただきます。
優しそうな見た目ですが、生姜とにんにくが入っているのでパンチのある味。食べているうちに汗をかいてくるほどで、まさに『元気鍋』なんです。
取り分けたらねぎだれ(B)のほか、ごまだれ、お塩やポン酢、ゆずなど旬の柑橘と一緒にいただくのもおすすめ。スープのベースはシンプルなので、味つけによっていろんな味を楽しめます」

にんにくと生姜の効いたスープで、しめはラーメンに。
このラーメンを食べるために鍋をしたくなるほど、大人も子どもも大好きな味です。
おいしく作るポイントは?

今井さん:
「お豆腐が好きなのですが、後から入れると崩れてしまうのが惜しくて、はじめに食べることに。いったんお腹も落ち着く感じがして、いいなあと。このときはいつもよりちょっといいお豆腐を買って、楽しみにしています。
猫舌なので、外が熱く、中が少し冷たいくらいでいただくのが個人的には好き。熱々よりしっかり味わえるのが嬉しいんです。
それから野菜は千切りにすることで、お肉に絡まって食べやすくなります。あまり野菜を好まない子どもたちも、ぱくぱく食べてくれます。
市販の千切りミックス野菜を使えば、さらに簡単に作れますね」
日曜夜にささっと作れる、スピード鍋です

今井さん:
「『元気鍋』は、どうしたら子どもたちがおいしく野菜を食べられるだろう?と考えて生まれた鍋。大好きなお肉やラーメンを食べようとすると、勝手に野菜がついてくる作戦です(笑)
あとはレシピを見ずに作れるシンプルでスピーディーなレシピなので、生活に取り入れやすくて。我が家では日曜夜に作るのが定番です。
鍋にするときって疲れていることも多いので、やっぱり簡単なのがありがたいですよね」
▲今井さんが文章を書かれた絵本『はじめて・りょうり ごはん』。やさしくておいしいレシピが載っています
***
材料だけ見るとシンプルでヘルシー。でもいただくとパンチがあり、気づいたらお肉も野菜もペロリと完食。「元気鍋」のネーミングに納得な味わいでした。
3つめの定番鍋は、しらいのりこさんの「身体整えるしゃぶしゃぶ」です。
【写真】土田凌
今井 真実
料理家。noteに綴るレシピやエッセイ、twitterでの発信が幅広い支持を集め、さまざまなメディアでレシピ制作、執筆を行う。近著に『フライパンファンタジア』(家の光協会)、『今井真実のときめく梅しごと』(左右社)、共著『はじめて・りょうり ごはん』『はじめて・りょうり トマト』(福音館書店)などがある。
Instagram: mamiimai
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