石田千『朝、いろいろ』
石田千さんのエッセー連載です。全12回で朝のいろいろをテーマにお届けします。
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【連載｜朝、いろいろ】最終回：カラフル・バレンタイン
パジャマをぬいで、うえからしたまで厚着する。足もとは、膝のかくれるハイソックス。さらに、足首までの靴下をかさねる。 ハイソックスと靴下、いつのまにか、365日のこととなった。夏は...
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【連載｜朝、いろいろ】第十一回：チーム・辰どし
新年あけましておめでとうございます。よい一年になりますよう、こころよりお祈り申し上げます。 ４年ぶりに、年末年始の帰省がかなう。朝いちばんの飛行機で、東北の実家にむかった。 松...
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【連載｜朝、いろいろ】第十回：日記買ふ
酉の市がすむと、日記と暦を用意する。 毎年、おんなじものを買う。日記は、２ページを７日にわけてある。暦はむかしながらの日めくりで、柱の幅にぴったりのもの。 日記といっても、メモ書...
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【連載｜朝、いろいろ】第九回：たたんで、わけて
このアパートに住み、四年めの秋。重たい腰をあげて、本格的な衣がえをする。さいわい、秋晴れの週末で、いつもより早起きをして、とりかかる。 押し入れにしまいこんでいたのは、厚手のセー...
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【連載｜朝、いろいろ】第八回：パンの香りと、声の時間
窓のむこうは、虫の音。眠るまえのひとときに、ラジオの朗読をきくようになった。 ベテランの俳優さん、アナウンサー、作品ごとに朗読者はかわる。はじめての小説、まえに読んだ作品、いずれ...
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【連載｜朝、いろいろ】第七回：遠出の日
週にいちど、遠出をする。仕事のさきまでは、2時間かかる。電車は、2回乗りつぐ。まえの晩は、禁酒、早寝する。 ことしで、８年めになる。巣ごもりの3年は、ずっと遠隔だった。ことしの夏...
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【連載｜朝、いろいろ】第六回：無音のいろ
小学校のまえで、なんだか、さっぱりしている。 しばしながめて、そうか、おうちに持って帰った。 校庭から校舎のほうに、にぎやかにならんでいた朝顔の鉢は、ひとつのこらずなくなっている...
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【連載｜朝、いろいろ】第五回：おはよう、はちみつ、いちにのさん
この夏、いちばんうれしいのは、早起きができるようになった。 ４年まえに、血管の病気がみつかった。長いおつきおあいになるけれど、いまのところは、薬をのめば、日々かわりなく過ごせる。...
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【連載｜朝、いろいろ】第四回：雨いろシネマ
みずいろ、銀いろ、紫。城ヶ島なら、利休鼠。 雨ふり、窓ガラスに、いろんな音楽が流れていく。ベランダの葉っぱは、つややかで、明治の文士には、齋藤緑雨というひともいた。 6月に生まれ...
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【連載｜朝、いろいろ】第三回：春わらう
壁のこよみをながめると、ぽっかり３日、あいていた。東北に住む母に、会いにいくことにした。 ３月に帰ったときは、まだ雪がちらついていた。３年ぶりにようやく帰省がかない、毎日うれし泣...
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【連載｜朝、いろいろ】第二回：たんぽぽさん
この町に住み、４年。 うねうねした路地と、坂がおおいこと。学校や公園が近くて、いつでも子どもたちの声やすがたがある。巣ごもりの日々のなか、いい町での出会いに、ほんとうに、希望をい...
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【新連載｜朝、いろいろ】第一話：しろい土曜日
土曜日は、うれしい。 どこにも出かけないけど、朝いちばんから、たのしみのラジオがふたつある。ききながら、朝ごはんのしたくをする。 お湯をわかして、紅茶をいれる。 パンを焼いて、く...