【金曜エッセイ】彼女が20年余り勤めた仕事を辞めたあと
2020年3月6日(金)
第五十八話:ハンコを押せない人の話 底抜けに朗らかで腕の優れた編集者の女性がいた。20年余、この仕事をやりきったとのことで月刊誌編集の世界から足を洗った。 今は、フリー...
2020年3月6日(金)
第五十八話:ハンコを押せない人の話 底抜けに朗らかで腕の優れた編集者の女性がいた。20年余、この仕事をやりきったとのことで月刊誌編集の世界から足を洗った。 今は、フリー...
2018年3月2日(金)
第十一話:せいいっぱいのお祝い返し 「ふふ、誰かわかる?」 自宅の電話が久し振りに鳴った。携帯電話の番号を知らない間柄で、こんなに親しげな声の主とは一体誰だろう。「えーっ...
2018年1月5日(金)
第七話:自分のめんどうくささを忘れる 独身の女友達が、ある日ポツリと呟いた。「恋愛って、相手と向き合うんじゃない。自分のめんどうくささと向き合う作業なんですよね。それが...
2020年2月21日(金)
第五十七話:おいしいの辞書 友だちが庭で育てたローズマリーを分けてくれた。さっそく、レンコンや人参をオリーブオイルであえて、ローズマリーと岩塩を散らし、オーブンで焼いた...
2020年1月10日(金)
第五十四話:たった三文字、言葉のチカラ 年が明けたのに、終わる話で恐縮だが、私の生業(なりわい)は、突然仕事が打ちきりになったり、編集者や制作組織が途中交代することがま...
2020年4月3日(金)
第六十話:サヌールの昼寝おじさん 自分は上手な休み方ができていないなあといつも思う。全くなんの予定も入っていない日というのはあまりない。美容院やら日用品の買い出しやら包...
2017年12月1日(金)
第五話:メガネ紛失事件 今夏、仕事に集中するため10日間ほど実家の長野に帰った。〆切りまで時間がなく、「実家の親に食事の世話をしてもらって、仕事に集中したら?」という夫...
2020年3月27日(金)
第五十九話:或る店にて〜街のチカラ〜 最近、一輪挿しの花器のかわりになるものを探している。地元の下北沢駅上に輸入雑貨や食品を扱う安い店があり、買い物をした先日。レジ前に...
2017年12月15日(金)
第六話:季節のしっぽ 12月も半ばだというのに、じつはまだクリスマスのしつらえにまつわる小物を出していない。箱にまとめ、すぐ取り出せるようにしてあるのだが。出して飾り付...
2018年1月19日(金)
第八話:夜明けを忘れる 学生時代、イベントの準備で徹夜をしたり、寮で仲間とひと晩語り明かすことがよくあった。あのころ、夜明けは、今よりずっと私の身近にあった。 昨夏、久...
2017年11月10日(金)
第三話:苗字忘れ病 毎月、数人のクルーで動く仕事がある。カメラマン、ヘアメイク、プランナー、編集者、主役の俳優。年齢も経歴もバラバラ。編集者以外は初対面であ...
2019年12月20日(金)
第五十三話:鉢植えだらけの安らぎスポット 一見無造作で、脈絡なく並べているかのようにみえる、路地の軒先の植栽を見るのが好きだ。それらは住宅が密集した下町に多い。 私の住...
2017年10月20日(金)
第二話:赤を忘れる さっそく読者のみなさんから「自分の忘れていたもの」について、お便りをいくつかいただいた。いわく、“娘をかわいいと思う気持ち”、“スカートをはくこと”...
2020年1月24日(金)
第五十五話:選ばない勇気 定食屋を訪ねる取材で、創業69年の店の女将さんが教えてくれた。「ぬか漬けは夏の食べ物。だからホントは冬はぬか床を休ませたいのよね」 ひと昔前は...
2020年2月7日(金)
第五十六話:四角い小さな旅 わざわざ車を止めて立ち寄るほどではないが、出張や旅先で窓口が開いている時間に郵便局を通りかかると、さっと覗く。記念切手や特殊切手、地域にちな...
2019年10月18日(金)
第四十九話:ストップ自慢話 とりわけ個人的なことを書こうと思う。 最近、誰かとじっくり話したあと、落ち込んで眠れなくなることがよくある。なぜあんな事を言ってしまったんだ...
2017年10月6日(金)
第一話:友だちの作り方って? ずいぶん久しぶりに、立食パーティというものに出た。賑やかなところは好きなのだが、最近は、人がたくさんいすぎるとどうしていいもの...
2019年12月6日(金)
第五十二話:10代のダイエット、大人のダイエット 北欧、暮らしの道具店のドキュメンタリー映像「うんともすんとも日和」で取材を受けたことをきっかけに、ダイエットを思い立っ...
2017年11月17日(金)
第四話:めりはりを忘れる つい最近、下の娘が高校3年になったのを機に、家の外に仕事場を借りた。それまでも書庫代わりにアパートの小さな1室を借りていたが、通っ...
2019年9月6日(金)
第四十六話:突然たちのぼる記憶 東京のとある街についてのエッセイを書くことになった。古い神社のあるその街には何度か訪れ、最後は六年前である。名所にまつわるぼんやりした記...