連載エッセイ『ひとはパンのみにて』
作家・文筆家の安達茉莉子さんによる「買い物」がテーマの連載エッセイです。自他ともに認めるお買い物好きの安達さんは、買い物とは「出合うこと」だと思っているそうです。日々に、良き出合いがありますように。月一更新でお届け予定です。
エッセイ・コラム
【連載|ひとはパンのみにて】第十回:あたたかくて甘い香りが満ちる
第十回 あたたかくて甘い香りが満ちる 日が暮れるのが早くなった。店頭には柿やかぼちゃ、梨にりんごがごろごろと並ぶ。買い物袋はいつもより重く、黄色や紅に色づいた山と、抜けるように青い...
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【連載|ひとはパンのみにて】第九回:離陸する時間
第九回 離陸する時間 ふと、お金を惜しまずに、買いたいときに悩まずに買えたら良いものはなんだろうと考えた。服に靴。食料品。本。キリがないが、ひとつだけ選ぶとしたら、航空チケットだ。...
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【連載|ひとはパンのみにて】第八回:アート作品を買ってみること
第八回 アート作品を買ってみること アートが家にある暮らし。それがどんなものだか知ったのは、アーティストの友人宅に泊めてもらったときのことだ。 美術作家の山形敦子(やまがたあつこ)...
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【連載|ひとはパンのみにて】第七回:中華街にて買い出しを
第七回 中華街にて買い出しを 中華街を、地図なしで歩けるようになってきた。 横浜中華街は、観光客で賑わう一大観光地。食べ歩いたり、中華レストランに入ったり。だけど私にとっては、貴重...
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【連載|ひとはパンのみにて】第六回:水着の効用
第六回 水着の効用 海を見ていると、海最高だな、気持ちよさそうだなあ、があふれにあふれて、もうすべてどうでも良くなって、そのままドボンと海に入って泳ぎたくなることがある。 服を着た...
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【連載|ひとはパンのみにて】第五回:夏には夏の風が吹く八百屋
第五回 夏には夏の風が吹く八百屋 鎌倉に引っ越してから一年が経った。 変化はいくつもある。人間関係。仕事の内容。よく歩くようになった。あまり鎌倉を出なくなり、夜も早くなった。川に蛍...
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【連載|ひとはパンのみにて】第四回:良い靴は良い山に連れ出してくれる
第四回 良い靴は良い山に連れ出してくれる 最近、私を生かした買い物はなんだっただろう。ポコンと頭に浮かんだのが、登山靴だ。 一昨年、ハイキングの帰りに、トレッキングシューズの底がバ...
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【連載|ひとはパンのみにて】第三回:お香さがしの現在地
第三回 お香さがしの現在地 部屋でリラックスするためのアイテムとして、お香をあげる人は多い。以前の私は、煙が苦手でどうにも手が伸びなかった。だけど今では、日々の中に欠かせない存在に...
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【連載|ひとはパンのみにて】第二回:花をばさっと飾りたい
第二回 花をばさっと飾りたい 鎌倉の今の家に引っ越してから、よく花を買うようになった。 そろそろ花が欲しいな、と考えると、自分の行動範囲、すなわち自分の鎌倉交易路の図に、花屋がポン...
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【新連載|ひとはパンのみにて】第一回:パンで生まれる交易路
みなさんこんにちは。安達茉莉子と申します。自他ともに認めるお買い物好きの私ですが、このたび買い物にまつわるエッセイの連載が始まることになりました。私は買い物とは、「出合うこと」...