特集│フィットする暮らしのつくり方-柳沢小実さん編:ルールその1『自分らしく家をしつらえる』
編集スタッフ 齋藤
第2話では、柳沢小実さんのフィットする暮らしのつくり方、
ルールその1 『自分らしく家をしつらえる』 をお届けします。
ユニークな間取りやディテールを持ったお家にお引越しをされた柳沢さんですが、
そこで暮らす柳沢さん自身は、それらの個性を大らかに受け入れつつ
チャーミングな“柳沢さんらしさ”を持って生活していらっしゃいました。
リビング・ダイニングは準パブリックな空間だから
座った目線に合わせた家具配置と飾り方を意識しています。
柳沢さんのお家の玄関を通り、リビング・ダイニングスペースに足を踏み入れたとき、
空間にとても広がりのある印象を受けました。
ご自身が本づくりをするための執筆や撮影をする仕事場として、また
取材や打合せをするようなパブリックなスペースとして、さらに
大切な家族と過ごす場でもあるリビング・ダイニングは、 まさに準パブリックな空間です。
柳沢さん(以下敬称略):
「このスペースは、空間に圧迫感が出ないように、自分やお客さまが
腰掛けたときの目線に合わせた高さの家具を置いているんですよ。
それにわたしもここで執筆をするので、できるだけ集中できるように
視界にいろいろなものが入り込んでこないようにしているところも
あるかもしれません。」
齋藤:
「なるほどー。柳沢さんのお仕事のための環境づくりの配慮でもあるんですね。
そして確かに招いていただいた側としては、こうして座って部屋を見渡したときに、
存在感がありすぎるような家具がないせいか、広がりを感じて、とてもリラックスできます。」
そしてリビング・ダイニングスペースには、どうしても目に留まってしまう
部屋の主のような大きなポスターが立て掛けてありました。
齋藤:
「このライオンのポスター、インパクトがありますね!
これはあえて床に置いているんですか?」
柳沢:
「そうですよー。この大きさのポスターを、
立ったときの目線くらい上に持ってくると重たい感じがするかな?と思って。
玄関を入ってきたときに、最初にパッと目に入って視線を集めるので、
お客さまの視線が迷わず、ポイントになってくれている気がします。」
目線に合わせた家具の配置や床に立て掛けるポスターの飾り方は、
“準パブリック”なこの空間の役割を意識されて、お客さまの寛ぎや
自分・家族が過ごす時間のことを配慮した結果だったんですね。
そして次は、お客さまがほろっと寛ぎ、
住人である柳沢さんも楽しんでいらっしゃった工夫をご紹介します。
お客さまにも伝わり、自分たちも楽しい“ドア印”
柳沢さんのお家の各部屋のドアには、ちょっとしたかわいい印があるんです。
これにはわたしたち(佐藤・齋藤)も飛びつきました。笑
柳沢:
「廊下に出たときに、ドアがずらっと3つ並ぶんですけど、これがあると○○の部屋と
お客さまにも伝えやすいんですよね!そして、住人の私も楽しくって。」
寝室の扉はネコ。
ご主人の山道具などを収納している部屋はモモンガ。
佐藤・齋藤:
「洗面室のドアは、お花、、? 」
このお花には、趣味で登山やボルダリングを愉しみ、
アウトドアな一面を持つ柳沢さんならではの理由がありました。
柳沢:
「登山で、お手洗いへ行くときに“お花を摘みにいく”と表現することがあるんです。
そこからとって、洗面室のドアはお花のカードをペタリと貼りました。笑」
ちなみに、このお花はポストカードを模様に沿って切り、貼り付けたそう。
変形のポストカードを探すのは大変だけど、これならすぐに出来そうですね。
無理をしない、適度な生活感
すべてをすっきり仕舞い込まず、暮らしに適度な隙を持たせています。
柳沢:
「もともと調理スペースの上に置いていたカッティングボード類は
量が多いのでこちらに仕方なく置いてみたんですけど、
置いてみたら意外とインテリア的にも邪魔でなかったので
使いやすいのもあり、そのまま置いています。 」
形や素材も様々ですが、それらが重なった様子はなんだか気持ちが良いですね。
また、調理台と窓の間のスペースには、
色々なお盆やトレーがざっくりと立て掛けてありました。
柳沢:
「このほうがいいかな?というのは、ちょっとずつ結構試しているんです。
こうだ!と決めすぎないことは、自分にとってもストレスが無いんですよね。
やってみて、使いづらかったら変えるというように、変化させながら住んでいます。」
リビングの隅には、お気に入りの絵画を気分で変えられるように
そのまま立て掛けている柳沢さん。
柳沢:
「額も絵に合わせてつくり、時々変えては楽しんでいます。
絵画類って、クローゼットなどに仕舞いがちだと思うのですが、
立て掛けておけば、思い立ったときにすぐに変えることができますよね。
すべてを綺麗に仕舞おうとしないで、
好きなものは見えるところに置いておきたい、という思いがあるんです。」
リビングの窓際には、平らなカゴに布がふんわりと重ねてありました。
これも、使いたいとき・作業をしたいときにすぐに手に取れるように出してあるもの。
そうやって、柳沢さんの暮らしに必要なものが
部屋のあちこちに顔を出しているのが印象的でした。
スッキリときれいに全てを片付けすぎず、
柳沢さんの家の中に、足跡のように残してある適度な生活感。
好きなものは思い切って見えるところに出して
気分によって飾っていくような“暮らしの隙”は、とても心地良いものでした。
自分の印をつける、遊び心。
柳沢さんのお家には、柳沢さんらしい遊び心がそこかしこに、、♪
思わずふっと笑ってしまうようなかわいらしいシーンが沢山ありました。
柳沢:
「このヒツジは、いわゆるガチャガチャで獲得したんです。
以前の家では冷蔵庫につけていたのですが、この家の玄関扉を見たらココだ!と。
(ヒツジはマグネットです)」
次に出してきてくださったのは、ヴィンテージのファブリック。
でもどうやら様子が違います。。
柳沢:
「このファブリックはマリメッコのものなのですが、
目が光ったら面白いな!とラインストーンをつけたんです。
いずれクッションカバーにするつもりですよ~」
齋藤:
「かわいい、、キラーンと光っていますね~!あまりにピッタリで驚きました。笑」
玄関を開けて正面に現れる照明には、一羽のフクロウ。
柳沢:
「もともとは下に置いていたのですが、
鳥は木の上にいるし、、ここに居たらかわいいかな?と留めてみましたよ☆」
そして、本棚からちょっとした異彩を放っていたのが、この怪獣たち。
これは、絵本『かいじゅうたちのいるところ』の怪獣ですね!
そしてこちらには『ウルトラマン』に出てくるピグモン・ガラモン!
スノードームは、柳沢さんが自分で食玩を入れて作ったんだそうですよー♪
柳沢:
「ふふふ、なんだかキャラクターとしてかわいいなぁと1年くらい前から集めだしました。笑
きれいにまとめるよりも、ちょっとハズシの要素を入れたいんですね。」
こちらのエアコンには、土星と星がペタリとついています。
まわりの星は暗くなると光るんですって。
夜の様子も見てみたくなっていましました。
じっくり見回してみると、そこかしこに散りばめられていた柳沢さんの“遊び心”。
これらがあることで、きれいでお洒落にまとまりすぎず、
訪れた人もふっと緩んでしまうような柳沢さんご自身のチャーミングな部分が加わって、
ここからも“暮らしの隙”をつくりあげているようでした。
ちょっと乙女なエッセンスで、自分の色を加える。
キャラクターなどとは違うもう一つの柳沢さんの印は
“ちょっと乙女なエッセンス”。
無印良品のカーテンにはポンポンをあしらったお手製のタッセルを。
もう片方は市販のかわいらしいタッセルリボンを切り、ぐるっと巻いて。
柳沢:
「これは本当に、切って巻くだけ。とっても簡単ですよ!」
柳沢:
「北側の窓なので、できるだけ光が通るように薄いレースを探していました。
これは本来縦長のものなのですが、横にしてカーテンクリップで留めてみたら
長さが丁度よかったんです。繊細なレースも気に入っています。」
リビングダイニングを“準パブリック”な空間にし、
そこが持つ役割を意識した家具配置や飾り方。
適度な生活感を残し、“暮らしの隙”を持たせたモノの置き方。
そして柳沢さんならではのチャーミングな印、、
そんなふうに、自分らしく家をしつらえることが
柳沢さんの“フィットする暮らしづくり”の一番初めのルールでした。
明日は、『ルールその2: お気に入りのモノを自分らしく使う』 です。
モノを選ぶこと、使うことは暮らしに欠かすことのできない行為。
柳沢さんがどのようにモノに向き合っているのか、
どうぞ楽しみにしていてくださいね。
・柳沢小実さんのHPはこちら⇒☆
・柳沢小実さんの著書の一部はこちらです。 ↓↓↓
気持ちいい暮らしの必需品 柳沢 小実 大和書房 2013-01-17 |
忙しくてもていねいに暮らしたい人の家しごと 柳沢 小実 大和書房 2012-03-16 |
シンプルな暮らしの設計図 柳沢 小実 講談社 2011-12-16 |
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もくじ
◎プロローグ :柳沢小実さんを訪ねました。(1月28日更新)
◎フィットする暮らしのつくり方:その1「自分らしく家をしつらえる」(1月29日更新)
◎フィットする暮らしのつくり方:その2「お気に入りのモノを自分らしく使う」(1月30日更新)
◎フィットする暮らしのつくり方:その3「身軽に暮らすために収納を工夫する」(1月31日更新)
◎最終回:柳沢さんと北欧の、いい関係(2月1日更新)
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