金曜エッセイ『あ、それ忘れてました(汗)』
文筆家・大平一枝さんによる連載エッセイです。友だちの作り方、ケンカのあとの仲直り、子どもを叱るときの言葉、初めて体験することへのドキドキ……。大人になって「そういえば忘れてしまっていたな」と気づく、アレコレをテーマに綴ります。連載100回は、吉本ばななさんをお迎えしてお話しいただく記念回となりました。
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【金曜エッセイ】同じ朝が来るならば
第八十一話:眠れても眠れなくても、同じ朝が来る もともと、悩み事のあるなしによらず、体質的にあまり良く眠れない。おおかたは、焦ってもしょうがないのでじーっと生理的な入眠を待つ。 ...
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【金曜エッセイ】「この絵本、覚えてる?」
第八十話:私と彼女の現在地 大学3年の娘がふいに「この絵本、覚えてる?」と、スマホの画面を差し出した。 私は記憶がなく、じーっと見つめる。読んだような読まないような……。 娘は、...
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【金曜エッセイ】72個の目標を立てて3年目
第七十九話:72個の目標を立てて3年目 大リーガーの大谷翔平さんを真似して、72の目標達成シートを作り始め、今年で3年になる。 彼は高校時代に、「ドラフト1位で8球団から指名が来...
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【金曜エッセイ】絶対に見つからないと思った指輪が
第七十八話:大事な落とし物 丹後の里山が夕闇に包まれ、額に汗して稲を天日干した昼間が嘘のように、急に空気が冷たくなり始めた。と、同行の女性カメラマンAさんが叫んだ。「指輪がない!...
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【金曜エッセイ】手紙は一点物だと思い出させてくれたもの
第七十七話:ものぐさな私の悩みを解決してくれた紙片 美容室で、なぜだか“請求書”の話になった。美容師も私も個人事業主なので、時節柄、お金を処理する作業って大変だよねというような流...
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【金曜エッセイ】自分を変えようなんていきなり難しいけれど
第七十六話:大きくて小さな話 ひどく小さな話をしたい。 夏用から冬用にマスクを替えてひと月半ほど経つ。マスクの衣替えをする時代が来るとは夢にも思っていなかったが、この小さな予防グ...
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【金曜エッセイ】仕事がていねいな人、に共通すること
第七十五話:アイドルの歌を聴きながら襟を正した夜 音楽番組で、80年代の男性トップアイドルの楽曲を依頼された山下達郎さんのエピソードが紹介されていた。彼は、その歌手について研究と...
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【金曜エッセイ】たった一輪なのにどうしてだろう
第七十四話:幸せの可視化について 毎日花屋に立ち寄ると一輪もらえるというサブスクを利用して8ヶ月になる。たまたま友達がインスタで紹介しているのを見て知り、登録をした。 たった一輪...
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【金曜エッセイ】信号で駆け出した私が思い出した
第七十三話:点滅する青信号が教えてくれたこと 交差点にさしかかると、青色の信号が点滅を始めた。私は駆け出した。横にいた親子連れの母親は、穏やかな表情で、「待とうね」と三歳位の男の...
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【金曜エッセイ】メールの二行でも、思っている以上のことが伝わる
第七十二話:メールの前文が上手い人 雨や台風が続いた9月初旬、とある媒体の担当者から連絡メールが届いた。前文に、次のような言葉が添えられていた。『お天気の変化すごいですね。少しで...
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【金曜エッセイ】先輩と、カレーと、大人の階段
第七十一話:カレーと大人の階段 学生時代、女子寮にちょっと個性的な先輩がいた。スリムで背が高く、ボーイッシュなベリーショートがトレードマーク。物静かでいつも本を読んでいる。高校時...
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【金曜エッセイ】失敗を責めるのではなく「許す」ということ
第七十話:ミスを許す、粋な言葉 飲食店で働く知り合いから、こんな話を聞いた。 ビストロで、同業の友達と食事をしていた。ところが相手が誤ってワイングラスを割ってしまう。備品の損失が...
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【金曜エッセイ】軽やかなひとの、思考の切り替え方
第六十九話:ある占い師の軽やかな思考変換術 手相がよく当たるというネイリストの知り合いがいる。師匠について20年余、現在も学び続けている熱心な人で、占いのほうにも顧客がいる。 あ...
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【金曜エッセイ】植物を育てるのは苦手だったけど
第六十八話:茶色い指を持つ私のベランダ記 コーポラティブハウスという形式の集合住宅に住んでいる。住人で建設組合を結成し、土地を共同購入。設計士と一緒にそれぞれの住戸がほぼ自由設計...
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【金曜エッセイ】約束のない時間、が欲しいひと
第六十七話:約束のない時間 大学三年の娘が急に覇気がなくなった。春休みからコロナ禍の流れで、丸半年、大学の友達に会ってない。 5月ころまでは課題や調べ物にうちこんだり、ウォーキン...
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【金曜エッセイ】失敗しない唐揚げのコツを教わって
第六十六話:ある料理家の、絶対失敗しない唐揚げのコツ もう随分前のこと。料理家のケンタロウさんの取材で聞いた、唐揚げをとびきりおいしくするコツが忘れられない。 料理家に取材をする...
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【金曜エッセイ】背筋がシュッと伸びて姿勢がいいひと、に憧れて
第六十五話:「お腹を自由にさせないで」 縫い物を生業(なりわい)のひとつにしている友人がいる。彼女はどんなに疲れているときでも、背筋がシュッと伸びていて姿勢がいい。日本茶の仕事が...
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【金曜エッセイ】小さな換気扇
第六十四話:建築家のキッチンにて かつて長く夫がヘビースモーカーだった。家で食事中、ひと息つくと換気扇の下に行ってしまい、話が途切れる。宴会時もそれで客の話の腰を折るようなときが...
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【金曜エッセイ】ルーズな自分でも、これだけは習慣にできた「5つのマイルール」
第六十三話:在宅仕事、ルーズな自分対策 最近、在宅勤務を始めた会社員のご近所友だちがこう嘆いた。「家のダイニングテーブルだと、朝食後仕事にとりかかったと思ったらすぐ昼食の用意で、...
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【金曜エッセイ】彼女たちが、自分らしく生きるためにしていること
第六十二話:「自分らしく生きる」のが上手な3人 長男が社会人になったとき、「自分らしくがんばれ」となにげなくメールに書いた。就職3年目。ひと月ぶりに会った先日、だいぶ疲弊した顔を...