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57577の宝箱

57577の宝箱

文筆家の土門蘭さんによる短歌とエッセーの連載です。週一回更新予定。

カルチャー
【57577の宝箱】その星を手にした瞬間無敵になる 私が光るスターを集めて
2021/06/07
わたしは昔から趣味が少ない。強いて言えば「読書」か「映画鑑賞」だと答えていた。でも、どちらも半分は仕事のようなものだ。アウトプットするにはインプットが必要だから、その時間を取ること...
カルチャー
【57577の宝箱】夢描けぬ日はいつか描く日のために 色鉛筆を静かに削る
2021/06/02
嫌なことや辛いことがあったとき、みんなどんなふうにそれを紛らわせようとするのだろう。ある友人はストレスが溜まると、やけ食いをすると言っていた。またある友人は深酒をすると。下戸の友人...
カルチャー
【57577の宝箱】あなたからもらったものでできている日々 会えずとも共に生きてる
2021/05/25
広島にいる母と、1年以上会っていない。これまでは、少なくとも年に2回、夏と冬に京都から地元の広島に帰省していた。新幹線に乗って行くと、駅の改札口で母親が待っている。帰りには、改札口...
カルチャー
【57577の宝箱】甘い泡冷たく爆ぜた瞬間に からだの中から湧きあがる夏
2021/05/19
「今日は天気がいいね」友達からそんなメッセージが届いたとき、わたしは家の中でパソコンに向かっていた。液晶画面にうつる原稿は真っ白。何にも書ける気がしない。でも締め切りはもうすぐで、...
カルチャー
【57577の宝箱】朝ごはん食べたら今日を始めよう 降っても晴れてもただの一日
2021/05/12
まったくやる気が出なくなることが、時々ある。わたしは1日のうちで朝がいちばん苦手だ。夜になると気分が落ち込むという話はよく聞くけど、わたしは朝のほうが気が塞いでいる。パッと目が冷め...
カルチャー
【57577の宝箱】何度でもあなたのことを好きになる そんな新たなわたしでいたい
2021/04/28
近所に、大好きなパン屋さんがある。この街にわたしが引っ越してきたのと、そのパン屋さんがオープンしたのはほぼ同時期で、まだ新しい家に慣れていないころ、お昼を買いに行ったのがはじまりだ...
カルチャー
【57577の宝箱】ハンカチにアイロンあてて 一日のお守りのような押し花つくる
2021/04/21
ゆりちゃん、という友達がいる。高校生の頃、同じクラスだった。小柄で、おしゃれで、性格も良く、かわいらしい。またかわいらしいだけではなく、身のこなしや物言いがどこか上品で大人っぽかっ...
カルチャー
【57577の宝箱】きみだけが話せる言葉を話すとき きみはひとつの楽器となって
2021/04/14
友達のKさんから、ある日こんなお誘いがあった。「一緒にインスタライブやらない?」インスタライブとは、SNSアプリのInstagramを使って動画配信をすることである。アカウントさえ...
カルチャー
【57577の宝箱】生きるためだけに生きてるわけじゃない テーブルに花くちびるに歌
2021/04/07
年度末は忙しい。普段よりもぐっと仕事の数が多くなる、いわゆる繁忙期というやつだ。今年もそれがやってきて、手帳にはさまざまな締め切りが並んだ。プレッシャーは感じるものの、先行きの見え...
カルチャー
【57577の宝箱】また咲くと信じているから手を振れる そのときおわりはめぐりに変わる
2021/03/31
寒くなったり暖かくなったり、三寒四温の日々。冬から春に少しずつ移っていくこの時期が、わたしは昔から苦手だ。年度が切り替わり、出会いや別れがある季節は、妙に落ち着かない。梅の花が咲く...
カルチャー
【57577の宝箱】一日を生き延びた身を湯につける この体にはわたししかなく
2021/03/24
この間、とても久しぶりに銭湯に行ってきた。そこは廃業になる予定の銭湯だったらしいのだけど、わたしと同世代の人が買い取り再開させたのだという。壁のペンキはきれいに塗り替えられ、かわい...
カルチャー
【57577の宝箱】種を植え光を注ぎ水をやる もの言わぬ芽は愛に応える
2021/03/17
魚釣りが趣味の友人がいる。家が近いので、ときどき釣ってきた魚を調理して持ってきてくれる。鮎を飴炊きにしたものとか、ワカサギをてんぷらにしたものとか。この間は、「グリルに入れて焼くだ...
カルチャー
【57577の宝箱】色つきの紙を小さく折っていく 丸めた背中は祈りにも似て
2021/03/10
保育園の卒園式が近づいている。とは言え、うちの次男はまだ年少クラスなので、卒園式には参加しない。だけどわたしにはある仕事が託されている。それは、年長さんが卒園式のときにつけるための...
カルチャー
【57577の宝箱】君が焼くたまごは 君が好きな味 やさしく甘い命を食べる
2021/03/03
料理が苦手だ。とは言え、しないわけにはいかない。食べさせねばならない子供がふたりいるので、なんとかかんとか毎日自炊をしている。豚の生姜焼き、煮魚、焼きそば、ハンバーグ、カレーやシチ...
カルチャー
【57577の宝箱】さらさらと 時間の粒が積もりゆく ゆうべの涙もそこにうずめて
2021/02/24
文章を書く仕事をしている。専業となったのは2018年。それからというもの自宅でひとり、コツコツと文字を積み上げる日々だ。書く仕事には、「書く」以外にもいろんな仕事がある。企画を考え...
カルチャー
【57577の宝箱】わたしのじゃない人生に出かけます 帰ってきたら愛せるように
2021/02/18
ある金曜の夜、わたしの心は乾いていた。忙しくてなかなかゆっくりできない1週間だったので、ストレスが溜まっていたのもある。その上、仕事でうまくいかないことがあって悶々と悩んでいた。週...
カルチャー
【57577の宝箱】丸まっていく鉛筆の芯の先 掻いた心がふるえる夜更け
2021/02/10
この間、ある大学でゲストとして講義を行った。国語教諭を目指す学生たちのクラスでのことだ。わたしは、文章を「書くこと」と人に話を「聞くこと」、このふたつを仕事の軸としている。その日は...
カルチャー
【57577の宝箱】てのひらに無数の言葉を掬いあげ 時をはらんだ詩(うた)を呑み込む
2021/02/03
積ん読が多い。読み終わっていないのに新しい本を買うから当たり前の事象ではあるのだけど、多分いま、300冊くらいあるんじゃないかなと思う。過去最多だ。少し前までは、読みきれないほどの...
カルチャー
【57577の宝箱】“ present ” 意味 : プレゼント、現在の 過去から贈られ今が在ること
2021/01/27
マグカップにティーバッグを入れて、沸かしたてのお湯を注ぎ、色が変わったら蜂蜜に漬かったスライスレモンをひとつ放り込む。仕事を始める前で考え事をしていて、雑に放り込んだものだから、お...
カルチャー
【57577の宝箱】君の名は短い歴史 呼ぶたびにわたしも歴史の一部となって
2021/01/20
「ママ」になって10年近く経つが、「ママ友」という言葉がどうもなじまない。「飲み友達」とか「地元の友達」とかなら自然に言えるのに、「ママ友」という言葉だけはどうしても喉元で突っかか...